Eコマースからスタートした楽天は、今や通信、金融、不動産、スポーツなど様々な事業を展開しています。 本記事ではそんな楽天グループ株式会社の年収事情について、元営業社員のSさんに行ったインタビュー内容を元にご紹介します。 楽天の平均年収やボーナス、評価方法、出世・昇給する人材から楽天が求める人物像まで、幅広く解説します。 |
目次
楽天の平均年収と、役職(グレード)別年収
楽天グループ株式会社の平均年収は、2023年度の有価証券報告書によると以下の通りです。
従業員数 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年収 |
10,350(名) | 34.4(歳) | 5.1(年) | 794.6万円 |
平均年齢34.4歳で年収794万円ですから、国税庁が発表する日本の平均年収461万円と比べるとかなり高い水準であることがわかります。
しかしこれらはあくまで平均年収です。実際、役職別にもらえる年収はどれくらいなのでしょうか。
楽天のグレード別年収
楽天で「グレード」と呼ばれる役職別の年収について、元社員のSさんにヒアリングしたところ、以下のような年収レンジになっているようです。
年収のベースとなるグレード(C~AAA)は、査定に伴う形で決定されます。
楽天の中途入社者の場合、
- 入社時の年収は600万~650万円がボリュームゾーン
- 昇進してマネージャー(管理職)クラスになると「グレードAA」となり、年収が900万以上になる
というのがモデルケースのようです。
楽天の職種別平均年収
前述の通り、楽天の年収は34歳で年収800万円弱というのが一つの目安になります。
では職種別に見ると、年収はどのようになっているのでしょうか。
転職者アンケートのデータをもとに、楽天社員の職種別平均年収を高い順に並べると以下の通りです。(2023年11月時点)
職種 | 平均年収 | 回答者数 |
開発 | 811万円 | 6人 |
管理 | 750万円 | 10人 |
企画 | 713万円 | 13人 |
エンジニア・SE | 672万円 | 15人 |
マーケティング | 644万円 | 12人 |
人事 | 629万円 | 5人 |
営業 | 592万円 | 25人 |
職種によってはサンプル数が少ないものもあります。 しかし概ね開発職は年収が高く、営業職は低い傾向にあることがわかります。
楽天と大手IT競合の平均年収比較
楽天は競合他社と比べて年収は高いのでしょうか?低いのでしょうか?
上場している日系の大手IT企業との平均年収を比較したところ以下の通りでした。
企業名 | 平均年収 | 平均年齢 |
リクルート | 1119.2万円 | 39.8歳 |
DeNA | 854万円 | 37.6歳 |
LINEヤフー | 819万円 | 37.3歳 |
ソフトバンク | 810万円 | 41.3歳 |
楽天 | 794万円 | 34.3歳 |
上場6社で比較すると、楽天は一番低いという結果になりました。しかし、これはあくまで平均値です。
実際に支給される額は職種やパフォーマンスによって差があります。
楽天中途採用者(転職者)の年齢・年収実績
続いて、楽天に中途採用された社員がどれくらいの年収をもらっているのか、見てみましょう。過去楽天に転職した人の年齢や前職、年収は以下の通りです。
前職 | 楽天での年収 | |
Aさん 29歳 | みずほ銀行 | 650万円 |
Bさん 32歳 | NTT東日本 | 750万円 |
Cさん 34歳 | インテル | 800万円 |
IT以外の業種からも転職していることがわかります。
また前述の通り、日本の平均年収から比較すると年収は十分高いことがわかります。
楽天 デジタル人材の内定率No.1 藤並 克充 氏
株式会社ウィンスリー ヘッドハンター
①楽天の選考を熟知した、きめ細やかな面接対策
②豊富な内定実績により、人的ネットワーク・独自情報を保有
③圧倒的な交渉力で満足度の高いオファーを実現
楽天で年収1,000万に到達するのはマネージャークラス
上記の表を見ていただくとわかる通り、楽天で年収1,000万に到達するには
- グレードAで査定を上げる
- グレードAAでマネージャークラスになる
必要があります。では査定をあげるのにはどうしたらいいか?グレードAAになるにはどうしたらいいか?詳しく解説していきます。
楽天で年収を決めるグレードと査定
楽天では職務レベルに応じてC→B→BB→BBB→A→AA→AAAの7段階のグレードが付与され、グレードに応じて年収がアップしていきます。(厳密には、AAAの上にSがあります)基本的に中途入社時はBかBBで始まるケースが一般的です。
グレードごとの査定は以下の2軸で評価されます。
- パフォーマンス(何を成し遂げるか)
- コンピテンシー(何ができるか。スピード感、当事者意識)
例えば営業の場合、獲得数字などのパフォーマンス(営業成績)のほかに、自己評価、上司評価を含めたコンピテンシー評価が重視されます。これらは半期ごとに設定される面談で決定され、7段階の査定評価が算出される流れとなります。
グレードの上がるペースは2~3年に一度
給与のベースを決めるグレードは、どのくらいのペースで上がるのでしょうか。
Sさんによると、半年で1段階上がるといったようなスピード感ではなく、基本的には2~3年かけて上1グレードずつ上がるイメージのようです。
IT企業にしては遅いと思われる方も多いかもしれません。
実際、Sさんの同期にも査定がずっと上がらずに苦戦している方もいるそうです。
特にA→AAに上がるのは非常に大変だと言われています。Sさんは退職時にはグレードAだったのですが、AAに上がるハードルが高いと言われ、必要年数と自身の年齢を考え、転職に踏み切りました。
楽天営業の年収アップ実例と、年収が上がらないケース
営業職として楽天に3年半在籍したSさんは、入社時のグレードBBからスタートし、当時の年収は約650万でした。
査定によりグレードがワンランク上がると、月給は3~4万、ボーナスが半期で20万ほど上がりました。
退職時はAランクだったので、年収は750万ほどでした。
AAになると900万~1,730万あたりに達するそうです。
AもAAも、役職で言うとマネージャークラスです。
英語力がないと、年収は上がらない
年収を上げるにはグレードを上げる必要がありますが、一方で、グレードが下がったり、年収が下がったりすることは基本的にはありません。
業績が奮わない、パフォーマンスが発揮できなかったなどで年収が下がることはなく、その代わりに年収が何年もあがらないというシステムになっています。
また、どんなにパフォーマンスを発揮できても、英語力がないとグレードは上がりません。
具体的にはTOEIC800以上が必要になります。
TOEIC800以下は基本的に契約社員となり、2年以内に800以上のスコアを獲得できないと給与は10%カットされてしまいます。
同僚でも、意外とこのTOEICに苦戦している人は多かったとSさんは言います。
楽天 デジタル人材の内定率No.1 藤並 克充 氏
株式会社ウィンスリー ヘッドハンター
①楽天の選考を熟知した、きめ細やかな面接対策
②豊富な内定実績により、人的ネットワーク・独自情報を保有
③圧倒的な交渉力で満足度の高いオファーを実現
楽天の年収に影響する評価
では楽天では実際にどのような人材が評価され、年収アップを実現しているのでしょうか。
Sさんは、楽天の営業職で査定を上げていくには、大きく分けて以下の2軸が求められるのではないかと感じていました。
- 成果を上げる
- 上司、役員に気に入ってもらう
Sさんはこの2軸をクリアしていたため、同僚と比較しても早く昇格していくことができました。
成果を上げる
Sさんの上司は担当しているサービスについて意見を多く求めてくるタイプの上司でした。
このため、成果をしっかりと出した上で「どうサービスを盛り上げていくべきか」「サービス成長のためにこれまでにない、全く新しい視点で提案する」という点を日頃から意識し、積極的に自分の意見を言うように心がけていたそうです。
その結果、担当のWEBサービスの広告施策において、今まで行ってこなかった他媒体とのコラボなどを実現させることもできました。
そしてこのような、期待されていた以上の仕事をこなすことができ、0から1を生む仕事が高く評価されました。
しかし個々のパフォーマンスをどう評価するのかは、部署長の考え方による部分もあるため、全ての部署でこのような仕事が評価されるとは限りません。
中には、新しい提案を歓迎する空気がない部署があるのも事実です。
ややトップダウンの雰囲気もありますが、とはいえ年功序列というわけではなく、実力がしっかり評価される環境だと言います。
上司、役員に気に入ってもらう
個人の業績が必要とされる実力主義的な側面もあれば、2軸目の「上司、役員に気に入ってもらっていること」も大切とされる会社です。
Sさんの場合は、役員とは飲みの席で距離をつめて、自身の活躍に注目してもらえるように努めていたと言います。
もちろん、役員と関わるタイミングは意識して作らないと訪れませんが、Sさんは社内のバースデーイベントがきっかけで接点を持つことができたそうです。
バースデーイベントとは3か月ごとに年間4回程度、該当月に生まれた社員が集まり誕生日パーティーをするというものです。
このように業務外でも役員クラスとは飲み会などで関わりを持つ文化があるので積極的に関係性を築けるコミュニケーション上手な人は評価を受けやすいと言えます。
楽天の年収制度から紐解く求める人物像と、選考突破のポイント
ここまで査定について触れながら楽天の年収制度や評価される人材について解説しました。
楽天で評価されるのはハイパフォーマーかつ、上層部と良好な関係性を築ける人材ということがわかりました。
ハイパフォーマーかどうかの評価軸は、部門長のスタイルによっても変化する部分ではありますが、基本的に言われているのは以下の3点です。
- 0から仮説を立てて実行に移せること
- スピード感があること
- 顧客満足度の最大化に貢献すること
採用面接の際も、この辺りを踏まえてこれまでの経験をアピールできると良いでしょう。
選考突破のポイント
楽天は新しいアイデアを持って意欲的に仕事に取り組む人材が集まっているので、
成長意欲が掻き立てられますし、ポジティブなエネルギー溢れる会社です。
そのため、採用面接時には成長意欲の高さをアピールすることが重要だとSさんは話します。
それも、漠然と「成長したい」とアピールするのではなく、「○年後には○○ができるようになりたい」など具体的なイメージを落とし込むことができていると、より良い評価を受けやすいでしょう。
若いうちからで圧倒的に成長したい、チャレンジしたいと考えている方におすすめの企業です。
楽天へ転職するには
楽天の営業について理解は深まりましたか?楽天への転職を希望する方は、同社への内定実績を豊富に持つエージェントに相談するようにしましょう。
内定実績が豊富なエージェントは採用ターゲットを熟知していますし、過去の面接内容や面接官の情報に基づいた面接対策をしてくれるので内定確度が上がります。
楽天の志望度が高い方は是非、以下のサービス【エージェントファインダー】にご登録ください。楽天へ豊富な内定実績を持つヘッドハンター藤並氏をはじめとする転職エージェントをご紹介させていただきます。