2020.07.20

ヤフー

ヤフーが「Zホールディングス」に社名を変更した理由。従業員への影響は?

日本最大のウェブポータル、Yahoo! JAPANを運営するヤフー株式会社ですが、実は2019年に会社名が「Zホールディングス」に変わったことをご存知でしょうか?

私たちがYahoo! JAPAN関連のサービスを利用する上で、特に変化は感じられません。
しかし今後のサービス拡充に向けて、経営統合など活発に動いています。

今回は、そんなZホールディングスの戦略や誕生の経緯について元社員が解説します。

 

Zホールディングス株式会社とは

Zホールディングス株式会社とは、Yahoo! JAPANの運営会社でおなじみのヤフー株式会社が2019年10月1日付で持株会社*制に移行し、社名を「Zホールディングス」に変更したことで誕生した会社です。

Zホールディングスの親会社は、ヤフー株式会社の時から引き続きソフトバンクグループ株式会社のままです。

*持株会社(ホールディングス):グループ内の会社の株式を持ち、グループ全体の中心となる会社のこと。株を保有する会社、つまりグループ会社の管理をすることが主業務。ホールディングス自体が製造や販売などの業務を行うことはない。会社の収入は持っている会社の配当。財閥復活を阻止するため、戦後は持株会社制が禁止されていたが、1997年12月に独占禁止法が改正され、多くの持株会社が誕生した。

 

ヤフー株式会社からの社名変更

それではYahoo! JAPANなどを運営する「ヤフー株式会社」は無くなってしまったのか?というと、そうではありません。

Zホールディングスの非上場完全子会社として、Zホールディングスの誕生と同日、新「ヤフー株式会社」が改めて設立されました。

 

株式公開買い付け、経営統合とグループ会社

Zホールディングス株式会社は、持株会社制に移行したことで、グループ会社を増やし、成長を続けています。

持株会社制への移行後、すでに大きなニュースがいくつかありました。
2019年11月13日、Zホールディングスによる「株式会社ZOZO」の株式公開買い付け(TOB)が成立し、これを期に創業者前澤友作氏が当該企業を去ったことで、ニュースでも話題になりました。

また、同月18日にはLINE株式会社との経営統合*で基本合意したことも世間を賑わせました。
2020年に経営統合完了を目標にし、2020年7月現在、両社で話し合いが行われている最中です。

*経営統合後の上場統合会社はZホールディングスになる予定。
統合が完了すると、LINE株式会社はZホールディングス傘下の企業になります。

この他にも、Zホールディングス株式会社傘下にある企業を一部ご紹介します。

 

金融:PayPay株式会社

テレビCMでもおなじみのQRコード決済サービス「PayPay」を提供する会社です。

ソフトバンク株式会社と旧ヤフー株式会社の合弁により、2018年6月15日に設立されました。

新ヤフー株式会社設立に伴い、PayPay株式会社は新ヤフー傘下の関連会社になりました。

※2020年7月現在、PayPay株式会社の主要株主はソフトバンクグループが50%、ソフトバンク株式会社が25%、ヤフー株式会社が25%です。

 

旅行:株式会社一休

高級ホテルや旅館専門の予約サイト「一休.com」の運営会社。

2016年に旧ヤフー株式会社がTOBを実施。
Zホールディングスに社名変更された際、株式会社一休もZホールディングスの子会社になりました。

 

通販:アスクル株式会社

事務用品を中心とする通信販売会社。

2015年、旧ヤフー株式会社がアスクル株式会社を連結子会社*化し、Zホールディングスに社名変更された際、株式会社一休もZホールディングスの子会社になりました。

*連結子会社:連結の範囲に含められる子会社で、親会社に財務情報が合算される。

 

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ヤフー株式会社がZホールディングスになった目的、経緯

設立早々に大きな話題となったZホールディングス株式会社ですが、どのような思いや目的で設立されたのか、その真意を深堀りしていきたいと思います。

 

社名の由来

2018年に設立された「Zコーポレーション株式会社」をご存知でしょうか? ヤフー株式会社の元代表取締役社長、宮坂学氏が設立した新規事業開発の会社です。

ヤフーといえば「Y!」というロゴが広く認知されていますが、宮坂氏はこの新会社の社名に「Yの次のZ」、より進化していく、という意味を持たせていました。

同様に、Zホールディングスという社名にも、さらに新しい領域に挑戦し事業を拡大していく気持ちを込めて、「Z」が使われています。

 

なぜ持株会社制になったのか

Zホールディングスは、総合力で日本市場におけるサービス利用シェアの向上を目指しています。

Yahoo! JAPANというメディア自体が、すでに100以上のサービスを提供しています。

たとえば、Yahoo!ニュース、オークション、ショッピング、乗換案内、PayPayなど、オンラインからオフラインまで、今や生活に欠かせないサービスばかりです。
しかし、そんなYahoo! JAPANでも、提供できていない、あるいは提供しているが利便性が高くないサービスもたくさんあります。

そこで、Yahoo! JAPANというサービスの枠にとらわれず、決済サービス、ファッション通販、トラベルパッケージ、メッセージアプリなど、その分野でユーザーの支持を得ている企業を仲間に加えることで、Zホールディングス株式会社としての総合力を高めようとしています。

単純な市場シェアが増えるだけでなく、それぞれのサービスを連携させることで、各サービスの相乗効果を高め、ユーザビリティが向上するよう、データの分析やサービス改善なども行います。

 

持ち株会社制に移行したことでヤフー株式会社に起きた変化

先述のとおり、Yahoo! JAPANを運営する会社は、2019年10月に非上場の”新”ヤフー株式会社として生まれ変わりました。
この変更により、従業員へどのような影響があったのか、また今後入社を検討する方にどんな影響が考えられるかについて、現従業員の声も交えてご説明します。

 

従業員への具体的な影響

基本的に、Yahoo! JAPANサービスに関わっていた従業員は全員新ヤフー株式会社へ転籍となりました。

利用していたメールアドレスやオフィスも全く変更がないので、従業員にとっては、企業が変わってもあまり変化を感じることはありませんでした。
旧ヤフー、つまりZホールディングス株式会社には、グループ全体の経営に関わる従業員のみが在籍しています。

 

非上場会社になったことによる、福利厚生などへの影響

新ヤフー株式会社へ転籍となっても、従業員の待遇や就労条件は変更がありませんでした。
具体的には以下のとおりです。

  • るいとう(株式累積投資)、ストックオプション:Zホールディングスの株式として取引されます。
  • 健康保険組合:旧ヤフー株式会社同様、引き続きYG健康保険組合に加入します。
  • 福利厚生:旧ヤフーの福利厚生がすべて引き継がれたので、全く変更がありません。

 

Zホールディングスグループの採用は各社で実施するのか

採用は各社の人事にて行われます。

Zホールディングス株式会社とヤフー株式会社のように、別企業が同じ紀尾井町のビルに入っている、というケースもありますが、それ以外のグループ会社はそれぞれオフィスを持っています。
人事機能もそれぞれの企業でもっているため、採用活動も全く別々です。

Yahoo! JAPANサービスに関わった仕事がしたい、と思われる方はヤフー株式会社へ応募してください。

 

ホールディングス内の他の企業に落ちた場合の制限は?

特筆すべき制限があるという情報は得られませんでした。
上述のとおり、基本的には企業ごとに採用活動が行われますので、このあたりの心配は無用でしょう。

逆に、たとえばヤフー株式会社で応募したが、他のグループ会社で採用されるケースはあるのか、という点についても、基本的には別企業の人事の話になるのでまずないでしょう。

 

グループ会社間の異動や転籍は?

【異動】
現従業員にインタビューしたところ、Zホールディングス傘下の企業間での積極的な人事交流はあまりないようです。

新ヤフー株式会社では、Yahoo! JAPANサービスに関連する企業へ出向を指示される場合もあるようですが、かなり限られた人材での話であり、特別なプロジェクトで頻繁にコミュニケーションを取る必要がある場合など、期間なども限られていることが多いようです。

また、ヤフー株式会社は事業部ごとにカンパニー制度が導入されており、カンパニーによって状況が違うようです。

たとえばコマースカンパニー(Yahoo!ショッピングやYahoo!オークションを扱う部署)に配属されている従業員で、「PayPayモール」というサービスに関わっている従業員の場合、関連企業であるPayPay株式会社と密にコミュニケーションを取る必要があるため、積極的な出向や交流があるようです。

【転籍】
転籍となると、転籍元の企業を辞める扱いになり、人事制度や福利厚生が転籍先の企業のものに変わります。
このため、過去実例としてはあまりないようです。

しかし、PayPay株式会社や、Zコーポレーションなど、旧ヤフー株式会社が新たに会社を設立した時期には、転籍の公募があったようです。

 

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Zホールディングス株式会社は、グループの経営機能!

旧ヤフー、つまりZホールディングス株式会社は、グループの経営機能として存在し、実際のサービス運営には関わりません。
そのため、積極的な採用活動も行われていないようです。

一方、生まれ変わった新ヤフー株式会社、またYahoo! JAPANに関連するグループ企業については、さらなるサービス拡大、他グループ会社との連携などに向けて、採用活動も活発です。
日本市場トップシェアを目指すZホールディングス傘下に関わりたいと転職活動をされる方の参考になれば幸いです。

 

ヤフーへ転職するには

ヤフーへの転職を希望する方は、同社への内定実績を豊富に持つ転職エージェントに相談するようにしましょう。 内定実績が豊富なエージェントは採用ターゲットを熟知していますし、過去の面接内容や面接官の情報に基づいた面接対策をしてくれるので内定確度が上がります。

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