
NTTグループの主要企業の一つであり、国内外に多くの子会社や関連会社を持つNTTデータ。顧客のニーズに応じてシステム設計や開発を手掛ける日本有数のSIerです。 安定した経営基盤から転職市場での人気も非常に高く、給与など待遇面が気になっている人も多いでしょう。そこで、NTTデータの現役社員から、同社の年収やボーナス、各種手当と福利厚生、そしてNTTデータで年収を上げるコツを聞きました。 |
プロフィール
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私立大学卒
NTTデータ システムエンジニア職 |
目次
NTTデータの平均年収
有価証券報告書によると、NTTデータ社員の平均年齢は39歳、平均年収は867万円です。(2023年3月31日)
従業員数(人) | 平均年齢(歳) | 平均勤続年数(年) | 平均年間給与(千円) |
12,714 | 39.0 | 14.5 | 8,670 |
一般的な年収の水準から比べるとかなりの高水準であることがわかります。
過去5年間の年収推移
年度 | 平均年収 | 平均年齢 |
2023年 | 867万円 | 39.0歳 |
2022年 | 852万円 | 39.0歳 |
2021年 | 841万円 | 38.9歳 |
2020年 | 833万円 | 38.9歳 |
2019年 | 828万円 | 38.7歳 |
毎年着実に平均年収がアップしていることがわかります。
NTTデータの年齢・役職別の平均年収
役職とその役職に就くおおまかな年齢別の年収レンジは以下の通りです。
NTTデータにはシステムエンジニアの他、営業やコンサルタントなどの職種もありますが、職種による給与の違いはあまりなく、主に役職と所属する部門の評価によって年収が決まるようです。
NTTデータ年齢別の平均年収
参考までに転職者アンケートによると、NTTデータの年齢別平均年収は以下の通りとなっています(2023年11月時点)
年齢 | 平均年収 | 年収レンジ |
25歳 | 505万円 | 422~669万円 |
30歳 | 711万円 | 580~881万円 |
35歳 | 827万円 | 669~1,090万円 |
40歳 | 905万円 | 741~1,218万円 |
45歳 | 970万円 | 759~1,255万円 |
50歳 | 961万円 | 768~1,323万円 |
NTTデータ新卒~一般社員の年収
続いて、役職ごとの昇格の条件や年収について詳しく解説します。
2022年4月の初任給実績は以下の通りです。
<2022年4月初任給実績>
最終学歴 | 初任給金額 |
博士了 | 301,310円 |
修士了 | 252,630円 |
学士卒 | 223,130円 |
高専卒 | 193,330円 |
今回のインタビュー対象者の初任給は350万円程度でした。
NTTデータの給与体制は、良くも悪くも年功序列の傾向が色濃く残っているのが特徴と言われていましたが、2023年4月の人事制度改革で大きく変わりました。昇格時に必要だった最低在籍年数の要件が無くなり、専門性や成果を評価する体制に刷新されたとのことです。
そのため、上記年収実績は廃止された過去の人事制度下での実績ということになります。
主任クラスの年収
これまでの人事制度では、大卒なら入社5年目の終わり、院卒なら入社3年目の終わりに主任に昇格するシステムになっていました。休職など特別な例外がない限り、ほぼ100%このタイミングで昇格となり、それより早まることも遅くなることもないので、入社してなるべく早く昇格昇給したいという人はもどかしさを感じていたそうです。
一方で、真面目に努力していれば誰でも27、8歳で主任になることができ、昇給できるというメリットがありました。入社後、少なくとも数年は仕事の流れを掴みながらじっくり成長していきたい人には安心感のある体制だったといえるでしょう。
課長代理クラスで年収1,000万に到達
主任以降は実力も評価されていきます。早ければ20代後半から35歳くらいまでに課長代理に昇格し、年収は800万~1,000万円に届く人も出てきます。
課長代理になった頃から明確に年収が上がってくるのも特徴です。(2023年4月の人事制度改革によって内容が変更する可能性があります。)
昇給の決め手は30歳前後~の面接テスト
課長代理になるには面接テストに合格することが条件となります。
面接テストを受けるタイミングは人によって異なり、日頃の評価によって決まります。
上長との定期的な面談から5段階で評価され、その結果が良い場合や、中心メンバーとしてプロジェクトを推進した実績を作ると、面接テストを勧められます。
NTTデータ課長クラスの年収
順調にいけば35歳以降で課長に昇格し、年収は1,000万~1,300万円まで上がります。(2023年4月の人事制度改革によって内容が変更する可能性があります。)
NTTデータ部長クラスの年収
プロジェクトマネージャー(PM)となるのが部長クラスの管理職です。
年収は1,200万~1,600万円と大きく伸びます。
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NTTデータのボーナス
NTTデータのボーナスは6月と12月の年2回、年間で基本給の5~7ヶ月分支給されます。
業績による変動はもちろんありますが、大きく変わることはなく、賞与も比較的安定しているそうです。
<例>30代 課長代理
基本給 | ボーナス(年間) |
40万円+諸手当 | 150万~200万円 |
NTTデータの残業代
NTTデータの残業代は、役職などによって異なります。
残業の量は同じシステムエンジニアでも配属先によって異なるようです。配属先によっては残業が多いこともあり、残業時間が増えると年収にも大きく影響してきます。残業代は1分単位で支給されます。
なお、管理職以上の役職になると、残業代はつかなくなります。
NTTデータ中途入社者の年収実績
ここまで、NTTデータの基本的な年収システムについてお伝えしました。ここではNTTデータに中途入社した社員の年収実績をお伝えします。
年齢 | 前職 | 前職の年収 | NTTデータでの役職 | NTTデータでの年収 |
29歳 | 損保ジャパン | 600万 | 700万 | |
37歳 | ネットワンシステムズ | 700万 | 課長代理 | 1000万 |
44歳 | 日本ヒューレットパッカード | 750万 | 課長 | 1100万 |
どの転職者もNTTデータへの転職により、以前よりも高い年収を獲得していることがわかります。
中途採用者もしっかり評価される職場
インタビュー対象者によると、転職者の年収は前職や経験にもよりますが、20代で500~600万円、30代で600万円~が目安のようです。
転職者も新卒者と同様に、面接テストなどを経て昇給、昇格されます。転職者だから評価されにくいということはありません。とくに、ここ数年NTTデータでは中途採用に力を入れており、直近5年間で年間20名から年間500名採用にまで激増しています。年功序列の廃止などの抜本的な人事制度改革も、中途採用者を適正に評価し、働きやすい環境を作ることが目的のひとつとされています。
新規分野には転職者も多数
以前は新卒採用がメインのイメージの強かったNTTデータですが、最近では中途採用も積極的に行なっています。
転職者の前職は大手SIerがほとんどのようです。
転職者の配属先は、金融など昔から続くプロジェクトでは少なく、クラウドファンディングなど新しい分野を担う部署で多い傾向があり、後者の部署には毎月のように転職者が入っていると言います。
離職率が低く長く勤務する人も多い一方で、スタートアップやベンチャーに誘われて転職する人もいます。
NTTデータ、競合との年収比較
同じITサービスの競合企業と比較して、NTTデータの年収は高いのでしょうか?各社の2022年度有価証券報告書に記載されている平均年収からランキングを作成しました。
順位 | 会社名 | 平均年収 |
1位 | 日立製作所 | 915万円 |
2位 | 富士通 | 879万円 |
3位 | NTTデータ | 867万円 |
4位 | NEC | 843万円 |
NTTデータの平均年収は富士通や日立製作所に比べるとやや劣りますが、NECよりは高いという結果でした。
NTTデータで年収を上げるには
年収システム、中途者の年収実績を一通り確認したところで、NTTデータで年収を上げるにはどうしたらいいのか見ていきましょう。
まず前提として、昇給・昇格のための面接テストだけでなく、日頃の業務態度や成果もしっかりと評価されています。
代表的な評価体制は定期的な面談であり、半期ごとに目標を決め、中間報告や結果報告とともに、定性評価や自己評価を行います。その際、プロジェクト自体の成果も評価対象になりますが、プロジェクトの規模が大きければ高評価につながるということではなく、小規模なプロジェクトを複数掛け持ちで進行した場合も、それぞれに評価が加算されます。(2023年4月の人事制度改革によって内容が変更する可能性があります。)
NTTデータで評価されやすい人材の特徴
インタビュー対象者の方曰く、NTTデータでスピーディーに昇進・昇給する人の特徴は以下の通りでした。
- チームをまとめて広い視野でプロジェクトを進行できる人
- 自分で考えて判断できる人
- 先見性やプロフェッショナリティを備えている人
- 伝統を大切にしつつ勇気を持って変化できる人
NTTデータはNTTグループの伝統を持つ企業であるという大きな特色を持っています。
そのため、伝統の強みを素直に受け入れつつ、時代に合わせて変化することができる柔軟性のある人材が求められているようです。
ただし、NTTデータ人事部としては、中途採用枠を増やす背景として、外部からの新たな風を吹き込み、多様性を実現していきたいというイメージがあるそうです。
経験やスキルを活かし、積極的に組織力強化に向け取り組むことも評価されるでしょう。
NTTデータ年収以外の待遇、充実の福利厚生
NTTデータは給与自体も高水準ではありますが、充実した手当や福利厚生が全体的な満足度を高めています。
主な手当は以下の通りです。
- 残業手当
- 夜勤手当
- 休日出勤手当
- 住宅手当
- 扶養手当
- 通勤費用
- リモートワーク手当など
特に住宅手当が手厚く、新卒の場合、入社後3ヶ月までに契約を開始すると、1回限りの支給で自立支援一時金20万円が支給されます。
その後は独身者で4万1,000円/月、既婚者で7万900円/月を35歳頃まで支給(首都圏の場合。金額は居住地によって異なる)。独身の場合、入社3年目終わりまでは住宅補助の4万1,000円に加えて、自立支援金2万円/月が支給されます。
その他、住宅財形貯蓄や社員持株会、持家取得支援・持家ローン返済補助、 育児・介護支援、企業年金なども用意され、福利厚生は非常に充実しているといえます。
使い道が選べる「カフェテリアポイント」を支給
NTTデータの福利厚生で特徴的なのは、毎年支給される「カフェテリアポイント」です。
カフェテリアポイントは、人間ドックの受診などの健康管理やセミナー参加などの自己啓発、レジャー施設の優待などに利用でき、それぞれが自由に利用する内容を選べます。
NTTデータへの転職におすすめのサービス
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NTTデータの年収、待遇満足度は?現役社員による口コミ情報
現役社員によると、NTTデータの年収、待遇面での満足度は高いと言います。
その理由として年収が高水準なのはもちろん、年功序列で比較的右肩上がりに昇給できること。
他社と比べてもスムーズに昇給できる点を挙げていました。
また、福利厚生も充実しているため、長く働くことにメリットを感じる社員が多いようです。
実際、NTTデータの入社3年以内の離職率はわずか3.6%。企業の安定感が離職率の低さにも現れています。
またこの他にも、インタビュー対象者の方は「良識があり、いざというときに部下を守ってくれる上司が多い」という点も評価していました。
NTTデータの年収に関するよくある質問
NTTデータの年収に関するよくある質問をまとめました。NTTデータに転職したいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
NTTデータに退職金制度はある?
NTTデータでは、満3年以上勤務した社員に対して、退職時に一括で退職金を支給する退職金制度があります。そのほかにも、財形貯蓄制度と確定拠出年金も利用できます。
NTTデータ社員の平均年齢は?
NTTデータの公式発表情報によると、2021年度の平均年齢は39.0歳、男性は40.3歳、女性は34.7歳となっています。また、平均勤続年数は14.7年となっています。
高年収で福利厚生も手厚い安定企業、NTTデータに転職するには
ここまで見てきたように、NTTデータは年収が高水準であるだけでなく、ある程度までは年功序列でスムーズに昇給し、福利厚生も手厚い安定感のある企業です。
部署によっては残業が多くなりますが、その分、残業代に反映されるため、若いうちから高い年収を得ることも可能です。
働く人も良識のある人が多く、安定して長く働きたい人には魅力的な会社といえるでしょう。
NTTデータに転職するには
NTTデータへ転職を実現する上で大切なポイントは、転職エージェントの利用です。
転職エージェントならどこでも良いわけではなく、NTTデータへの内定実績を豊富に持つエージェントに相談するようにしましょう。
内定実績が豊富なエージェントは採用ターゲットを熟知していますし、過去の面接内容や面接官の情報に基づいた面接対策をしてくれるので内定確度が上がります。
NTTデータの志望度が高い方は是非、以下のサービス【エージェントファインダー】にご登録ください。NTTデータへの内定実績を持つ転職エージェントを紹介させていただきます。