NTTグループの主要企業の一つであり、国内外に多くの子会社や関連会社を持つNTTデータ。顧客のニーズに応じてシステム設計や開発を手掛ける日本有数のSIerです。
安定した経営基盤から転職市場での人気も非常に高く、給与など待遇面が気になっている人も多いでしょう。そこで、NTTデータの現役社員から、同社の年収やボーナス、各種手当と福利厚生、そしてNTTデータで年収を上げるコツを聞きました。
プロフィール
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私立大学卒
NTTデータ システムエンジニア職 |
NTTデータの平均年収
有価証券報告書によると、NTTデータ社員の平均年齢は39歳、平均年間給与はおよそ852万円です。(2022年3月31日現在)
従業員数(人) | 平均年齢(歳) | 平均勤続年数(年) | 平均年間給与(千円) |
12,351 | 39.0 | 14.7 | 8,521 |
一般的な年収の水準から比べるとかなりの高水準であることがわかります。
過去5年間の年収推移は以下の通りです。
年度 | 平均年収 | 平均年齢 |
2022年 | 852万円 | 39.0歳 |
2021年 | 841万円 | 38.9歳 |
2020年 | 833万円 | 38.9歳 |
2019年 | 828万円 | 38.7歳 |
2018年 | 820万円 | 38.4歳 |
毎年着実に平均年収がアップしていることがわかります。
NTTデータの年齢・役職別の平均年収
役職とその役職に就くおおまかな年齢による年収レンジは以下の通りです。
役職 | 年齢 | 年収レンジ |
役員 | 不明 | |
部長(PM) | 1,200万~1,500万 | |
課長 | 35~45歳 | 1,000万~1,300万 |
課長代理 | 28~35歳 | 800万~1,000万 |
主任 | 27,8歳頃 | 300万~800万 |
一般社員 | 22~26歳 | 300万~800万 |
NTTデータにはシステムエンジニアの他、営業やコンサルタントなどの職種もありますが、職種による給与の違いはあまりなく、主に役職と所属する部門の評価によって年収が決まるようです。
それでは、役職ごとの昇格の条件や年収について解説します。
新卒~一般社員の年収
2022年4月の初任給実績は以下の通りです。
<2022年4月初任給実績>
博士了 | 301,310円 |
修士了 | 252,630円 |
学士卒 | 223,130円 |
高専卒 | 193,330円 |
今回のインタビュー対象者の初任給は350万円程度でした。
NTTデータの給与体制は、良くも悪くも年功序列の傾向が色濃く残っているのが特徴です。それを最も感じやすいのが入社してからの数年間であり、この間に昇格することはほぼないそうです。
主任クラスの年収
大卒で入社5年目の終わり、院卒で入社3年目の終わりに主任に昇格します。休職など特別な例外がない限り、ほぼ100%このタイミングで昇格となります。それより早まることも遅くなることもないので、入社してなるべく早く昇格昇給したいという人はもどかしさを感じるかもしれません。
一方で、真面目に努力していれば誰でも27、8歳で主任になることができ、昇給できるというメリットがあります。入社後、少なくとも数年は仕事の流れを掴みながらじっくり成長していきたい人には安心感のある体制だといえるでしょう。
課長代理クラスで年収1000万に到達
主任以降は年功序列だけでなく、実力も評価されていきます。早ければ20代後半から35歳くらいまでに課長代理に昇格し、年収は800万~1,000万円に届く人も出てきます。課長代理になった頃から明確に年収が上がってくるのも特徴です。
昇給の決め手は30歳前後~の面接テスト
課長代理になるには面接テストに合格することが条件となります。
面接テストを受けるタイミングは人によって異なり、日頃の評価によって決まります。上長との定期的な面談から5段階で評価され、その結果が良い場合や、中心メンバーとしてプロジェクトを推進した実績を作ると、面接テストを勧められます。
課長クラスの年収
順調にいけば35歳以降で課長に昇格し、年収は1,000万~1,300万円まで上がります。
部長クラスの年収
プロジェクトマネージャー(PM)となるのが部長クラスの管理職です。年収は1,200万~1,600万円と大きく伸びます。
部長以上は実力で評価されるため、年齢で分けることはできなくなってきます。
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NTTデータのボーナス
NTTデータのボーナスは6月と12月の年2回、年間で基本給の5~7ヶ月分支給されます。業績による変動はもちろんありますが、大きく変わることはなく、賞与も比較的安定しているそうです。インタビュー対象者の方の給与・賞与は以下の通りでした。
<例>30代 課長代理
基本給 | 40万円+諸手当 |
ボーナス(年間) | 150万~200万円 |
NTTデータの残業代
NTTデータの残業代は、役職などによって異なります。
残業の量は同じシステムエンジニアでも配属によって異なるようです。配属によってかなり多めの場合もあるため、残業代が年収にも大きく影響してきます。なお、管理職からは残業代はつかなくなります。
NTTデータ中途入社者の年収実績
ここまで、NTTデータの基本的な年収システムについてお伝えしました。ここではNTTデータに中途入社した社員の年収実績をお伝えします。
年齢 | 前職 | 前職の年収 | NTTデータでの役職 | NTTデータでの年収 |
29歳 | 損保ジャパン | 600万 | 700万 | |
37歳 | ネットワンシステムズ | 700万 | 課長代理 | 1000万 |
44歳 | 日本ヒューレットパッカード | 750万 | 課長 | 1100万 |
NTTデータへの転職により、高い年収を獲得していることがわかります。
中途採用者もしっかり評価される職場
インタビュー対象者によると、転職者の年収は前職や経験にもよりますが、20代で500~600万円、30代で600万円~が目安のようです。
転職者も新卒者と同様に、面接テストなどを経て昇給、昇格されます。転職者だから評価されにくいということはありません。
新規分野には転職者も多数
以前は新卒採用がメインのイメージの強かったNTTデータですが、最近では中途採用も積極的に行なっています。転職者の前職は大手SIerがほとんどのようです。転職者の配属先は、金融など昔から続くプロジェクトでは少なく、クラウドファンディングなど新しい分野を担う部署で多い傾向があり、後者の部署には毎月のように転職者が入っていると言います。離職率が低く、長く勤務する人も多い一方、スタートアップやベンチャーに誘われて転職する人もいます。
ITサービス企業年収ランキング、NTTデータの順位は?
同じITサービス企業と比べてみるとどうなのか、各社の有価証券報告書に記載されている平均年収からランキングを作成しました。
1位 | 日立製作所 | 896万円 |
2位 | 富士通 | 859万円 |
3位 | NTTデータ | 852万円 |
4位 | NEC | 814万円 |
NTTデータの平均年収は富士通や日立製作所に比べるとやや劣りますが、NECよりは高いという結果でした。
NTTデータで年収を上げるには
給与体制を一通り確認したところで、NTTデータで年収を上げるにはどうしたらいいのか見ていきましょう。
まず前提として、昇給・昇格のための面接テストだけでなく、日頃の業務態度や成果もしっかりと評価されています。
代表的な評価体制は定期的な面談であり、半期ごとに目標を決め、中間報告や結果報告とともに、定性評価や自己評価を行います。その際、プロジェクト自体の成果も評価対象になりますが、プロジェクトの規模が大きければ高評価につながるということではなく、小規模なプロジェクトを複数掛け持ちで進行した場合も、それぞれに評価が加算されます。
基本的に年功序列の傾向が強いといっても、明確に年次で決まるのは主任までであり、それ以降は人によって昇進・昇給スピードが変わります。
NTTデータで評価されやすい人材の特徴
インタビュー対象者の方曰く、NTTデータでスピーディーに昇進・昇給する人の特徴は以下の通りでした。
・チームをまとめて広い視野でプロジェクトを進行できる人
・自分で考えて判断できる人
・先見性やプロフェッショナリティを備えている人
・伝統を大切にしつつ勇気を持って変化できる人
NTTデータはNTTグループの伝統を持つ企業であるという大きな特色を持っています。そのため、伝統の強みを素直に受け入れつつ、時代に合わせて変化することができる柔軟性のある人材が求められているようです。
NTTデータ年収以外の待遇、充実の福利厚生
NTTデータは給与自体も高水準ではありますが、充実した手当や福利厚生が全体的な満足度を高めています。
主な手当は以下の通りです。
・残業手当
・夜勤手当
・休日出勤手当
・住宅手当
・扶養手当
・通勤費用
・リモートワーク手当など
特に住宅手当はふんだんで、新卒の場合、入社後3ヶ月までに契約を開始すると、1回限りの支給で自立支援一時金20万円が支給されます。
その後は独身者で4万円/月、既婚者で7万円/月を35歳頃まで支給(首都圏の場合。金額は居住地によって異なる)。独身の場合、入社3年目終わりまでは住宅補助の4万円に加えて、自立支援金2万円/月が受け取れます。
その他、住宅財形貯蓄、社員持株会、持家取得支援、持家ローン返済補助、 育児・介護支援、企業年金なども用意され、福利厚生は非常に充実しているといえます。
使い道が選べる「カフェテリアポイント」を支給
NTTデータの福利厚生で特徴的なのは、毎年支給される「カフェテリアポイント」です。
人間ドックやレジャー施設にかかる費用、お花などのプレゼントなどさまざまなことに利用でき、社員それぞれが自由に利用する内容を選べます。
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NTTデータの年収、待遇面での満足度は?現役社員の口コミ
現役社員によると、NTTデータの年収、待遇面での満足度は高いと言います。その理由として年収が高水準なのはもちろん、年功序列で比較的右肩上がりに昇給できること。他社と比べてもスムーズに昇給できる点を挙げていました。
また、福利厚生も充実しているため、長く働くことにメリットを感じる社員が多いようです。実際、NTTデータの入社3年以内の離職率はわずか3.6%。企業の安定感が離職率の低さにも現れています。
またこの他にも、インタビュー対象者の方は「良識があり、いざというときに部下を守ってくれる上司が多い」という点も評価していました。
高年収で福利厚生も手厚い安定企業、NTTデータに転職するには
ここまで見てきたように、NTTデータは年収が高水準であるだけでなく、ある程度までは年功序列でスムーズに昇給し、福利厚生も手厚い安定感のある企業です。
部署によっては残業が多くなりますが、その分、残業代に反映されるため、若いうちから高い年収を得ることも可能です。
働く人も良識のある人が多く、安定して長く働きたい人には魅力的な会社といえるでしょう。
NTTデータに転職するには
NTTデータへ転職を実現する上で大切なポイントは、転職エージェントの利用です。転職エージェントならどこでも良いわけではなく、NTTデータへの内定実績を豊富に持つエージェントに相談するようにしましょう。 内定実績が豊富なエージェントは採用ターゲットを熟知していますし、過去の面接内容や面接官の情報に基づいた面接対策をしてくれるので内定確度が上がります。
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