今やグローバル企業の一つとなった楽天の営業は、どのようなクライアントに、どんな商品を売っているのでしょうか。本記事では、転職picks編集部が楽天で営業を務めたSさんに行ったインタビュー内容を元に、楽天営業の実態について解説します。 |
目次
楽天 営業の仕事内容とは
まずはじめに、今回お話を聞いた元楽天営業のSさんは、新卒採用の口コミWEBサービスの部署に3年半ほど在籍していました。その経験を基にお伝えしますが、実際の楽天には様々な事業があります。業務内容もクライアントの規模も事業部によって千差万別ですので、一例として捉えていただければ幸いです。
まず、Sさんが所属していた事業部では「新規営業」「ルート営業」どちらの営業スタイルもあり、実際にどのようなスタイルで営業するのかは、配属された部署によって異なります。
新規営業の場合は、新規開拓しながらおよそ100社程のクライアントを相手にします。1社あたりの取引額が少ない分、社数を多く担当する形になります。
一方のルート営業では、取引額が大きくなるため20~30社を担当していたと言います。
Sさんが担当していた就活情報サービスの例
Sさんが担当していたWEBサービスは、就職活動をしている学生をターゲットとしたサービスです。
各企業の選考などの口コミ情報が掲載されていて、多くの就活中の学生が情報収集のために利用しています。
展開するサービスはWEBサイトにとどまらず就活イベントの情報配信や、就活イベントの主催者として運営を執り行う機会もありました。
また、自社のビッグデータを使ってターゲティングをし、適した学生にスカウトメールを送信するなど、データを活用したサービスも展開していました。
このサービスのクライアントは、新卒採用枠が50名以上の規模感の企業でした。
対象企業の人事や採用責任者に広告枠の販売をしたり、例えば「特に女子学生を採りたい」などの要望があれば、その層に則した広告アプローチを提案したりしました。
「広告営業」という職種での採用でしたが、出版社などの他媒体とコラボした施策を提案し、実施することもありました。
自分のアイデア次第で面白いことが色々と実行できる環境だったと言います。
また、他部署の社員と連携することも多くありました。他部署のリソースを活用しながら一体感を持って事業を進める環境が魅力だったと語ります。
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楽天営業社員、1日の仕事の流れ
楽天の営業社員は1日をどのように過ごしているのでしょうか。Sさんが在籍していた当時の、1日のよくある流れを紹介します。
もちろん社員によって個人差はありますが、午前中は社内でできる仕事を片付け、午後は営業先へと外出する人が多いようです。というのも、楽天社内には2種類のカフェテリアがあり、無料で利用することができるため、このようなスケジュールで行動する営業社員が多いと言います。
Sさんも、基本的には始業前に社内のカフェテリアで朝食をとり、昼も社内でランチをしてから営業先に向かっていました。
- 9:00 出社し、社内のカフェテリアで朝食
- 10:00~12:00 メールチェックや社内ミーティングの調整、実施
- 12:00~13:00 社内でランチ
- 14:00~ クライアントとのアポイントのため外出
- 16:00~17:00 社内に戻り作業
なお、定時は9:00-17:30となっています。
楽天 営業のキャリアパス〜中途社員編〜
実際に楽天に中途入社すると、どのように仕事を覚え、キャリアアップしていくのでしょうか。
入社直後の研修と仕事
入社前に、楽天の関連書籍を2冊ほど読む課題図書があります。
読んで感想文を書くスタイルの課題です。
入社直後は1日だけ中途入社研修があります。
ただ、その翌日には配属が決定し、すぐに現場で業務に取り組む流れになります。
まずは、OJTから始まりその後本格的に独り立ちとなります。
2年目以降の働き方
基本的には、配属されたそれぞれの部署で営業活動を行なっていきます。
慣れてくると動かしているプロジェクトにおける制作などの細かい部分のディレクション業務も発生します。
楽天では、このあたりの舵取りも基本的には営業が行うことが多く、営業活動とプロジェクトディレクションの両軸を行うので、入社してしばらく経つと忙しさが増してきます。
プロジェクトのディレクション業務ができるようになると、Sさんのように0からイベントを企画して実行するような仕事にも挑戦できるようになり、営業としての仕事の幅が広がります。
管理職の働き方
プレーヤーから昇進しマネージャーになると、社員のマネジメントが主な仕事になります。
とは言え、現場の営業活動を一切しなくなるということではなく、20~30社持っていたものが5社ほどに減るパターンが基本です。
ただ、マネージャーがどれだけ現場のプレーヤーとしての仕事を担うのか、マネジメントに専念するのかは、部署によって大きく異なります。
楽天 営業の魅力
ここからは、楽天営業ならではの魅力、働く環境について触れていきます。
楽天の営業で培われた0→1のスキル
Sさんによると、楽天の営業を通して成長したと感じたのは0から1を考えるスキルだと言います。
サービスの幅が広いので、新しい視点でサービスを広げられる可能性があり、会社としてもその0→1の発想やスタンスを奨励しています。
0から仮説を立てて1を生み出し、実行し、検証するという能力がある人は個人としての評価も高いです。
Sさんの場合は所属している部署で新規プロダクトの立案から実施までを手掛けることが出来たので、この経験は非常に貴重なものだったと言います。
リモートワーク、時短勤務可能な働きやすい職場環境
Sさんの部署では、働く環境は比較的良好でした。前述の通りカフェテリアが充実しているので、社内でも過ごしやすいですし、一方でリモートワークも認められていました。
リモートでも作業できるような仕組みが整っているので、自分の生活リズムに合わせて仕事ができるのは魅力的でした。時短勤務はワーキングマザーが中心ではありましたが、制度としては誰にでも開かれており、手を挙げれば叶う環境です。
会社の雰囲気も明るく、例えばハロウィーンの日には仮装して出社する社員がいるなど、オープンでユニークな空気がありました。
また、入社時に自分で自分のあだ名を決め、そのあだ名で呼び合うという風潮もあります。自由にあだ名を設定することができ、自身のキャラクターが出やすいポイントでもあります。
営業の勤務地は本社のある二子玉川、他全国
ちなみに楽天本社の所在地は東急田園都市線、東急大井町線の二子玉川駅にあります。都心部から少しだけ外れた地区なので営業に出るときには少々不便さはありますが、大きなショッピングモールもあり便利な駅です。
営業の勤務地については部署によって異なります。
会社から異動通告が出れば転勤となり拒否権は基本的にありません。
転勤先は部署によって様々で、自身の担当サービスを扱う支社が候補になります。
そのため全国転勤の可能性はもちろん、場合によっては海外転勤もあります。
楽天 デジタル人材の内定率No.1 藤並 克充 氏
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①楽天の選考を熟知した、きめ細やかな面接対策
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楽天の営業として活躍するために必要なこと
営業として働く社員が社内で評価されるには、大きく以下二つの条件があったとSさんは言います。
- 自身の営業成績が良いこと
- 上司、役員に気に入られていること
この2軸をクリアしている社員は高く評価され、昇進スピードも速い傾向にあります。
営業部で目立った活躍をしていたある社員は、この2軸をクリアした上で、「チャレンジプロジェクト」という役員候補を選ぶためのプロジェクトにエントリーされていました。
このプロジェクトに入ると、部署異動をした上で4年間実績を見られ、パフォーマンス次第で役職が与えられます。
結果的にその社員は、子会社の社長に昇進しました。
楽天で活躍する人の共通点
Sさんの同期や周囲の人間は、ユニークな人や優秀な人がとても多く、成長意欲が掻き立てられる環境でした。
活躍している人に共通しているのは、楽天に限らずどこの会社でもやっていけるような数字への強いコミット力を持っていること。
そして、今や必須なのが英語力です。中には英語を使うシーンがほとんどない部署もありますが、TOEIC800点以上のスコアを持っていないと給与のグレードが上がりません。
英語力は楽天の営業として活躍したいと考えるなら、必要不可欠です。
楽天 営業の年収レンジ
最後に楽天営業の年収事情を紹介します。楽天では、アルファベットを用いた査定にて評価されます。査定は図表の通り、下から順にC → B → BB → BBB → A → AA → AAAの7段階評価になっています。
中途入社者はBBかBBBで始まるケースが多いようです。
一般社員で一番ボリュームが多いのもこの階層です。
Sさんご自身は、BBだった時の年収は約650万。
査定がワンランク上がりBBBになると月給は3~4万、賞与が半期で20万ほど上がりました。
退職時にはAランクが付与されていて、年収は750万ほどでした。AAになると900万〜1,000万あたりに達するそうです。
個人の業績に応じた評価の仕組み
では査定はどのように決定するのでしょうか。楽天では個人の営業成績はもちろん、自己評価、上司評価を含めたコンピテンシー評価も加味され、最終的な査定が決定します。
具体的には、
- 仮説を立ててそれを実行できたか
- スピード感はどうだったか
- 顧客満足度の最大化に貢献したか
などがチェックされます。
半期ごとに設定される面談で評価され、7段階の査定評価が出てそれが給与のベースになります。
ただ一方でサービスそのものの業績も加味されるので、好調なサービスだとインセンティブも良好ですが、そもそも難航しているサービスだとインセンティブも厳しいものになります。
このあたりは、配属先のサービスの種類やそれを取り巻く景気などに左右されます。
楽天の年収については以下の記事で詳しくご紹介しています。
楽天の営業は、成長意欲の高い人の集まり
楽天株式会社の営業職について、実際に在籍していた元社員お話をもとにご紹介しました。
自由で働きやすい環境ですが、出世の観点では上司や役員と良好な関係を築くことも重要視されるようです。
0から1を生み出す柔軟な発想と実行力が求められるので自己研鑽もでき、成長意欲を掻き立てられる仲間が沢山いる、魅力的な環境です。
この記事のまとめ
☑「新規営業」「ルート営業」どちらの部署もあり配属された部署によって営業形態が異なる
☑半期ごとに設定される面談で7段階の査定評価が出てそれが給与のベースとなる
☑リモートワークや時短勤務なども可能で働く環境が整っている
楽天へ転職するには
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