
ゲームやエンターテインメント、カーシェアリングサービスなど、常に新しいビジネスを生み出し続けているDeNA(ディー・エヌ・エー)。皆さんが普段利用しているスマートフォンのアプリケーションの中にも、DeNAが提供しているサービスは多くあると思います。
20年前に数名のベンチャー企業としてスタートした同社は「永久ベンチャー」を掲げ、世の中に驚きを与えるために挑戦を続けています。 本記事では、DeNAの元社員A氏にインタビューした内容を基に、同社の年収や昇給のポイントについて解説します。 |
目次
DeNAの平均年収は854万円
2024年6月24日に提出された有価証券報告書によると、DeNA社員の平均年収は854万円となっています。
従業員数 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
1,397人 | 37.6歳 | 5年7ヶ月 | 854.0万円 |
直近5年の平均年収の推移は以下の通りです。
年度 | 従業員数 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年収 |
2018年 | 1,557名 | 34.9歳 | 3年8ヶ月 | 767.5万円 |
2019年 | 1,557名 | 34.9歳 | 3年8ヶ月 | 767.5万円 |
2020年 | 1,622名 | 35.4歳 | 3年11ヶ月 | 790.5万円 |
2021年 | 1,251名 | 36.1歳 | 5年 | 821.8万円 |
2023年 | 1,326名 | 37.4歳 | 5年7ヶ月 | 856.8万円 |
5年間で平均年収が順調にアップしていることがわかります。
DeNAと大手IT競合企業の年収比較
DeNAの年収は、競合他社と比べて高いのでしょうか?低いのでしょうか?
上場している日系の大手IT企業との平均年収を比較したところ以下の通りでした。
企業名 | 平均年収 | 平均年齢 |
リクルート | 1119.2万円 | 39.8歳 |
DeNA | 854万円 | 37.6歳 |
LINEヤフー | 819万円 | 37.3歳 |
ソフトバンク | 810万円 | 41.3歳 |
楽天 | 794万円 | 34.3歳 |
上場6社で比較すると、DeNAはリクルートの次に高いという結果になりました。
DeNAの年収制度と役職別平均年収
DeNAの年収は年俸制となっており、基本給に応じてボーナスの額が決まります。実際の年収は事業の成長や実績などの定量面での評価と、職位に応じた成長度合いといった定性面での評価の掛け合わせで決まります。
職位は基本的に5階層あり、各レベルが2階層程に分かれています。実質、7~10階層あるイメージです。
中途採用はレベル2以上での採用が中心で、管理職や役員級のエグゼクティブクラスではレベル3~5での採用が多いです。全社的にはレベル2の社員が多いようです。
レベル1とレベル2については同じ階層の中で1-1から1-2、2-1から2-2と他のレベルに比べて昇進のステップが細かく分かれています。
レベル内で昇進するのは比較的スムーズですが、レベルをまたがる昇進は難関です。
DeNAの役職別年収レンジ
DeNAの社内呼称では、レベル1がアソシエイト、2がプロジェクトサブマネージャークラスに相当し、実務面での仕事やリーダーをサポートする役割が与えられます。
それ以上はマネジメント層になります。レベル3はプロジェクトマネージャーやプロジェクトリーダーと呼ばれ、4は部長クラス、5は本部長や役員クラスです。
年収レンジは以下のように分かれるイメージです。
レベル/役職 | 年収レンジ |
レベル1/アソシエイト | 上限600万円 |
レベル2/プロジェクトサブマネージャー | 500~800万円 |
レベル3/プロジェクトマネージャー | 650~1,000万円 |
レベル4/部長クラス | 1,000万円以上 |
レベル5/本部長・役員クラス | 1,500万円超 |
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DeNA転職者の年収
某エージェントに調査した結果、DeNAに転職した人の年収実績は以下の通りです。
前職 | 年収 | |
Aさん 30歳 | ドワンゴ | 650万 |
Bさん 35歳 | DMM | 800万 |
Cさん 42歳 | 楽天 | 850万 |
DeNAで年収を決める、評価システムの特徴
DeNAが採用や社員の評価で重視するのは、魅力ある事業の創出と、事業へのコミット(プロフェッション)です。
南場智子会長がかつて勤めていたマッキンゼーでもプロフェッションは重視されており、「事業にコミットできない人材は必要ない」という強いメッセージも発信されています。
DeNAで評価される4つの軸
今回インタビューに応じてくれたAさんは、新卒でDeNAに入社。新卒入社2か月後に、新規事業のプロジェクトマネージャーに配属されました。
入社時はレベル2からスタートし、退職時にはレベル3になっていました。
評価は4つの軸をベースに自分で目標をたて、あらかじめ上司とすり合わせをした上で行われます。
評価軸1:ナレッジ | どれくらいの知識を自分の中にインプットできたか、周囲に知見を提供したか |
評価軸2:組織貢献 | 組織、チーム作りにどれだけ貢献できているか |
評価軸3:成果 | 定量的・定性的な成果 |
評価軸4:ストレッチ | 新しい領域や既存事業でのさらなるチャレンジ |
評価軸3が定性的な成果の場合は、成果の達成状態をあらかじめ定義した上で、振り返りで達成できたかを見極めます。
例えば「担当サービスのターゲットをDeNAのコアファンにする」と設定した場合、この状態を定量的に定義し、達成を目指します。
DeNAで高く評価される仕事
AさんがDeNAで高く評価された仕事は、ゼロから1を生み出す仕事だったと言います。
Aさんの場合はキュレーションメディア事業についてコンセプト設計から手掛け、
- どういうチャネルでターゲットにリーチし、予算を配分するか
- 読者がどのような趣味嗜好があるか
などマーケティング戦略を設計。
編集長など他部署の人材も巻き込みながら数億円規模のメディアにまで育て上げました。この時の仕事は特に高く評価されたと言います。
DeNAで評価が下がる仕事
アソシエイト層の場合、上司の指示を仰いで確実に業務を行うことが成果・KPIとして設定される場合もあります。
そのようなケースでは、資料を作成した数や作成に費やした時間など、自分がコントロールできる範囲で目標を立て、しっかりこなしていれば評価されます。
一定以上の職位になると、担当事業の業績が定量成果となり、業績次第でボーナスが下がることも大いにあります。
また、部下の勤怠管理などマネジメントが行き届いていないことで年収が下がることもあります。DeNAでは一時期、事業にコミットしすぎるがゆえに勤怠管理がおろそかになり、業務時間が長期化する傾向があったため、監督不行届きにならないよう会社をあげて気をつけていると言います。
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DeNAの昇給の仕組み
DeNAで出世するためには、職種によってスキルセットは変わりますが、最も重要なのが「人格」です。
アソシエイトではビジネスの基本が重要
階層の低い職位では業務の正確さや迅速性など、ビジネスマンとしての基本がしっかりとできていることが重要です。
例えばアソシエイトの行動規範として、「STAR」というものがあります。
【STARとは】
- S…「say」の頭文字で、報告・連絡・相談をきっちりと行う。
- T…「target」のTで、目的志向を持つこと。例えばマーケティング職で分析をすることが目的になったり、メディア事業で記事を書くこと自体を目的にすることがないよう、本来の目的を意識して仕事に臨む。
- A…行動を示す「action」の頭文字。考えているだけではなく、すぐに行動をしてアウトプットをする。
- R…「rollplay」の略で、相手の立場に立って考える。
基本的な4要素ですが、これらをきちんとできていることがレベル1から2に上がる条件であり、できていないとDeNAでの出世は見込めません。
マネジメント層も「人格」が問われ、評価される
プレーヤーとして成果を上げ、マネジメント層への昇格を希望する場合、組織構造や社員のモチベーションを背景から理解し、組織的な視点に立って語れることが重要です。
つまり、周囲をよく見て理解できているか、より「人格」が問われるようになります。
期末の上司との面談では、自らが人格的に優れているという状態を定義し、KPI(重要業績評価指標)を設計して達成できたかどうかをプレゼンします。
同時に周囲からの相対的なレビューも行われます。
リンクアンドモチベーション社が提供する、組織状態を診断して組織改善に活用できる「モチベーションクラウド」というサービスを活用し、部署のメンバーにアンケートが実施されます。部内の声がモチベーションスコアとして算出され、定量的に評価されます。
DeNA(ディー・エヌ・エー)が求める人物像
今回取材をした元社員のAさんが、DeNAの選考プロセスで特に印象に残っているのは、二次選考前に見た採用ホームページの内容だと言います。
HPには、こんなことが書かれていました。「DeNAはあなたにとっていい職場ではないかもしれません、なので事業にコミットできない人はここから去ってください」
仕事を進める上では難しい案件や苦労するタイミングが間違いなくあります。
どんな事業でも真剣に取り組み、目標を遂行する志のある人材を採用したいというメッセージです。実際、DeNA入社後に感じたのは社員のコミットメントの強さだと言います。
当然ながら、事業によってフェーズは異なるため、担当事業がどのフェーズかによって求められる能力や期待される役割は異なります。しかしどのようなフェーズであれ、DeNAが強く求めるのは「コミットする姿勢」です。
自分自身を高めながら挑戦し、困難な状況でも立ち向かい続けられる人材をDeNAは求めています。
DeNA(ディー・エヌ・エー)へ転職するには
DeNAへの転職を希望する方は、同社への内定実績を豊富に持つエージェントに相談するようにしましょう。
内定実績が豊富なエージェントは採用ターゲットを熟知していますし、過去の面接内容や面接官の情報に基づいた面接対策をしてくれるので内定確度が上がります。
DeNAの志望度が高い方は是非、エージェントマッチングサービスの【エージェントファインダー】にご登録ください。DeNAへ豊富な内定実績を持つ転職エージェントをご紹介させていただきます。