日本を代表するアパレルメーカー、ユニクロを傘下に持つファーストリテイリンググループ。 今や日本のみならず世界中で評価の高い企業なだけに、その年収はいくら?と気になる方も多いのではないでしょうか。本記事ではそんなファーストリテイリンググループの元社員へのインタビューを元に、同社の平均年収や昇給システム、年収の実態について解説します。 |
目次
ファーストリテイリングの平均年収は1,147万円
有価証券報告書によると、ファーストリテイリングの直近5年間の年収推移は以下の通りです。
ご覧の通り、非常に高い水準であることがわかります。
平均年齢 | 平均年収 | 平均勤続年数 | 従業員数 | |
2023年 | 38歳10ヶ月 | 1,147.6万円 | 4年11ヶ月 | 1,707人 |
2022年 | 38歳0ヶ月 | 959.4万円 | 4年9ヶ月 | 1,698人 |
2021年 | 37歳8ヶ月 | 963.7万円 | 4年6ヶ月 | 1,617人 |
2020年 | 37歳10ヶ月 | 901.3万円 | 4年3ヶ月 | 1,589人 |
2019年 | 38歳4ヶ月 | 900.4万円 | 4年7ヶ月 | 1,389人 |
2023年3月から、年収は最大で4割アップ
ファーストリテイリング の柳井正会長兼社長は、2023年3月から国内従業員の年収を最大4割引き上げると発表しました。
大卒の初任給は25万5000円から、30万円に(約18%UP)、入社1~2年目で就任する新人店長の月収は、従来の29万円から39万円(約36%UP)にアップ。その他の従業員についても、年収で数%~約40%の範囲でUPすると発表しました。
実際、2023年の最新の平均年収は1,147.6万円と前年から120%UPとなりました。
アパレル業界、年収ランキングでもファーストリテイリングは1位
ファーストリテイリング の年収は、アパレル業界で比較するとどのあたりに位置するのでしょうか?
アパレル業界の上場大手5社を年収ランキングをご紹介します。ファーストリテイリングの年収は堂々の第1位で、突出して高いことがわかります。
企業名 | 平均年齢 | 平均年収 | 平均勤続年数 | 従業員数 | |
1位 | ファーストリテイリング | 38歳 | 1147.6万円 | 4年11ヶ月 | 1,707人 |
2位 | しまむら | 43.2歳 | 677.2万円 | 16年 | 2,714人 |
3位 | ワコールHD | 45.8歳 | 594.9万円 | 19.5年 | 112人 |
4位 | ワールド | 43.9歳 | 501.2万円 | 17.7年 | 251人 |
5位 | アダストリア | 32.5歳 | 401.9万円 | 7.3年 | 4,478人 |
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②選考内容/過去問をDB化、面接対策を徹底指南
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ファーストリテイリング の職種別、平均年収
続いて、ファーストリテイリング の年収を職種別に紐解きます。
転職者アンケート情報(2023年11月時点)によると、同社の職種別平均年収を高い順に並べると以下の通りです。
職種 | 平均年収 | 年収範囲 | 回答者数 |
管理 | 1022万円 | 600~2,100万 | 7人 |
IT | 855万円 | 630~1,250万 | 10人 |
人事 | 790万円 | 560~1,050万 | 5人 |
営業 | 588万円 | 300~880万 | 11人 |
販売 | 344万円 | 240~539万 | 18人 |
平均年収で比較すると管理職は当然ながら高く、販売職は低いという結果でした。
一方、年収範囲のボトムラインを比較すると最も高いのはIT系職種の630万円でした。
ファーストリテイリングの年収テーブル・推移
ここからはファーストリテイリンググループの年収を具体的に解説していきます。
(※以下は2023年3月の年収改定前のデータです)
まず、ファーストリテイリングの年収は店舗でも本社でも基本給+ボーナスで構成されて基本給は18段階に設けられたグレードによって変動します。
ボーナスの金額は1ヶ月分の給料です。
グレードとボーナスを決めるための給与査定は年に3回行われます。
※年齢は平均年齢
年収を決定するのは18段階のグレード
グレードは「J-1~K-4」までの18段階が設けられており、それぞれのテーブルで給与が変わります。
「J-1」は1番下の階級で、新卒採用で入社した社員のグレードと言われています。
この時点での平均年収は約394万円程度で、階級がひとつ上の「J-2」になると、398万円となります。
平均年収は4万円しか違いませんが、最低年収で比較すると「J-1」が316万に対して「J-2」が350万円と40万円近く異なるため、グレードが1つアップするだけでも確実に底上げしていることになります。
このように階級が上がるごとに給与がだんだんと上乗せされる形ですが「J-3」からそのひとつ上の階級の「S-2」になると平均年収が100万円ほど変わり、大幅な給与アップに繋がります。
店舗によっても異なりますが、取材対象者によると通常5年ほどユニクロに勤務していれば「J-3」から「S-2」に昇給できるケースが一般的だと言います。
店舗社員で「S-5」から「M-1」に上がった人材はほとんどいないようなので、難易度はかなり高いでしょう。
ファーストリテイリングの役職(グレード)/年代別平均年収
J-1~J-3(22~23歳程度)
役職
店舗社員 または 本部社員
主な仕事内容
販売接客業務、レジなどの金銭対応、新人育成、業務指示など
平均年収
約390万~450万
最低年収
約310万~360万
S-2~S-5(23歳~28歳程度)
役職
スーパーバイザー、スター店長(店長以上、スーパースター店長未満)、店長、店長代理、本部社員
主な仕事内容
店長としての接客や小売業務、店舗や在庫の管理、アドバイザーとしての各地域ごとの店舗の管理など
平均年収
約540万~810万
最低年収
約430万~630万
M-1~M-5(32歳~38歳程度)
役職
スーパースター店長(年収1000万~クラスの店長)、部長、リーダー、本部社員
主な仕事内容
本社勤務や各地域、各ブロックごとの店舗の取りまとめなど
平均年収
約980万~1700万
最低年収
約770万~1500万
E-1~E-3(39歳〜42歳程度)
役職
スーパースター店長、部長、リーダー、本部社員
平均年収
2500万~3700万
最低年収
約2000万~2800万
K-1~K-4(40歳~)
役職
役員
平均年収
8300万~2億4千万
最低年収
約4500万~2億4千万
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ファーストリテイリング中途入社者の年収実績
ここまで、グレードによっては、かなり高い年収を獲得できる企業であることがご理解いただけたと思います。
では実際にファーストリテイリングに中途入社した転職者は、どれくらいの年収をもらっているのでしょうか。
転職picks編集部の調査によると、年収実績は以下の通りです。
年齢 | 前職 | 前職の年収 | FLでの年収 |
30代前半 | アクセンチュア | 800万円 | 900万円 |
30代前半 | トヨタ通商 | 850万円 | 1,200万円 |
30代後半 | 三菱東京UFJ銀行 | 900万円 | 1,700万円 |
ファーストリテイリングで年収を上げるには
ファーストリテイリングで年収を上げるにはどうしたらいいのでしょうか。
店舗社員の場合、昇給(=グレードアップ)はファーストリテイリングが独自に作っている試験と、上司からの評価によって決まります。
ファーストリテイリングの独自試験に合格する
試験の内容は
- レジの平均対応スピード
- 服をたたむスピードの計測
- ファーストリテイリングの理念
- 商品知識
といった記憶力や学習力が試されるものなど何種類にも分かれています。
難易度はそこまで難しいものではなく、通常勤務をしている社員であれば数年以内にはクリアできるものばかりです。
ただし、試験に備えて通常業務後に練習はしていました。
グレードごとに合格基準が定められており、それにクリアすると晴れて昇給の資格を得ることが出来ます。
着実に成果を出し、上司からの評価を得る
上司の評価は年度にもよりますが、上半期や下半期など会社の決済時期に合わせて全社員に面談の時間が設けられます。
その中で、半期を振り返りながら上司が部下に対して仕事の評価を行います。
そのためいくらスキルを持つ社員であっても、上司からの評価が芳しくなければ昇給することはできません。
現場で働く人達の中で、どのようなところで力になれているのか、どのようなスキルが足りないのかを明確に判断されるため、自分の足りない点から目を背けずに着実にステップアップしていける人物は重宝されるでしょう。
ファーストリテイリングでのリアルな年収事情
ファーストリテイリングの給与テーブルは年齢や性別に関係なく、スキルのある人はどんどん昇給し年収もその分だけ増えていく仕組みになっています。
実際の現場でも、仕事を的確にこなす、作業が早いなど、優秀な人達は20代前半であっても年齢関係なく昇給しており、逆にそうではない人はいつまでたっても昇給できず、年収もそのままという傾向が見られました。
良い意味でも悪い意味でも実力がものをいう世界のため、向上心があり実力を評価されたいと考える人には適した制度ではあります。
もちろん最終的には面談をした際の上司からの評価が昇給を左右するため、日頃から自身の存在意義を上司にアピールしたり上司と信頼関係を築く努力も必要です。
また、ファーストリテイリングでは「現場主義」を大切にしており、本部採用となった場合でも、社員は1年ほど店舗に配属され、店長としてのスキルを身に付けます。
現場で培われたお客様との会話や、そこから得られる小売業としての感覚、他の社員を管理マネジメントする力は全社員に求められている能力といえるでしょう。
また、一概には言えませんが現場で相当優秀だと判断された店舗社員が本部勤務になるケースもあります。ランクで言うとS-5以上などの場合です。
ファーストリテイリングへの転職なら 中村 敏英さん
株式会社グッドコーチ 代表取締役
ファーストリテイリングの選考通過率はトップクラス
①創業期から採用をサポートしていたためファーストリテイリングの人脈・情報量が豊富
②選考内容/過去問をDB化、面接対策を徹底指南
③圧倒的な交渉力で満足度の高いオファーを実現
ファーストリテイリングの年収に影響する評価
ファーストリテイリンググループは、「顧客満足度」を何よりも大切にしています。
そのため実際の仕事でもお客様の満足につながったかどうかが評価されます。また、実際の現場では効率も重視され、評価における比重が高くなっています。
例えば、会社の理念やマナーをしっかり理解して身に付け、商品知識も豊富で、お客様のどんな要望にも応えられるスタッフがいたとします。
このようなスタッフは「CSリーダー」と呼ばれ、新人教育や育成係に任命されるのですが、そのスタッフが自分自身の仕事(レジの応対の速さや、服のたたみ方、商品整理の速さなど)がままならない場合は、なかなか昇給することができません。
お客様からの評価が高かったとしても、現場で素早く行動することができなければ、会社の求める基準には達していないとみなされるのです。
しかしながらレジの対応が早く、服をきれいにたたむことができ、ディスプレイのスキルがあり、商品に対する知識も豊富な人がいたとしてもサービススキルがなければその人も昇給に値するとはみなされません。
会社が個人に求めているスキル面での評価基準と、お客様が社員に求めている接客スキル、そのどちらもあって初めて、ファーストリテイリングが求める人物像に近づけるのです。
ファーストリテイリングが求める人物像
前述の通り、ファーストリテイリングの評価基準はかなり厳密に設定されており、会社の求める人物像の基準も高いです。店舗はどこも忙しく、お客様への対応に追われているため、迅速な判断ができ、常に人の上にたって行動していけるリーダーが求められています。
取材対象者が在籍時、以下のような人材は評価されていたと言います。
-
- コツコツと会社の基準に沿って努力できる人
- 会社の理念に共感し、一緒にサービスを作っていける人
実力に見合った評価で年収アップが期待できるファーストリテイリング
評価基準は厳しく、求める人物像の理想も高いファーストリテイリングですがその基準に従ってコツコツ努力を積み上げることができれば自身の大きな成長につながります。
そしてここで培った実力は年齢や性別、入社時期に関係なく評価がなされます。
自分に言い訳をせずチャレンジをし、成長を続ける人にとってはフェアな評価で相当の年収とポジションを手にすることができる環境と言えるでしょう。
ファーストリテイリングへ転職するには
ファーストリテイリングへの転職を希望する方は、同社への内定実績を豊富に持つ転職エージェントに相談するようにしましょう。 内定実績が豊富なエージェントは採用ターゲットを熟知していますし、過去の面接内容や面接官の情報に基づいた面接対策をしてくれるので内定確度が上がります。
ファーストリテイリングの志望度が高い方は是非、以下のサービス【エージェントファインダー】にご登録ください。ファーストリテイリングに多くの内定者を輩出している転職エージェント中村氏をご紹介させていただきます。