あずさ監査法人は激務?真面目な人が活躍できる?社風から読み解く、あずさ監査法人の働きがい

日本には4つの巨大監査法人、通称「Big4」があり、あずさ監査法人はその中の1つです。今回は、そんなあずさ監査法人のリアルな社風を実際に在籍していた筆者が紹介したいと思います。

毎日徹夜、上下関係が厳しい、女性は働きにくい…などのイメージを持つ方もいるかも知れません。今回はその実情について筆者の視点で説明します。ご自身にあずさ監査法人の社風が合っているか否かの判断材料にして頂ければと思います。

 

あずさ監査法人は本当に激務?

あずさ監査法人だけではなく、監査法人全体として「激務」というイメージが根強いのではないでしょうか。実際の現場の状況を解説します。

 

働き方改革以降も、まだ激務?

結論としては、今でも繁忙期は激務です。日本における上場企業の多くは3月決算のため、監査法人の繁忙期は4-5月となります。しかし、働き方改革の影響により、確実に残業時間は減少しています。以前は徹夜続きのこともありましたが、現在は繁忙期の月でも残業時間が100時間前後に抑えられています。

新日本監査法人の「東芝事件」(粉飾決算)により、大手監査先が残りのBig3に振り分けられました。以降、各監査法人の担当する業務量は大幅に増加し、当時職員の残業時間は激増しました。その結果、労働基準監督署に目を付けられ、各監査法人は職員の残業時間を削減せざるを得ない状況に追い込まれました。

あずさ監査法人も例外ではなく、現在は夜21時以降にはPCがシャットダウンする仕様になっています。(土日休日および平日21時以降※水曜は20時)よって、物理的に深夜残業はできなくなっています。繁忙期であっても、終電までには退社しなければなりません。

以前は土日に働くことが多い業界でしたが、現在は休日労働の規制が厳しいため、土日に仕事することは原則できません。また、仮に自主的に土日働いたとしても、残業代をチャージするには上長の許可が必要なため、現実には土日労働で残業代を得ることは難しい状況です。

しかし、残業規制があっても仕事量が減るわけではないので、早朝出社や昼休みのカットなど、仕事を前倒しすることで深夜残業を抑制しているのが実情です。早く帰れるようになったことは嬉しいですが、早起きが苦手な人には辛いかもしれません。

 

若手は残業代で稼げる?

以前はあずさ監査法人の残業時間には規制がなかったため、残業時にチームで夕飯を食べに行くなど、かなり緩く残業していました。実際に残業代で稼いでいる人は多く、残業を多くしているシニアスタッフにおいては、残業代が発生しないマネージャーよりも稼ぐ猛者も存在しました。

しかし、若手が残業代で稼げたのは働き方改革以前の話です。前述の通り、現在は労基対策として残業規制が厳しくなっているため、無限に残業代をチャージすることはできません。よって、残業代では稼げなくなっているのが実情です。

あずさ監査法人の勤務時間は7時間と通常企業の勤務時間より1時間短いため、時間のやりくりに苦労している人も多いです。以前は1日10時間労働の際はそのまま10時間分の給与が支給されましたが、現在は基本的に残業がつけられません。よって、本当に残業をしていても残りの3時間は自習の位置づけにするなど、サービス残業が増加しています。

他業界と同じく「残業代で稼げる時代」は終焉しつつあるので、年収を上げたければ、真っ当に昇進を目指すしかないでしょう。

 

あずさ監査法人では休暇は取得できる?女性は働きやすい?

続いて、あずさ監査法人の休暇の取得についてです。女性の働きやすさにも触れます。

 

あずさ監査法人では休暇が取得しやすい

あずさ監査法人は繁忙期も含め、基本は土日祝休みです。また、繁忙期・閑散期が明確なため、閑散期にはまとまった休みを取得することができます。

ゴールデンウィークはありませんが、その分閑散期に有給以外の休みが付与されます。

また、夏季休暇は法人が5日間指定の休みを決めているので、有給を使用せずに1週間休むことができます。他にも1年以内に必ず消化しなければならないリフレッシュ休暇が5日付与されるので、閑散期に1-2週間まとめて長期休暇を取得する人もいます。

「有給は取得しなければならない」という雰囲気のため取りやすい環境です。世間が休んでいるゴールデンウィークに働いて、世間が働いている時期に長期休暇を取得できるので旅行もしやすく、休暇の面ではとても恵まれていると思います。

 

あずさ監査法人では、女性は働きやすい?

プロフェッショナル(会計士)・事務職に共通して、産休育休を取得している人は多いです。

プロフェッショナルには元々女性が少ないですが、役職がついていても、産休育休を取得後時短勤務をしている社員も珍しくありません。また、事務職はほとんどが女性ですがプロフェッショナルの人と同様に、産休育休を取得後、時短勤務している人が多数です。

社内結婚も多いので、最近では旦那さんも一緒に育休休暇を取得している例も多く見られます。

 

あずさ監査法人の社風とは

あずさ監査法人の社風を表すのにピッタリの言葉は、「まじめ」です。

あずさ監査法人のベースは監査業務のため、会計士が多く在籍しています。彼らの見た目はいかにも勉強が得意そうな、メガネの優等生タイプです。実際に一緒に仕事をしていても、「若手に成長してほしい」「お客様の役に立ちたい」といった純粋な思いを持つ人も多く、好印象を受けます。監査業務自体が長時間の地道な作業の連続であることに加え、営業ノルマもないので競争意識も薄く、長年あずさ監査法人に在籍している人には「おっとりとした平和主義者」の人が多いです。

このような社風故に、競争意識や出世欲が強い人は浮きやすいです。私自身もコンサルティング会社出身のため、当初は平和な社風に驚きました。あずさ監査法人には、大して仕事をしていないおじいちゃんパートナーがいるような、「古き良き日本」の側面もあるので、「30-40代でパートナーになりたい!」など出世欲が強い人には合わないように思います。そのような上昇志向の強い方は、投資ファンドやコンサルティングファームなどの競争の激しい業界に転職していきます。

 

あずさの実際の仕事の現場とは?若手育成の風土はある?上下関係は緩い?

監査は人数勝負の側面もあるので、経験が浅い若手スタッフも多くアサインされますが、若手教育の環境は整備されています。

あずさ監査法人では「真のプロフェッショナルを育成する」という人材育成基本理念のもと、

・OJT
・Off-JT(研修等)
・Opportunity(機会)

という「3つのO」を軸とした組織的な育成システムを整備し、最重要事項として人材育成に取り組んでいます。

各プロフェッショナルにキャリアマネジャー(CM)と呼ばれる担当者がつくので、短期・中期の目標設定、自己申告によるアサイン希望の提出、面談等により、年間を通じて継続的なコーチングやフィードバックを受けることで、最良の能力開発やキャリア開発の機会を得ることができます。

このように現場では若いメンバーが多い故に、上下関係の垣根は緩く、和気あいあいとした雰囲気です。役職が上の人であっても役職名では呼ばず、「xxさん」とさん付けで呼ぶ文化があります。チームで残業した帰りに飲み会に行くことも多いですし、土日にゴルフやバーベキューにいくなど、プライベートの関わりも多いです。

 

あずさ監査法人で活躍できる人材とは?チームワークは必須スキル

なんといっても全職員の人数が約6,000人と多いので、埋もれないことが重要です。同期の人数が多くても皆で仲良くマネージャーまでは昇進出来ますが、それ以降は実力主義になります。

ただ、いくら同期よりも早く出世がしたいからといって、チームワークができない人は絶対に出世できません。監査法人の業務はいずれも、チームで数か月仕事をするスタイルです。よって、個人プレイに走る人は「仕事が出来ない人」として低評価の烙印を押されてしまいます。チームワークが得意であることが、あずさ監査法人で受け入れてもらうためには最低限の条件になります。

1つ1つのプロジェクトにおいて地道に上司の評価を得ていくことは勿論ですが、活躍できるフィールドに立たなければ、活躍しようがありません。同期から頭一つ出るためには、重要なプロジェクトにアサインしてもらうなど、上司に活躍できる舞台に引っ張ってもらうことが必須です。上司に引き上げてもらえる人が、活躍できる人材になります。

残業した後に飲み会に繰り出すことは多いですし、土日にゴルフに行くなど休日の交流も多い会社のため、日頃から公私ともに上司と仲良くしておくことが昇進のためには重要です。

「突出した能力があれば、上司との交流に気を遣わなくても、出世することは可能ではないか」と思う方もいるかもしれません。ただ、監査は定型業務であるため、仕事において他者より圧倒的に差をつけることは難しいです。

例外的に新規顧客からの受注や既存顧客からの別件受注によって高評価を得ることは可能ですが、基本的に営業活動は最上位役職であるパートナーが担当しているので、パートナー以下の職員が営業の機会を得ることはめったにありません。

よって、上司との関係が良好ではない人が、仕事で結果を残して出世していくことは現実的には難しく、上司との人間関係を良好に保っておくことが無難な出世術だといえます。

 

あずさ監査法人には真面目で、チームワークが得意な人が多い

あずさ監査法人の社風や、社員の特徴、活躍できる人など、在籍していた筆者の目線で紹介してきました。約6,000名という大所帯であることに加え、最近はアドバイザリー業務に注力していることで、会計士以外も増えています。「あずさ監査法人」を一言でカテゴライズすることは難しいかもしれません。

それでも、上層部は全員会計士ということに加え、職員全体においても会計士が多数派を占めています。これを加味すると、やはり社風としては「真面目でチームワークが得意な人が多い」ことが特徴だと思います。

前述の通り、現在は新日本の東芝事件の影響で仕事が増加している上に、残業規制が厳しいので、現場は常に人不足の状況です。よって、転職するタイミングとしては最善だと思います。監査法人への転職を検討している方は、次の転職先の候補の1つとして検討してみてはいかがでしょうか。

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