あずさ監査法人は女性が活躍できる環境?ワーク・ライフバランスや各種制度を元社員が解説

あずさ監査法人には約6,000人もの職員が所属していますが、その多くが会計士ということもあり、女性が少なそうというイメージを持つ方は多いかもしれません。

また、会計士は激務のイメージが強く、結婚・出産を経て働くのは難しそう、と長期的なライフプランを描けない方もいると思います。

今回は、あずさ監査法人に在籍していた筆者が、女性の働きやすさについて実体験を基に解説いたします。

 

あずさ監査法人は女性が活躍できる環境?

長いキャリアを考えたとき、女性にとってワーク・ライフバランスや、育休産休といった各種制度は重要な選択基準になります。

育休・産休を筆頭に、制度に関してはとても充実しており、日本の大手企業に匹敵するレベルでしょう。
実際に約9割の人が育休制度を活用していることから、「結婚・出産を経て働く」ことを視野に入れて、長期的なライフプランが描けるのではないでしょうか。

コロナ禍をきっかけに在宅勤務がスタンダードになってきていることも、時間のない子育て世代にとっては、時間の有効活用に繋がり、プラス要素だと思います。

また、評価面においても男女平等に評価を受けられることから、キャリアアップを目指したい人には最適だと思います。
経営トップ層が女性の活躍推進に注力していることもあり、今後も「女性の管理職比率15%」という目標に向けて、更に各種制度や労働環境が整備されることが期待されます。

  • ライフプランを優先しつつ、確実にキャリアアップしていきたい
  • 女性も平等に評価を受けられる会社で、パートナーまで出世したい

など、様々なタイプの女性にとって働きやすい会社だと思います。

 

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あずさ監査法人の女性社員の活躍状況

現在の男女比率や女性の管理職比率、そして女性が活躍するようになったきっかけの具体的な例をもとに、あずさ監査法人の女性社員の活躍状況について詳しく解説します。

 

現在の男女比率/女性の管理職比率(目標値含む)

現在あずさ監査法人全体においては、約30.0%が女性です。
管理職割合に関しては、シニアマネジャー・マネジャーのランクでは約15.0%、パートナー・ディレクターのランクでは約5.6%が女性です。

 

階層 男性(人) 女性(人) 合計(人) 女性比率
パートナー・ディレクター 865 51 916 5.6%
シニアマネジャー・マネジャー 1,474 261 1,735 15.0%
シニア・スタッフ 3,181 2,050 5,231 39.2%
合計 5,520 2,362 7,882 30.0%

 

あずさ監査法人では、更なる女性活躍を推進するため、女性活躍推進の評価指標(KPI)として、パートナーの女性比率及びマネジャー以上の管理職の女性比率を選択し、その目標値(女性の管理職比率15%)を設定、モニタリングしています。

また、この取組みと連動して女性職員向けのキャリア支援研修の実施やメンタリング制度の拡充等、女性リーダーの育成を加速させており、今後も女性管理職が増加することが期待されます

 

働き方改革プロジェクトの推進

あずさ監査法人では、職員一人ひとりが仕事の生産性をより向上させ、時間的・精神的に余裕を持って仕事に臨むことや、プロフェッショナルとして重要な自己研鑽のための時間を十分に確保することで、より短時間でより質の高いサービスを提供していくことを目指した「働き方改革プロジェクト」を推進しています。

高いモチベーションで働き続けることができる、魅力的な職場環境の整備や人材育成とともに、社会から求められる多様性のある「新しい働き方」を実現するための取組みを行っています。

 

あずさ監査法人の女性の働きやすさ

ここまで、あずさ監査法人での働き方に対する取り組みをご紹介しました。
では、実際にどのような制度が女性の働きやすさをサポートしてくれているのでしょうか。

 

ワーク・ライフバランス

リモートワーク
働きやすい職場環境の整備やダイバーシティ推進の一貫として、2016年8月から在宅勤務制度を本格導入したものの、クライアントと交流する機会が多いことから、実際にはリモートワークはあまり活用されずにオフィス勤務が中心でした。

しかし2020年3月以降はコロナウイルス感染拡大の影響を受け、可能な限りリモートワークをするように徹底されています。
4年前から制度上はリモートワークを導入していた経緯もあり、今後も継続されることが予想されます。

研修自宅受講制度
通勤時間の軽減による生産性の向上や集中できる自宅環境の活用によって、個々の利便性の向上を図るため、一部の研修はE-learningを利用した自宅での受講を可としています。
コロナウイルスの影響を受け、今後もE-learningのメニューは拡充されると予想されます。

フレキシブル・ワーク・プログラム
妊娠中および出産後、子供が小学校卒業するまでの期間や介護を必要とする期間など、個々のワークライフに合わせ、フレキシブルな勤務形態で働くことができます。
仕事と育児を両立させながら、段階的にフルタイムの勤務へ戻り活躍できるようにサポートしてくれる制度です。

あずさ監査法人では産休開始前の妊娠中や小学校卒業前まで短時間勤務制度が利用できるなど、他社と比較して手厚いサポート体制が整っています。

短時間勤務 休業
妊娠 産前休業開始前の妊娠中 産前休業開始前の妊娠中
育児 小学校卒業前まで 子が3歳に達するまで

下記が短時間勤務の条件ですが、1-3の併用はできません。
一般的には2の「1日2時間を限度として労働時間の短縮」を選択している人が多いです。

  • 1.週2日を限度として労働免
  • 2.1日2時間を限度として労働時間の短縮
  • 3.時間外勤務を行わない
  • 4.2時間を限度に就業時間の繰上げ、又は繰下げ
  • 5.深夜(22:00~5:00)勤務を行わない

 

各種制度

育児休業
法律で定めている休業期間に加えて、妊娠が判明した時点から最長子どもが3歳になるまでの期間の休業制度を設けています。
育休取得率は90%以上で、復帰率も80%以上と高い水準です。

配偶者出産休暇
配偶者の出産時に取得可能です。(3日以内)

子供の看護休暇
小学校就学前の必要な期間に取得可能です。

生理休暇
女性は1か月に1日、生理休暇を取得可能です。

ベビーシッター利用補助
全国ベビーシッター協会に加盟しているベビーシッター業者を利用する際、1日に1枚の「在宅保育サービス割引券」を利用可能です。
(乳幼児~小学校3年生までが対象)

病児保育サポート制度
共働き世帯が安心して働ける職場環境の実現のために、国内で訪問型の病児保育事業を専門に展開しているNPO法人と提携した「病児保育サポート制度」を導入しています。
また、法人全体において、同制度の充実を図るために、病児及び病後児保育サービスを受けた場合の利用料を補助する制度を拡充しています。

カフェテリアプラン
年間に50,000ポイント(50,000円相当)が付与されるため、育児の費用に充てることができます。
ポイントは、健康保険組合が行なう保健事業メニューを利用するための費用補助です。
宿泊施設やスポーツクラブの利用、健康関連商品や医薬品の購入や、婦人科検診でも利用可能です。

外部カウンセリング制度
外部の専門カウンセラーに業務や家庭に関する悩みを相談することが可能です。

育児と介護のほっとライン
育児、介護全般の相談対応として、外部カウンセラーによる「あずさ監査法人 育児と介護のほっとライン」を導入しています。
24時間365日、いつでも電話・WEBによる相談が可能となっており、育児と介護の両立をサポートしてくれます。

コンソーシアム型保育施設
育児休業中の職員が希望の時期に復職し、より働きやすい環境を提供することを目的に、「コンソーシアム型(複数企業向け)事業所内保育施設/ポピンズナーサリースクール丸の内」の法人利用枠を確保しています。

保活コンシェルジュサービス
保育所を探す専門家が、育児休業から職場復帰する際に子どもを保育所へ入所させるための活動(保活)を全面的にサポートする「保活コンシェルジュサービス」を導入しています。初めて育児を行う女性でも、不安や心配なことを聞くことが出来るため安心して保育所を探すことができます。

 

ワーキングマザーの働き方と出世事情

入社5-10年目で産休に入り、1年後に復帰した女性の先輩は筆者の周りには4名いました。

定型業務がある事業会社に比べて監査法人の仕事はプロジェクト単位のため、産休育休は取得しやすい環境にあります。
育休期間は出産の時期に左右される部分も大きいですが、皆さん平均的に約1年間の育休を取得しています。
育休産休をきちんと取得した後に、フルで働いて出世している人もかなり多いです。

筆者の在籍していた部署には、育休産休を経てパートナーに出世した女性もいました。
パートナー程のレベルになると女性の割合も2%程度のため、独身の人が多いのも事実です。

現在パートナーは50-60代が中心のため、世代的に子育てとの両立が難しかったという背景もあるでしょう。

今後は制度が整備されていることもあり、育休産休を経てパートナーまで出世する女性も増加すると予想されます。

 

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あずさ監査法人で女性が出世するには

あずさ監査法人では、その人の実力・成果に応じた評価がされるため、男女差別なく出世できる環境が整っています。
評価基準や実際の昇給例をもとに詳しく解説します。

 

会社の評価制度

評価はER(Engagement Review)評価とER以外の評価の2つにより構成され、「S、A、B+、B、C、D」にランク付けされます。
あくまでER評価がメインで、追加情報としてER以外の評価、という位置づけです。

年2回、基本的には上長がメインで評価を行います。
360度評価も実施していますが、追加情報程度です。

ER評価
(メイン)
エンゲージメント評価
(売上の発生する業務に対する評価)
社内プロジェクト評価
(売上の発生しない業務に対する評価)
ER評価以外の評価
(追加情報)
組織への貢献、業務開発への貢献など

 

評価される人材とは

会計士という仕事柄、「業務を正確に行える人」が評価されます。
監査業務は地道な作業ですが、決してミスが許されません。
コンサルティング会社のような派手さはありませんが、担当業務を地道にやり遂げる人が評価されます

また、あずさ監査法人は長期的な人材育成に重きを置いているので「後輩を育成できる人」も評価されます

監査チームは人数が多く、かつ若手社員もかなり多いので、シニア以上では後輩を育成することが求められます。
自分の業務を行うだけではなく、周囲に目を配り、後輩を一人前に育成できる人が重宝されます。

 

実際に年収が上がった女性社員の例

筆者の同僚女性Aさんは30歳でマネジャーに昇進し、年収を大幅にアップさせました。

Aさんは元々事業会社で営業をしていたので、あずさ監査法人に中途入社した後も、積極的に営業活動を行っていました。
実際に受注した案件が評価され、入社後2年でマネジャーへの昇進を果たしました。

監査業務においては、業務柄他社員より頭一つ抜けることは難しいですが、営業活動においては実績が目に見えやすいため、Aさんのように出世スピードが速い人はよく見かけます。

 

男性社員と女性社員の評価の公平性

男性社員との評価の差は全くなく、いたって平等・公平です。
そのような観点では出世して稼ぎたい女性にとっては、理想の職場だと言えます。

「女性だから」と重要な業務を任せてもらえない機会損失が一切ない代わりに、「女性だから」と重労働を免除してもらえることも一切ありません。
繁忙期には男性社員と共に毎日終電まで働くエネルギーが必要です。

女性ならではの体調不良もあると思いますが、タフな男性社員には何も言われなければ気付いてもらえないので、その際には遠慮せずに男性社員の上司に相談することをオススメします。

 

総合職から一般職への転換

私の同僚に、結婚を機に総合職から一般職に転換した女性がいました。
あずさ監査法人には社内結婚が多く、その女性も同期と結婚し、多忙な旦那さんをサポートしたいということで一般職に転換することを決意したそうです。

将来的に「総合職に戻りたい」と思った場合は、戻ることも可能なので、便利な制度だと思います。

最近は、育児や介護との両立支援制度利用者のキャリアアップへのサポートが強化されています

休業に入る前から復職後のフルタイム勤務に戻るまでの間、ライフステージごとに定期的に面談を実施し、出産・育児・介護に係る職員のキャリア形成をサポートしてくれます。

また、復職後の中長期キャリアを考える機会および、同時期に復職する職員同士のネットワーキングを目的に、復職支援セミナーを開催しているので、これらの場を有効活用して情報収集することをオススメします。

 

女性管理職の比率

女性の管理職の割合は、総合職と事務職によって異なります。
総合職では2割、事務職では8割が女性です。
よって、事務職の方が管理職における女性の割合は高く、マネジャーランクであれば約6割が女性です。

ただ、パートナーに限定すると総合職・事務職共にまだ低く、共に2%程度です。

制度上では、事務職でもパートナーになることは可能です。しかし、実際は見たことがありません。
パートナーの大多数は会計士のプロフェッショナルであることが実情です。
(残りの非会計士パートナーはコンサル会社出身者のプロフェッショナルなど)

しかし、あずさは女性の管理職・パートナーの育成に注力しているので、今後は事務職でのパートナー昇進も十分あり得ると思います。

 

全体における女性の占める割合

総合職 事務職
マネジャー 15% 59%
シニアマネジャー 11% 39%
パートナー 2%

 

 

あずさ監査法人は多様なライフプランが選択でき、女性も働きやすい会社

あずさ監査法人に対して「女性が少なそう」「結婚・出産を経て働くのは難しそう」という疑問をもつ女性に向けて、各種制度や労働環境について説明しました。

育休・産休やその後の子育てサポートなど、どの制度もとても充実しており、出産後も女性としてのキャリアを心配する事なく、長期的なライフプランを描くことができる会社なのではないしょうか。

「結婚・出産後には家庭優先にしたい」という人にとっても、一般職に転換する道もあるので、多種多様なキャリアを選べる会社です。

あずさ監査法人は、「ライフプランを優先しつつ、確実にキャリアアップしていきたい」という人、「女性も平等に評価を受けられる会社で、パートナーまで出世したい」という人、様々なタイプの女性にとって働きやすい会社だと思います。

 

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