エージェントファインダーを通じて、電力会社からPwCコンサルティングに転職したAさん。30代後半でコンサル未経験のAさんが内定に至った背景には、転職エージェント上田さんのサポートがありました。
上田さんはコンサル出身というキャリアを活かし、Big4をはじめとするコンサルティングファームに多くの内定者を輩出しています。「徹底的な対策無くして内定は難しい」と言われるBig4の選考をどのようにサポートしたのでしょうか。お話を伺いました。(本インタビューは2024年7月に実施したものです) 転職者Aさんの内定ストーリーも公開しています。Big4やアクセンチュアなど、大手コンサルティングファームへの転職をご希望の方はあわせてご覧ください。 |
上田 浩彰 氏
タイグロン パートナーズ株式会社 エクゼクティブディレクター
大阪大学卒業後、フリーランスとして活動したのち、商社、組織人事コンサルファームを経験。その後、コンサル領域での人材紹介の経験を経て、タイグロン パートナーズに入社。コンサルファームを中心に未経験から経験者まで年齢問わず幅広く支援を行う。戦略、DX、SDGs、組織人事領域を得意とする。
目次
30代後半、未経験からのコンサル転職は難易度が高い
–弊社エージェントファインダーからAさんをご紹介し、転職サポートをいただきありがとうございました。PwCコンサルティングに内定し、入社が決まったようですね。Aさんがコンサルに内定する可能性は最初から感じていましたか?
率直にお伝えすると、五分五分という印象でした。スキルやご経験は素晴らしく、コンサルに行くハードルは十分に超えている。ただ、コンサル未経験で30代後半という年齢がネックになるかもしれないと感じました。
Aさんは新卒で電力会社に入社し、現場で経験を積んだ後、直近は経営企画でM&Aや中期経営計画の策定などを担当していました。
外資系コンサルティングファームにとって、電力会社はクライアントなので、電力会社の人材を求めるニーズは高いです。しかも、電力会社の方々は転職をしない方も多く、転職市場での希少性も高い。そんな中、Aさんは経営の中枢を担う仕事をしています。経歴的には間違いなく、コンサルティングファームの求める人材です。
ただネックだと感じたのが、30代後半でコンサル未経験という点です。未経験からのコンサル転職が叶うのは、多くが30代前半まで。30代後半は正直、企業によって評価が分かれます。
それでもご経歴はかなりマッチしていたので、しっかり対策を練れば数社からオファーはもらえるだろうという感覚はあり、Aさんにもそのようにお伝えしていました。
–Aさんは他のエージェントを併用することなく、上田さんと二人三脚で転職活動を進めたようですね。
そうです。私はかなりの時間とパワーをかけて、対策を練るタイプで、一人の候補者に費やすエネルギー量が多く、同時並行で何十人もサポートできないんです。
ですから、Aさんがこの転職に本気でコミットする気持ちがあるなら、私も本気で向き合いますとお伝えしました。するとAさんから「上田さんに全てお任せします」と言っていただき、他のエージェントとの併用はなく、私と1:1で進めていただくことになりました。
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コンサルティングファーム×地方から勤務可能な求人をご紹介
–Aさんにはどのような求人を提案しましたか?
転職において大切なのはボトルネックの解消です。Aさんは経営企画というポジションでM&Aをはじめ、様々な提言をしていたのですが、上層部による決断がされず、フラストレーションを感じていました。会社をもっとよくしたいけれど、今のポジションでは変えられない。意思決定をする側になるには、あと何十年もかかりますし、そこまでは待てないと。
であればコンサルという第三者の立場から提言をして、経営層に働きかけられるポジションがいいと、コンサルを希望していました。事業会社という選択肢もお持ちでしたが、ボトルネックを解消するにはコンサルがいいと、私からはコンサルティングファームの求人に絞ってご紹介をしました。
勤務地は家庭の事情もあり地方を希望していたので、コンサルのエネルギーセクターで尚且つ地方から働ける求人という2つの軸で提案をしました。
–地方勤務となると、かなり選択肢が狭まりそうですね。
そうですね。コンサル経験者であればポジションはあるのですが、未経験は東京スタートが基本。選択肢がかなり狭まってしまいます。また、勤務地に関する情報は非公開にしている企業が多い。私の過去のサポート経験から、毎日出社する必要のない会社はどこで、東京に通うとなった場合の頻度や交通費はどうなるか、詳しくお伝えしました。そして最終的にはAさんのご希望をもとに8社ほどに選択肢を絞り込みました。
エネルギー業界に強いBig4と大手ファーム。あとはブティック系のコンサルで、地方から勤務可能な求人です。
職務経歴書は30秒で合否が決まる。コンサル的に重要な経歴を厚く書く
–求人を決めてからは、書類選考ですね。職務経歴書の添削サポートもしましたか?
書類にはかなり手を加えます。多くのエージェントは、候補者からもらった職務経歴書にほぼ手を加えずそのまま提出していますが、コンサルティングファームの面接官をしていた私から言わせると、それはとても危険な行為です。
というのも、そもそも採用担当者が書類選考に費やす時間は1応募あたりせいぜい30秒。パッと見で分量の多すぎる、要点をえない書類は数秒でスキップされます。私が選考をしていた時は、冒頭のサマリーと全体感の確認しかしていませんでした。
サマリーにコンサル転職に必要な要点を端的に盛り込むことが何より大切です。サマリーは後々の面接内容にもつながります。要点をしっかりと盛り込んでおかないと、面接も苦しくなる。
ですから私はいただいた書類をベースに、コンサルティングファームが知りたがる経歴やエピソードだけをピックアップし、候補者と一緒に書類を作り上げます。これまで経験したキャリアを1-10まで全てを盛り込む必要はないです。コンサルが興味をもちそうな経歴が1-3書かれていればいい。
Aさんの場合は現場でのオペレーティブな仕事内容は全て割愛し、経営企画や出向先での経験、エネルギーに関する専門的な業務経験を多く盛り込みました。
もともと5ページほどあった経歴は2ページに収め、コンサルティングファームが興味を持ちそうなポイントにフォーカスして作り上げています。
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Big4の適正検査をあなどってはいけない。参考書籍と合格基準を伝え、徹底対策
–適性検査のサポートもするのですか?
Big4への転職で、絶対にあなどってはいけないのが適性検査です。学歴が旧帝大クラスの方でも、対策をしないとあっさり落ちてしまいます。
ですから私からは、真面目に対策しないと落ちること、対策におすすめの書籍と合格基準をお伝えしています。Aさんにも書籍を紹介して、3-4周、繰り返し練習してもらいました。
あとは「このレベルの問題は見た瞬間答えられるように」「この問題集は時間内に85%以上の正答率なら合格圏」と目安となる基準もお伝えしました。
Webテスト後にAさんも「上田さんにあそこまで言われなかったら、適性検査で落ちていたと思います」とおっしゃっていました。Big4志望の方は適性検査を決して甘く見てはいけません。
Big4は面接の難易度が高い。だからこそ、面接対策は手を抜かず徹底的に行う
–上田さんは面接対策の徹底ぶりに定評がありますが、Aさんの面接対策はどのように行いましたか?
オリジナルの面接対策シートを用いて対策をしました。面接対策シートには私の過去のサポート経験をもとに、面接の心構えから頻出質問、質問の意図、回答のポイント、5つの模範回答例をまとめています。模範回答例では過去に内定者がどう答えたのか、許可を得た上で実際の回答をしています。
<上田さんによる面接対策シート>
Aさんにも面接対策シートをベースに、まずはご自身で回答を埋めてもらいました。その内容を私が確認し、「このニュアンスはやめたほうがいい」「ここは伝えたいポイントをもう一段整理したほうがいい」「私ならこう回答します」と様々な角度からフィードバックを行いました。
1問1問対話を重ね、一言一句私がチェックするので、人によっては転職理由だけで固めるのに1時間はかかります。私はもともと面接官もしており、合格基準も分かるので、基準に達したと思うまで、何度もブラッシュアップをしていただきました。
–候補者も本気で臨まないと難しいですね。
私も本気でコミットし、時間をかけて添削をしているので、候補者の方にもコミットしていただかないと厳しいです。そもそもこのプロセスで手を抜く方は、Big4の内定は難しいです。私の経験上、内定の出ない方は手を抜いてしまうんですよね。
Aさんはその点、終始真剣に取り組んでいらっしゃいました。むしろ「もっとよくするためにはどうしたらいいか?」と、とてもアグレッシブで。
スキルのある方がここまでやると、面接ではほとんど落ちなくなります。もちろん、採用に絶対はありませんが、Aさんはできることは全部、やりきりました。Big4や大手コンサルファームに受かる方は皆様、本当に真面目に取り組まれます。適当な方はまず受からないです。
–質問項目はどのコンサルティングファームでも、ある程度共通しているのですか?
8割くらいは共通質問です。仮に少しずれていても、抽象度を1つあげて、観点さえ抑えておけば違う質問がきても流用することができる。だからこそ、ベースをしっかり固めておくことが大切です。Aさんからも9割がた、用意していた質問がされたと聞いています。
ちなみに面接対策シートではメインの質問とそこから派生したサブの質問、さらには受けの良い逆質問も準備します。
–逆質問まで事前に用意するんですね。
逆質問にも落とし穴が潜んでいます。下手な質問をするとあっさり落とされるので、事前に逆質問を考えていただき、私がチェックをしています。
また、面接でよくある「他にどんな会社を受けていますか?」という質問にも、答え方のポイントがあります。このあたりは実際にご相談いただいた方に、詳しくお伝えしています。
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選考はスムーズに進み、PwCコンサルティングとアクセンチュアに内定
–Aさんの選考はスムーズに進んだのでしょうか?
Aさんは入社を決めたPwCコンサルティングの他に、アクセンチュアからも内定をもらっています。両社から評価が高く、選考はスムーズに進みました。
–内定の決め手、評価ポイントはどんなところでしたか?
現場からスタートし、グループ会社への出向も経験し、直近は経営企画にいらっしゃったので業界知識が豊富です。実務に精通している上に、経営に近いところも見ているので、かなりの希少人材です。アクセンチュアにとってもPwCにとっても、電力会社はクライアントなので、その全てを把握している人材は絶対に欲しいです。
またAさんはコミュニケーション能力も高く、面接対策もきっちり行って臨んでいます。大手のコンサルティングファームはそもそも面接難易度が非常に高いので、経歴が十分な方でも、準備を怠ると内定獲得が難しいです。Aさんは愚直に、時に耳の痛くなるような指摘に対しても粘り強く対応し、決して準備に手を抜くことがありませんでした。
結果的に両社からも、「コンサル未経験でもすぐにキャッチアップしてバリューを出せる人材」と評価され、内定が出ました。ちなみにアクセンチュアは評価が高すぎてマネージャーで内定、PwCはシニアコンサルタントで内定しています。
–なぜ転職先にPwCを選んだのでしょうか?
提示年収もアクセンチュアの方が数百万高かったのですが、コンサル未経験ということもあり、マネージャースタートは厳しいだろうとご自身で判断し、PwCへ入社を決められました。長い目でキャリアを捉えた時、地に足のついた賢明な選択だと思います。
面接の相性もPwCの方が良かったようです。PwCでも、年収は現職と比較して数百万アップしています。
PwCでコンサルタントとしての経験をしっかり積めば、今後の選択肢はさらに広がります。Aさんにとって、とてもいいキャリアチェンジになりそうで私も嬉しいです。
–最後に、Aさんにどんなキャリアを歩んで欲しいですか?
Aさんご本人にもお伝えしたのですが、会社の看板ではなくご自身の名前で指名されるコンサルタントになって欲しいなと思います。
これは私自身の経験でもあるのですが、大手コンサルティングファームに所属していると会社の看板でいくらでも案件は入ってきます。次々と新しいプロジェクトにアサインされ、バリューを発揮できると充実感もある。
しかし一番わかりやすい評価は、「あなただから依頼します」というクライアントからの声です。Aさんもクライアントに高いバリューを提供できる人材になりたいとおっしゃっていたので、是非選ばれるコンサルタントになって欲しいです。そしてプロモーションし、採用する側の立場になった暁には、私にご相談いただけたら嬉しいですね(笑)。
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