本記事では、フラッシュメモリに代表される半導体の開発・製造大手のキオクシアの年収や福利厚生など、待遇面を中心に取り上げます。
現役社員に行ったインタビュー内容を元に、年次別の平均年収、ボーナスや残業代についてもまとめているので、キオクシアの年収が気になる方は是非ご覧ください。 |
目次
キオクシアの年収と待遇面のポイント
本記事でご紹介しているキオクシアの年収・待遇面のポイントは以下の通りです。
- キオクシアの年収は30代で1000万円前後。賞与は年に2回で月収の2~3ヶ月程
- 管理職になるまで年功序列がベース。昇進時期で給与に差
- 子どもが小6まで時短勤務可能。女性の離職は少ない
- 週1回のノー残業デー。休暇は取りやすい環境
- 寮や社宅は3割負担。持ち家でも住宅補助
キオクシアの平均年収と年収システム
まずはじめにキオクシアの世代別平均年収とそのシステムについてお伝えします。
キオクシアの年次別平均年収
キオクシアは未上場企業のため、公表されている年収データがありません。そこで転職者アンケートを実施したところ、平均年収は以下の通りでした。
回答者の平均年収 | 650万円 |
年収範囲 | 400万円~1056万円 |
回答者数 | 17人 |
実際に年齢別にどれくらいの年収をもらっているかについては、現役社員への聞き取りなどで調査したところ、新卒採用の場合、以下のように推移していると言います。
- 1年目:350万円
- 2年目:400万円
- 5年目:600万円
- 10年目:700万円~1000万円(残業代で幅、普通は800万円~900万円)程度
- 30代以降:1000万円前後で、出世すると多い人で1500万円
通常は30歳前後で主務(係長級)、早い人では30代後半で参事(課長級)。
参事への昇進を47歳までにできなければ管理職にならないまま定年を迎えるのが一般的です。課長と参事はほぼ一緒で、課長の下に参事がいます。
主務に上がるのは基本的に年齢で、平社員のうちは年功序列がベースです。
当初は主事の役職で、主事3→2→1と毎年昇級し、それに合わせて基本給が上がっていきます。
キオクシアの残業代
残業代=基本給に応じた時給×残業時間×25%が支給されます。
残業については働き方改革の観点から、管理職がチェックし、必要に応じて認められる仕組みとなっています。
部局によって残業の多い、少ないは左右され、納期など時期によっても大きく変わると言います。
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キオクシアの昇給システム
キオクシアで昇級は毎年春の年1回となっています。30代で主務に上がると横ばいが続きます。
残業代で年収に幅が出る形で、30代後半から年齢を見つつ能力如何で参事に昇格する流れです。
仕事上、若手を抜擢することはよくありますが、役職には反映されないと言います。
基本給のベースアップは電機連合の対応に沿う
ちなみに、基本給のベースアップ(ベア)について、組合からの要求は電機連合の対応に沿います。
キオクシアなど電機メーカーの多くが加盟する電機連合は例年、加盟組合が一括で統一した要求をした上で、各社からの一律回答を求めていて、電機メーカーの基本給引き上げは通常同じです。
昨年は基本給のベースアップ(ベア)3000円を要求し、会社側から1000円以上の回答を得ました。
ただし、現在では一律回答への縛りをなくしたため、業績等に応じて回答額が若干変わりました。
キオクシアで評価される仕事
個人の能力が高くても周囲とうまく連携できなければ管理職になれないケースも多く、スタンドプレーで結果を出しても必ずしも評価されるわけではないようです。
部署にもよりますが、取引先や協力業者とのトラブル解決能力など交渉力もみられます。
評価は部長の裁量が大きく、一律に評価される仕事はないようです。
キオクシアの賞与・ボーナス
賞与(ボーナス)は年2回(7月と12月)で、イメージとしては基本給の2~3カ月程度となります。
賞与=会社全体の業績+と個人の成績次第で変わります。
年2回、直属の上司と面談し、その結果を基に所属する部局で評価を決め、賞与に反映されます。評価は上から順に以下に振り分けられます。
- S
- E2
- E1
- A 基本 参考)30代でA評価だと100万弱
- B 問題のあるケース
評価の基本がAで、何か問題があった場合はBの評価が付くのが一般的です。
Aよりも高い評価はE1、E2、Sで順にあがっていきます。部局でB~S~Bの数を割り当てられているので、部局の全体バランスの中で評価が決まっていきます。
SとAは倍くらい賞与が違うとされます。
評価の仕方は、個々人の目標設定を基に、自身の実績について半期の終わりに社内システム上でレポートを出し、自己評価をすることから始まります。
そのレポートを基に自身の実績を面談で説明します。
成績次第ですが、30代でA評価だと100万円弱くらいとなると言います。
キオクシア転職者の年収
転職者は能力や経験に応じて給与が決められます。参事以上が管理職で、成果主義で業績連動します。
そのため、管理職になって給料が下がる人もいます。
管理職の給与は1300万円~1500万円で、2000万円を超えることは「聞いた事がない」(現役社員)とのことです。
給与で不満を言っている人は少ないといい、現役社員からは「金銭面にこだわる人はキーエンスやファナックなど高収入で知られる企業のエンジニアになる。
キオクシアで働く人は純粋に半導体に興味があり、落ち着いた環境で仕事をしたい人が在籍している」と話しています。
キオクシア中途入社者の年収実績
キオクシア中途入社者の年収実績は以下の通りです。
年齢 | 前職 | キオクシアでの年収 |
Aさん 28歳 | 三井E&Sホールディングス | 550万 |
Bさん 30歳 | 京セラ | 650万 |
Cさん 33歳 | MHIエネルギー&サービス | 650万 |
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キオクシアの年収以外の待遇、福利厚生
ここではキオクシアの特徴的な福利厚生やワークライフバランス、女性活躍の状況をご紹介します。
キオクシアの特徴的な福利厚生
キオクシアの特徴的な制度や社内で浸透しているものをピックアップして紹介します。
●住宅関連・住宅手当(家賃補助)
寮は神奈川県内に複数あり、女性専用の寮も完備しています。
東芝から独立した関係で、寮の選択肢が減ったとの声もあり、今は会社の借り上げ住宅に住む若手が多いです。
住宅手当は自己負担3割で30歳まで支給されます。転職者は30歳を過ぎても、借り上げ社宅補助が5年間は有効となっています。借り上げではなく自由に賃貸を選択した場合は1~2万円、持ち家は1万2千円の住宅手当が出ています。
エンジニアの主な職場は、横浜(大船)と川崎、四日市のため、元々家賃が安く住まいの選択や家賃に困ることはないようです。拠点が少ないため、プロセスエンジニアは2~3年毎の転勤はあるものの、それ以外の職種では頻繁に転勤することもありません。
●カフェテリアポイント
住宅以外では、毎年7万5千円分のteaポイントが支給されます。
いわゆるカフェテリアポイントと呼ばれる福利厚生の一環で、社内製品の購入が可能です。東芝時代なら家電も多くありましたが、東芝からの独立後はラインナップが減ったようです。
●扶養手当
次世代育成手当として、18歳未満の扶養対象児童1人当たりに月1万5000円を支給します。
●交通費
交通費は全額支給されます。
●保養所
保養所は全国5~6カ所あり観光会社と提携しています。
●部活・サークル
手話など趣味の社内サークルがあり、職場内で休みの日に釣りやゴルフに行くこともあるようです。
●語学研修
語学研修は業績低迷で今は募集がかかっていないようですが、ロンドン大とオックスフォード大、ケンブリッジ大それぞれに3カ月間、10人程度の語学研修を全額補助で派遣していました。
仕事柄、取引先の外国メーカーと英語で話すことが多く、会社として英会話に力を入れています。欧米の語学システムを導入し、スマホのアプリを使ってプライベートレッスンも全額補助で受講できるようです。
●その他、社内雰囲気
社内は雑談が多く、明るい雰囲気と言えます。
現役社員の1人は入社同期で毎年旅行に行っていると話します。
キオクシアの働き方、ワークライフバランス
フレックスタイム制を導入し、完全週休2日制を取っています。
現役社員によると、労務管理は数年前まで緩かったものの、現在は働き方改革の一環で残業には厳しくなったと言います。
就労時間はパソコン上で管理され、パソコンを付けた時間と消した時間で出退勤を確認されます。
11時~14時はコアタイムとして、パソコンを必ず開いて業務をすることになっています。残業は一般的に月20~40時間程度とされています。
残業時間は法律への準拠を徹底していて、毎週水曜は午後5時15分までに帰宅するようになっています。
年休推奨日が10日ほどあり、なるべくこの日に取ります。
完全週休2日制を取っていますが、実態としても土日は基本的に休みです。
部署にもよりますが、午前中に半休を取るのは当日申告でも問題ありません。
キオクシア女性の働きやすさ
キオクシア社員全体の女性の割合は男性10人に対し女性1人と少ない状況ですが、女性を積極的に採用しようと取り組んでいます。
現役社員によれば、人事上の女性差別はなく、男女のトイレ数は同じで、更衣室なども完備しています。
出世している女性社員もおり、昇進に関して男女のファクターはないと言います。
育児休暇は子どもが3歳まで取得でき、育休から復帰する例は多く、出産や子育てに伴う退職は少ないようです。
小学校卒業まで時短勤務が可能なことは特徴の一つです。
東芝時代から劣化した点は社内保育所が使えなくなったこと。
東芝からの独立によって不便になった点もあるとのことです。
現役社員からは「周囲を見渡しても女性社員の離職が少なく、仕事と家庭をうまく両立している。職場の理解もあり、男性目線で見ても女性が働きやすい職場だと思う」との声が出ています。
この記事のまとめ
平均年収を大きく超える給与水準を確保しながら、ワークライフバランスに配慮した環境をキオクシア全体で推進しています。女性の積極採用に取り組んでいる点も評価できると思います。
世界の名だたる大企業と競争を繰り広げる中で、社員への待遇をどう確保しているかも転職先を考える上で重要な要素です。
本記事を通じてキオクシアの理解を深めて頂き、転職を検討する際の一助になれば幸いです。
キオクシアへ転職するには
キオクシアへの転職を希望する方は、同社への内定実績を豊富に持つエージェントに相談するようにしましょう。 内定実績が豊富なエージェントは採用ターゲットを熟知していますし、過去の面接内容や面接官の情報に基づいた面接対策をしてくれるので内定確度が上がります。
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