業界・企業に特化し、誰よりもリアルで最新の情報を持つトップエージェント。 【エージェントファインダー】で紹介する各転職エージェントは、採用決定率を高めるためにどのような工夫を凝らしているのか。 エージェントファインダー代表取締役・粕谷暢司が、特定の業界や企業への高い内定率、リピート率を誇る転職エージェントにその秘訣を伺いました。 |
上田 浩彰 氏
タイグロン パートナーズ株式会社 ヴァイス プレジデント
大阪大学卒業後、フリーランスとして活動したのち、商社、組織人事コンサルファームを経験。その後、コンサル領域での人材紹介で経験を経て、タイグロン パートナーズに入社。コンサルファームを中心に未経験から経験者まで年齢問わず幅広く支援を行う。戦略、DX、SDGs、組織人事領域を得意とする。
目次
BIG4から日系大手ファームまで、未経験からの転職実績も多い
–これまでのご経歴とともに、上田さんが手掛ける人材紹介領域の強みや特徴を教えていただけますか。
事業会社の人事や、組織人事コンサルファームでの経験を経て人材紹介会社に入り、コンサル領域を強みに実績を重ねてきました。
コンサルファームのBIG4(デロイト トーマツ コンサルティング、PwCコンサルティング合同会社、KPMGコンサルティング、EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング)や、日系大手ファーム、準大手ファームでの紹介実績が多く、コンサル未経験者から経験者まで転職をサポートし、年間30名以上入社いただいています。
–ご自身がコンサルファームから人材紹介領域に参画したのには、どんな思いがあったのでしょう。
事業会社での人事と、コンサルファームでの経験を通じて、「人材の適材適所」が世の中の課題だと思うようになりました。
優秀な人材がいるのに、配属部門が本人の志向やスキルと合っていないために力を発揮できず過小評価されてしまったり、事業成長につながらずに会社にとってもマイナスになっていたりするケースが非常に多い。
また、「こんな人材がほしい」という企業側の話を聞いていくと、そもそも条件に当てはまる人材が存在しないような、高い理想を描いていることも少なくありません。適切な人を適切な場所に配置できれば企業価値は向上しますし、求職者側も描きたいキャリアを描いてより豊かな人生を送ることができる。個人と企業それぞれの課題を解決するために、人材紹介業なら、貢献できる可能性がもっとも高いだろうと考えました。
–タイグロン パートナーズへの入社を決めた理由は何でしたか。
一人のヘッドハンターが個人と企業の両面を担当でき、また会社内で縛りなく求職様へご提案や企業へアプローチできることを魅力に感じました。更に全社でコンサルファームへの紹介を強化していくフェーズにあり、私の経験を活かせるのではないかと期待もありましたね。
–上田さんがご支援する候補者の方は、どのようなご経歴の方が多いのでしょう。
大きく3パターンの候補者にお会いしています。
まずは、コンサル未経験の若手ポテンシャル人材です。事業会社の営業経験者などでも、学歴や社歴、年齢のバランスから、採用ターゲットとなる方は多くいらっしゃいます。
次に、コンサル未経験のスキル人材で、30代がメイン層になります。例えばメーカーの生産技術や生産管理職で現場の業務改善を手掛けている方、経営企画や営業企画経験がある方、社内SEやSier出身などITスキルに長けた方などがいらっしゃいます。
そして、3つ目がコンサル経験者。スキルは十分にある方が多いので、ご本人の意向と企業側の求める人材像のすり合わせを行っていきます。
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企業視点に立って回答をブラッシュアップ。計10時間の徹底した面接対策が強み
–コンサル業界を得意とする、上田さんならではの強みはどこにありますか。
面接官がどんな点を見ているのかを実体験から話せる点です。コンサルファーム出身者でありながら、面接にも携わっており、コンサル側がどんな人を求めているのかを伝えられます。また採用設計にも携わっていたため、採用面接での質問の意図、面接で見ているポイントなども深く理解しています。
企業側の視点をリアルに伝えられるため、面接対策の精度も高まり、面接通過率は業界内でも高いレベルを保てていると自負しています。
–精度の高い面接対策とは、具体的にどのようなものでしょうか。
面接対策は主にコンサル未経験者と進めています。
候補者の方には、事前に「約30の想定質問を入れたエクセルファイル」をお送りし、回答を記入してもらいます。そのテキストをベースに、初回の面接対策には約3時間かけ、一つひとつの内容にフィードバックをしていきます。
「こう書かれたのはどうしてですか」と回答の意図を確認した上で、「そうでしたら、もっとこう表現したほうがいいです」とすべてその場で書き直していただきます。エクセルファイルには質問項目だけではなく、「質問の意図」や、「過去ご支援して転職された方の回答例」も、許可を得た上で入れています。各回答のどのポイントがよかったのかなどもすべてまとめているので、候補者の方は、自分が書いた回答内容と比較をしながらブラッシュアップしていくことができます。
<上田さんによる面接対策シート>
–3時間の面接対策とは、徹底していますね。
コンサルファームは、“言葉”を大事にする業界です。意味を深く理解しないまま使っている言葉があれば、面接官はすぐに見抜いてしまう。そこで面接対策でも、「今、○○とおっしゃいましたが、どういう意図でこの言葉を使いましたか」などと細かく突っ込むようにしています。うわべだけで言葉を発していると思われないように、しっかりとした準備を重ねなければいけません。
ちなみに、初回は3時間なのですが、その後もメールや電話などで回答内容を改善していくので、一人あたりのコミュニケーション時間は合計で10時間くらいになっています。
–それだけのパワーをかけるからこそ、候補者の方も真剣になりますね。
そうですね。コンサルファームへの適性もあるので、ご経歴上どうしても難しいと判断した場合や、やり取りの中で「連絡がなかなか来ない」「約束を守っていただけない」など不安があると感じた場合は、ご支援をお断りするケースもあります。
お互いに、本気の熱量でやっていこうと共感できた方だから、対策の精度も高まっていくのだと思っています。
–候補者の方とは、どう接点を作っていますか。
スカウトメールをお送りするほかに、ご支援した方から紹介いただくケースが多いですね。入社が決定した方のほか、さまざまな事情で辞退されたり、採用に至らなかった方からも紹介いただくこともあります。紹介率は50%を超え、ご支援した2人のうち1人からは紹介があります。サービス提供価値を感じていただけたのかなとうれしくなります。
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潜在ニーズの掘り起こしから転職をリード。企業とのリレーションも深い
–これまでの紹介事例には、具体的にどのようなものがありますか。
ニーズとして表出していなかった求人を引き出し、サステナビリティ実現を支援するコンサル領域で、44歳のコンサル未経験者の転職を実現しました。
あるとき、サステナビリティ関連の知見とITスキルが非常に高い候補者とお会いし、「コンサル自体は未経験でも、サステナビリティ領域の拡大が見込まれる今、必要とされる人材ではないか」と、クライアントに相談したところ、書類がどんどん通過していきました。入社後、その方の年収は約800万円アップし、プロジェクトリーダーとして、サステナビリティ領域を引っ張る存在になっています。
–候補者ありきで企業側と会話ができるところは、上田さんが信頼されているからこそですね。
コンサルファーム各社で実績を重ねてきたことで、「上田さんが言うなら、(求人要件に合う)ストライクゾーンじゃなくても紹介を上げてほしい」と言っていただける関係性ができています。若手からパートナークラスまで、幅広いレイヤーの方とコミュニケーションを取り、現場のニーズを正しく把握できるように心がけています。
–改めて、候補者の方にとって上田さんに転職サポートをお願いする価値は何だとお考えですか。
コンサルファーム出身者であり、採用・面接経験もあることから、企業側の視点を理解した上での情報提供やアドバイスに自信があります。準備に不安があるという未経験者の方にはとくに、やり切ったと思えるまで時間も回数もかけて付き合っていきます。「業界経験がないから難しいのではないか」と最初からあきらめずに、まずはお話をお聞かせいただければうれしいです。
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