有限責任監査法人トーマツの年収を元社員が解説!どんな人が評価される?年収は上がりやすい?

監査法人は高給取りのイメージをお持ちの方も多いと思います。Big4において、監査法人トーマツはデロイトトーマツグループの1つで、PwCあらた有限責任監査法人に次いで2番目に給与が高いと言われていますが、どの程度の年収なのでしょうか。

今回は、監査法人トーマツに勤務していた筆者が年収・ボーナスについて解説します。

 

監査法人トーマツの年収について

監査法人トーマツの平均年収は約900-1,300万円です。

年収の内訳は、(基本給+職能給)×12+首都圏手当(3.2-4万円)×12です。首都圏手当は首都圏に在住している人にのみ支給され、クラスごと(詳細は後述)に価格は異なります。また、シニアスタッフ以下にも裁量労働制を採用しており、残業代の代わりに一律で裁量労働手当が35時間分支給されます。

 

ボーナスは年に3回(6月、9月および12月)支給されます。6月と12月に1か月分の賞与が支給され、     9月には年間支給月数から2か月分を差し引いた月数分の賞与が支給されます。6月と12月に1か月分の賞与が支給され、9月には2か月分の賞与が支給されます。残りが月給×12か月分となりますので、毎月12分割されて支給されることになります。

 

昇給は年1回で、能力査定のうえ決定します。

クラスごとの年収は以下の通りです。

クラス 年収 入社年数
スタッフ 約400~700万円 入社1~5年目。上位者の指導、監督のもと実務に従事。OJTを受けながら、会計・監査に関連する法令の基礎知識を習得します。
シニアスタッフ 約800~1,000万円 入社5~8年目。中規模程度のクライアントで、インチャージ(主査)の仕事を担当。また、スタッフの指導、監督を行いながら業務を計画的に進め、進捗を管理します。
マネージャー 約1,000-1,200万円 入社8~10年目。監査計画を立案、実施させる責任者。複数の監査業務を管理できる実務能力と、関係諸法令に関する幅広い知識を有しています。
シニアマネージャー 約1,200-1,600万円 入社10年~15年目。豊富な経験を生かし、高難易度のプロジェクトや、困難な状況においても適切にプロジェクトをリードする責任者。実務・管理能力に加え、高度な専門知識と業務全般に対する運営力を有しています。
パートナー 約1,600-2,000万円 社員(Partner)として業務に関する最終的な責任を負うとともに、トーマツへの出資者であり法人の経営者として、組織運営について様々な役割を担っています。

 

監査法人トーマツで年収をアップさせるためには?

監査法人トーマツで年収を上げるためには、どうすれば良いでしょうか。

毎年の昇給はないので、職位が上がらない限り、基本給は増えません。よって、昇給するには地道にクラスを上げていくことが重要です。

 

評価方法はエンゲージメントに対する評価と、組織貢献に対する評価の2つで構成されています。マネージャー以上になると、セールス金額(自身が営業活動して獲得した案件金額)、エンゲージメント金額(自身がプロジェクトに入り、プロジェクトマネジメントをした案件の金額)も評価対象になります。

 

監査法人トーマツでは「RPM(Re-inventing Performance Management)」という、育成に重点を置き成長を加速する評価制度を採用しています。

具体的には、グローバルと共通の5つのツール     を用いて「継続的なフィードバック」「適時のパフォーマンス確認」を行うことで、一人ひとりの日々の成長をバックアップします。

評価者に関しては、直属の上司が独断で評価を行うのではなく、クライアントごとの上司の評価を、 という立場の上司がまとめて評価します。他に360度評価という制度が存在しますが、評価においては追加情報程度となっています。

 

5つのツールは以下の通りです。

 

・Check-Ins(タイムリーで高頻度なフィードバック)
上位者が期待役割を設定の上、各プロジェクトでのパフォーマンスに対してフィードバックを行うことで、個人の評価の妥当性の向上を目指します。

 

・Talent Reviews(育成のための議論)
アセッサーと部門長が一人ひとりに焦点を当て、定期的に育成計画について議論を行い、個人のパフォーマンスに応じた処遇・育成を推進します。

 

・Career Counselling(個人の強みや中長期的なキャリアを意識した対話)
アセッサーと本人で、四半期に一度面談をし、Check-Insでの評価(=各プロジェクトごとの評価)を総合して振り返ることで、一人ひとりのパフォーマンス向上を目指します

 

・Performance Snapshots(プロジェクト評価)
四半期ごとやジョブ終了時に、個人のパフォーマンスを測定します

 

・Pulse Surveys(チームのエンゲージメントサーベイ)
サーベイ(定期的に実施する、社内における匿名アンケート)を用いてチームの状況を定期的に確認し、チームのパフォーマンス向上を目指します。

 

ランクについては、     スタッフ(S)S1→S2→S3→S4→シニアスタッフ(SS)SS1→SS2→SS3→マネージャー→シニアマネージャー→パートナー、と昇進していきます。

S1~マネージャーまでは、1年で1ランクずつ上がると、最速8年目で到達します。平均的に8割の人は、5年目にSSに昇格し、8年目でマネージャーになることができます。

 

監査法人トーマツでのリアルな年収事情

実際に、年収が大幅にアップした例についてご紹介します。

まずは、年収がアップしたAさんの例です。監査法人は監査業務しかやったことがない人が大多数を占めるため、新規部署の立ち上げなど「行動力」に秀でている人は昇進が早いです。実際にAさんは新規部署設立に手を挙げて、監査の現場を離れました。その後は新規クライアント獲得のために全国を回ったり、社内において新部署の知名度を上げるために日々説明会を実施したりするなど、精力的に活動しました。その結果、30代でパートナーに昇進し、年収2,000万円に到達することができました。

一方で、年収やクラスが下がった例は聞いたことがありません。基本的には年功序列のため、相当仕事ができない人でなければマネージャーまでは昇進できます。最近はマネージャー以上の昇進に関しては上が詰まっているために出世することが難しくなっていますが、基本給が下がることはありません。

 

監査法人トーマツで年収に影響する評価

トーマツで     評価される人柄や仕事の仕方について解説します。

会計士という仕事柄、「業務を正確に行える人」が重宝されます。

また、監査法人トーマツは体育会系の社風であることもあり、「上位者にいかに気に入られるか」が重要になってきます。更に、全体の職員数がかなり多いこともあり、ただ地道に作業しているだけだと埋もれがちです。大企業相手の巨大プロジェクトの方が、中小企業向けの小プロジェクトよりも評価されやすいことも事実です。

よって、巨大プロジェクトにアサインしてもらえるよう、社内において権力のある上司に気に入られることが出世への早道ともいえるでしょう。

 

監査法人トーマツが求める人物像

企業によって求める人物像は異なります。監査法人トーマツではどのような人が求められていたのでしょうか。

筆者の感覚では、監査法人トーマツでは「従順な人」が求められているように感じました。体育会系の社風のため、上司の指示に従順な人が好まれます。基本的には年功序列なので、上に盾突くような人は敬遠されがちです。マネージャー以上になれば営業成績が評価に影響するため、アクティブさが必要とされますが、シニアスタッフ以下においては「上の人の指示通りに、正確に業務を行える人」が重宝されます。

 

監査法人トーマツは     年功序列で高収入

監査法人トーマツの年収・ボーナスについてご紹介しました。

これまでお伝えした通り、監査法人トーマツの平均年収は約900-1,300万円であり、日本の上場企業と比較して年収は高いと言えます。Big4においても、PwCあらた有限責任監査法人に次いで2番目に給与が高い点も魅力的ではないでしょうか。

同期から頭一つ抜けることが求められるコンサルティング業界と比較すると、同期やチームメンバーと仲良く働けてさえいれば、約10年でマネージャーランク(年収約1,000-1,200万円)までは昇進できるので、年功序列で平和な会社だといえます。

大多数は新卒から入社した会計士のため、監査業務しかできない人も多いです。よって、営業力やコンサルティングスキルなど、監査法人において不足しているスキルを持っている人であれば、高評価を得られる可能性は高いと言えます。事業会社で年収に不満を持っている営業職や、コンサルティング会社等の競争に疲れた人にとっては、魅力的な職場ではないでしょうか。

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