2024.05.29

SONY

ソニー(SONY)は平均年収1,084万円!現役社員がボーナスやジョブグレード別の年収、リアルな年収事情を解説

ソニー(SONY)は平均年収1,000万円超えと非常に高い年収で知られています。さらに2023年度からは社員の給与水準を大幅に引き上げることを発表しています。
ソニーの社員は実際、どのくらいの年収をもらっているのでしょうか?また転職者はどれくらいの年収でスタートし、入社後はどのように年収がアップするのでしょうか?本記事ではソニーの年収やボーナス、年収体系や昇給の仕組みなどリアルな年収事情を、同社の現役社員に行ったインタビュー内容をもとに解説します。

ソニー(SONY)の平均年収と、30歳現役社員の年収

  • 平均年収1,101万円(平均年齢42.4歳)
  • 30歳の取材対象者 年収約880万円

2022年度の有価証券報告書によると、ソニーの平均年収は1,101万円(平均年齢42.4歳)でした。

従業員数 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2,445人 42.4歳 16.4年 1,101.8万円

日本の平均年収が正規雇用で494万円ですので、かなりの高額と言えるでしょう。

もともと高額だったのに加え、2023年度からは社員の給与水準をさらに引き上げることを発表しました。主任級の一般社員の場合、月額最大で5万円超アップし、新入社員の初任給も月額1万円引き上げます。優秀な人材を集めて国際的競争力を高める狙いです。

 

ソニーの平均年収の推移

ここで、有価証券報告書をもとにソニーの過去5年間の平均年収推移を見てみましょう。

年度 平均年収 平均年齢 従業員数
2022年度 1101.8万円 42.4歳 2,445人
2021年度 1084.5万円 42.6歳 2,839人
2020年度 1044.0万円 42.2歳 2,973人
2019年度 1057.1万円 42.4歳 2,682人
2018年度 1050.9万円 42.4歳 2,519人

ここ5年は1,000万円〜1,100万円の間で推移しています。直近の2022年度はついに1,100万円を超えました。2023年度からは給与水準の引き上げを発表しているので、さらなる年収アップが期待されます。

 

ソニーの職種別平均年収

続いて、ソニーの職種別平均年収をご紹介します。転職者アンケート情報(2023年11月時点)によると以下の通りでした。

職種 平均年収 年収範囲 回答者数
開発 915万円 520~1,440万円 18人
マーケティング 1007万円 500~1,800万円 26人
エンジニア・SE 822万円 480~1,390万円 13人

 

30歳のソニー現役社員の年収

30歳の取材対象者は、某日系精密機器メーカーからソニーに転職し、営業職から管理系の職種にジョブチェンジしました。
後述する「ジョブグレード」は前職とほぼ同等の「I3」(詳細は後述します)で入社し、2019年の年収は約880万円で、前職から100万円以上アップしました。

 

ソニー(SONY)のボーナス及び査定方法

30歳の取材対象者の年収は約880万円でしたが、そのうちボーナスは年間約300万円程。6月に75万円、12月に225万円というバランスだったと言います。
ソニーではボーナスは毎年6月と12月の年に2回支給され、以下のような違いがあります。

  • 6月…会社の業績や個人の評価に応じたボーナスが支給される
  • 12月…会社の業績や個人の評価に関係なくジョブグレードに沿って一律支給。

個人の業績にもよりますが、役員以外の一般社員であれば概ね月給5カ月分がボーナスとして支給されます。
また、業績がよい場合は、後述するジョブグレードが上がるほど、ボーナスの割合が高くなります。

ボーナスは査定を元に決定し、査定は年に1回行われます。
4月から5月頃に年間の課題目標を設定し、翌年4月にレビューする流れです。

レビュー結果を基にボーナス及び評価が決定されるため、例外はありますが、該当者はその年の7月から昇格、場合によっては降格する流れになります。

 

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ソニー(SONY)のジョブグレード制とグレード別の平均年収

ソニーではジョブグレードという名称で社員がクラス分けされるジョブグレード制をとっており、管理職ではない一般社員はI1からI5のグレードに分かれます。

大卒社員は一般的にはI3(担当者)からのスタートになり、I4が主任(上級担当者)、I5が係長(リーダー/専門家)レベルとされています
ちなみにI5になると部下を4-5人持つグループリーダーに相当し、英語表記では役職にManagerが付くようになります。

昇格のタイミングは人によって異なるため一概には言えませんが、イメージとしては順調にいって30歳でI4、34歳辺りからI5になります。

I5より上のグレードでは、I6からI9のスペシャリスト、もしくはM6より上のいわゆる管理職を目指す形になります。
なお、ソニー内の呼称としてM6は統括課長、M8が統括部長、M9が事業部長、M12が執行役レベルとされています。

取材対象者の周囲では殆どの人が「M」から始まる管理職の道を選択していると言います。

 

一般社員のグレード別年収

参考までに、一般社員のグレード別年収レンジは以下の通りです。

ジョブグレード 職種 年収
I3 担当者 500~700万円
I4 上級担当者 700~900万円
I5 リーダー/専門家 900~1,100万円

 

ソニー(SONY)転職者の年収実績

ここで、ソニーへ転職された方々の年収実績をご紹介します。

年齢 前職 前職年収 現職(ソニー)年収
Aさん 27歳 住友電気工業 550万 670万
Bさん 30歳 富士通 600万 700万
Cさん 26歳 リクルート 600万 600万
Dさん 33歳 日立製作所 650万 720万

ソニーへの転職を機に年収が100万以上アップした方も、特に変わらない方もいらっしゃいました。

 

ソニー(SONY)競合との年収比較

競合と比較してもソニーの年収は高いのでしょうか?ここでは上場している総合電機メーカーの平均年収をランキング形式でご紹介します。

順位 社名 年度 平均年収  平均年齢
1位 ソニー 2022年度 1101.8万円 42.4歳
2位 パナソニックホールディングス 2022年度 908.7万円 43.6歳
3位 三菱電機 2022年度 827.3万円 41.3歳
4位 シャープ 2022年度 708.8万円 45.6歳

ランキングを見ても、ソニーが同業他社と比較して圧倒的に高年収であることがわかります。

 

ソニー(SONY)で年収をアップさせるには?評価方法について

年に1回に行われる評価は、以下の2軸で行われます。

  • 目標の高さとその達成度を測る「実績評価」
  • ソニー社員に求める行動の実践度を測る「行動評価」

「実績評価」はボーナスに、「行動評価」は実績評価と合わせて「役割遂行度評価」として基本給の改定に反映されます
役割遂行度評価はジョブグレード改定の参考指標としても用いられます。

 

ソニーの評価方法①実績評価

「実績評価」は年に1回、目標の高さと達成度の視点から実績の大きさを見て、1-5の5段階で評価されます。
とは言え、8割の人は2から4の評価になり、1や5になるケースはあまりないようです。

 

ソニーの評価方法②行動評価

「行動評価」も年に1回、人事部が定める「ソニー社員に求める行動」からブレイクダウンし、ジョブグレードごとに定めた行動評価基準の各項目の実践度を判断して、上司が決定します。
こちらも1-5の5段階評価です。

 

実績評価と行動評価のマトリックスでジョブグレードが決定

実績評価と行動評価のマトリックスから、ボーナスやジョブグレードが決定されます。基本給はジョブグレードに応じて上がっていきます。

昇進を見据え、目標や行動は常に1つ上のグレードを意識することが求められます。
実際、取材対象者もI4に上がる際は、サブリーダーとしてグループのまとめ役を期待され、業務を引っ張っていく役割を求められたと言います。

 

ソニー(SONY)での昇給、減給事例

ここでは取材対象者が目の当たりにした、年収が上がった例と下がった例をご紹介します。

 

年収が上がった例

海外から帰任したI5のAさんは中国グループのグループリーダーにアサインされました。しかし任された中国に留まらず、隣のグループが管轄する欧米も含めた競合の詳細な価格調査、分析をし、マネジメントに発表しました。

着任直後に隣のグループの仕事に口出しするとは…と、当時転職したばかりの取材対象者は驚いたと言います。しかし業務範囲を自分で狭めずに問題意識を持ち、他のグループの仕事が十分でないと感じたこの行動は、マネジメントに大変評価されました。ほどなくして欧米のグループリーダーを兼務した後、統括課長になりました。

I5から統括課長になり、年収は200万円ほどアップしたと見られます。

 

年収が下がってしまった例

ソニーでは基本的に与えられたミッションをしっかりこなしていれば、外資系のように突如クビになったり、降格することはあまりありません。それでも病気がちで、通院のため出社が極端に少なくなってしまった50代のGさんはI5からI4への降格され、給与も下がったようです。

このように致し方ない事情で降格・減給するケースも存在すると言います。

 

ソニー(SONY)の年収に影響する評価

ソニーで評価され、昇進・昇給するには「存在感」を出していくことが非常に重要です。
評価が自部署内に留まるようでは、I5以上に上がることは難しいと取材対象者は語ります。

業務を共にする他部署の評価も上げつつ、会議などでは率先して発表や意見を発信し、個性が強い集団の中でしっかりと存在感を発揮することが重要です。

また、一般的な日系企業と比較すると年齢に関係なく、優秀な社員のグレードはどんどん上がって行きます。外資系企業やスタートアップと比べると昇進スピードに物足りなさはあるものの、年功序列から成果主義に移行している企業とも言えます

HPに「自ら考えて行動し、アウトプットを出せる人が求められる」と書かれているとおり、実際ソニーではそのような人材が求められています。

伝統的な日系企業とは異なり、自主性を重んじるソニー。上司に言われたから、前任者がそうしていたから、といった言い訳は通用しません。状況を分析し、自分で考えてオリジナルなアウトプットを出せる人を後押しし、評価する会社です。

 

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年収制度から紐解く「自由闊達にして愉快なるソニー(SONY)」


ここまで、ソニー(SONY)の年収制度について、様々な角度からご紹介しました。実際にソニーで働く取材対象者によると、「ソニーは個を重んじる自由闊達な会社」という印象が強いようです

例えば日系メーカーの大半は協調性を重んじ、チームワークが求められます。しかし、ソニーは個人を重んじる文化です。それが年功序列ではない、ジョブグレード制の年収システムにも表れています。

間違っていてもいいから会議で積極的に発言し、役員相手に物おじせずに発言する人材が評価される文化に、取材対象者も最初は驚いたと言います。
ソニー社員にプレゼン能力が高く、若いうちから自発的にビジネスに影響を与え成果を出す社員が多い理由は、このような社風にあるのでしょう。

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