公認会計士が主体となって設立されたM&A専業のストライク。M&A業界では日本M&Aセンター、M&Aキャピタルパートナーズに次ぐ上場起業です。
こちらの記事では、ストライクへの転職を考えている人に向け、基本の企業概要から、仕事内容、年収事情、中途採用の選考まで幅広くお伝えしていきます。 |
ストライクってどんな会社?
ストライクは国内の中堅・中小企業を中心にM&A(企業の合併、買収)の仲介業務を主とした企業です。M&A専業会社として創業20年超の老舗企業です。
1997 | 公認会計士・税理士の荒井邦彦社長が創業 |
1999 | インターネット上でM&Aマッチングサイトを立ち上げるなど、普及間もないITを駆使した先駆的な取り組みで注目される |
2012 | 札幌、仙台、名古屋、大阪、高松、福岡の各地にオフィスを置いて地方での事業展開を加速 |
2016 | 東証マザーズに上場 |
2017 | 東証一部に市場変更 |
2019 | 社員数:8月31日時点で119人、うちM&Aコンサルタントは98人 成約組数:8月期で104件、新規受託は289件 売上高:50億7千万円 純利益:13億4千万円 |
(2021) | 8月期にはコンサルタント職を124人まで増やす計画 |
(2022) | 8月期の目標は、成約組数250件、新規受託555件に設定している |
5期連続で増収増益と好業績が続き、大阪オフィスの人員を2倍にするなど事業を拡大しており、中途採用を積極的に行っています。従業員数は2015年8月の27人から約4倍に急増しており、売上高は2015年から約4倍、利益は約3倍となっています。
本社は東京都千代田区大手町一丁目9番2号にある駅直結の高層ビルにあり、「M&Aは、人の想いでできている。」を企業信条に掲げています。
ストライクの仕事
中小・中堅企業経営者の高齢化などに伴う「事業承継」が全国的な課題となっており、ストライクの主たる案件となっています。
友好的なM&Aを前提に、譲渡希望企業と買収希望企業を仲介し、成功報酬を受け取るビジネスモデルを展開しています。買い手、売り手双方から提示される条件を調整しながら、双方の財務状況を的確に読み取り、マッチングするのが主な仕事です。
中堅・中小企業のM&Aには、財務を分析し買収企業とのマッチング・条件調整で高い交渉能力が求められます。
ストライクの仕事の流れ
M&Aコンサルタントは以下のような流れでM&Aを進めます。
- セミナーの開催や、業務提携先からの紹介などを通じて案件を探す
- 譲渡希望の企業が見つかれば秘密保持契約を結び、企業評価をまとめた資料を作成し着手金を受け取る
- 譲渡希望先の意向に応じて、ストライクが運営するインターネット上のマッチングサイト「M&A市場SMART」に譲渡希望先企業の社名を匿名にして掲載するなどして買収候補先を見つけ出す。オーナー同士の面談などを通じて調整を進める
- 基本的な条件がまとまり、基本合意契約が締結された時点で買収候補先から着手金を受け取る
- 買収候補先が譲渡企業に対して買収監査(デューディリジェンス)を実施し、財務リスクを確認した上で譲渡契約を締結。譲渡先と買収先の双方から成功報酬を受け取る
ストライクの特徴
ストライクでは売り手、買い手に同じ専任コンサルタントが付きます。
公認会計士や税理士組合と業務提携をしており、案件の約5割が提携先からの紹介とされています。
2018年8月期までの成約件数の業種別構成比をみると、製造業13.2%、IT関係8.4%、建設8.2%、小売り・流通7.5%、外食・食品7.5%、調剤6.6%などと多種多様です。
成約組数460件のうち、事業承継、後継者不在が254件と全体の55.2%に上ります。帝国データバンクの2018年調査では、調査対象の27万6千社のうち18万社以上が後継者不在とされ、今度も増えると推測されています。ストライクではこのほか、スタートアップ企業をM&Aによって大手企業に売却する出口戦略の案件開拓も進めています。
ストライクへの転職に選ばれているサービスはこの2つ
ストライクへの内定実績トップクラスのエージェントを紹介してくれるサービス
エージェントファインダー
(ストライク他、M&A仲介企業志望の方向け)
ストライクの年収事情
ストライクの年収は2019年時点で、平均年齢36.2歳、平均年収1,540万円となっています。
東洋経済が2019年1月に発表した平均年収「全国トップ500社」では7位にランキングされています。
ストライクの給与体系は、ベース年収400~800万円(前職を考慮)にインセンティブ(成果報酬)を加えた2段構えとなっています。
売り手と買い手で同じコンサルタントが担当するため報酬を両取りする形となり、1件の成約が年収を一気に押し上げます。成約手数料の20%が給与に反映されます。成功報酬に上限はありません。
設備面での投資をせず、仲介によって手数料を得るビジネスモデルのため、高い利益率を誇り、それが給与に反映される構図となっています。
ストライクが求めるスキルや経験、人物像
ストライクは、買い手と売り手に同一の専任コンサルタントが担当するのが特徴です。
買い手と売り手が別々のコンサルタントが担うことが多い同業他社と比べ、双方のオーナーから信頼関係を得て、その維持を続けることが非常に難しいとされます。売買額の交渉、M&A成立まで厳しい交渉の中で「相手方に肩入れしているのでは」と疑念を持たれてしまうと一気に破談につながるためです。
そのため、重視されるのはオーナーから信頼される営業力、交渉力に加え、人生経験の多い高齢オーナーをも惹きつける人間としての魅力です。
一点、東京以外のオフィスで勤務することもあるため、その点は考慮が必要です。
中途採用のターゲット
ストライクは、好調な業績を背景に中途採用に力を入れています。創業者が公認会計士ということもあり「財務諸表が読める」「数字に強い」ことが事実上、採用の前提となっています。
具体的な採用ターゲットは20代後半~30代で、成績優秀な銀行出身者で多くの採用実績があります。投資実績のある商社出身者らも有望とされます。
M&A業界の中ではワークライフバランスを重視
ストライクの特徴は、勤務時間が9時から17時45分、年間130日以上の休日が設定され、ワークライフバランスを重視している点です。激務なイメージが強いM&A業界の中でも、20時以降の残業は少なく、仕事と子育ての両立も可能とされます。M&Aの成約件数へのこだわりよりも、1件1件を確実、丁寧に取り組む落ち着いた社風が特徴です。
社員によるゴルフやテニスといったサークル活動も推奨しています。
男女比は4:1で、女性コンサルタントを積極採用していることも見逃せません。
業務量は多く激務の職場であることは同業他社と変わりません。仕事とプライベートをうまく切り分けられて、勤務時間内に多くの仕事をこなせるよう労働効率を上げることにたけているかどうかも、ストライクへ応募する否かの判断材料になるかもしれません。
1人当たりの生産性を高めるために、社内研修の向上を進めていて、入社後3年を経過した社員は、成約組数年間4組を目標としています。
ストライクの面接・選考
ストライクの中途採用の選考は、書類審査→執行役員による面接(1次)→社長による面接(2次)というフローが一般的です。
前述の通り、前職での実績と、オーナーと信頼関係を築くため人としての魅力が試されます。少数精鋭のため選考突破は難関とされます。同業他社と比べても、財務の知見があるかどうかは必ずチェックされます。
書類選考では、前職での実績等を踏まえて財務の知見の有無が確認され、通過率は10%程度のようです。
面接内容
一次面接は1~10部までの企業情報部を統括する営業担当の執行役員ら幹部が、人柄や前職での仕事内容を確認し、適性を判断します。面接時間は45分程度で、通過は30%程度。
二次面接は例年、荒井邦彦社長との約45分間の面談となります。通過は50%程度。
ストライクへ転職するには
ストライクへの転職を希望する方は、同社への内定実績を豊富に持つエージェントに相談するようにしましょう。
内定実績が豊富なエージェントは採用ターゲットを熟知していますし、過去の面接内容や面接官の情報に基づいた面接対策をしてくれるので内定確度が上がります。
志望度が高い方は是非、エージェントマッチングサービスの【エージェントファインダー】にご登録ください。
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