本記事では、クラウド名刺管理サービスの開発・提供で急成長するSansanについて、会社の成り立ちから事業の現状まで、転職検討者が知っておくべき基礎知識をまとめています。 営業DXサービス「Sansan」、キャリアプロフィール「Eight」、クラウド請求書受領サービス「Bill One」、契約DXサービス「Contact One」、それぞれの事業の特徴や業績など、現役社員のインタビューを基に余すところなくお伝えします。 |
目次
本記事のポイント
- 導入企業7,000社で、名刺管理サービス市場を創出
- 2019年にマザーズ上場、2021年1月東証一部に
- 請求書業務や、契約書業務をDXする新サービスも展開
- 各事業の収益力強化が課題
Sansanの会社概要
Sansanは、クラウド名刺管理サービスの企画・開発・販売を主要な事業として、三井物産出身の寺田親弘氏(現代表取締役社長兼CEO)によって2007年6月に設立されました。
最新の決算とSansanのプロダクト刷新
最新の2023年5月期決算短信によると、売上は255億1,000万円。
前年同期比24.9%増と大変好調です。
この背景には、事業の柱であるSansanのプロダクト刷新があります。
Sansanと言えば「クラウド名刺管理サービス」でしたが、2022 年に営業 DX サービスへとプロダクトを刷新しました。
これまでの名刺情報に加え、100 万件を超える企業情報 や、メール・セミナー等、さまざまな顧客接点情報を可視化する機能を搭載しました。
その結果、解約率や受注状況が改善し、大きく売上を伸ばす結果となりました。
従業員数・拠点と子会社
従業員数はグループ全体で1,205人(2022年8月末時点)。
2018年は402名だったので、4年間で3倍に増えています。
拠点と子会社は以下の通りです。
本社 | 東京(表参道) |
支店 | 大阪/名古屋/福岡 |
海外子会社 | アメリカ/シンガポール |
2020年8月には会議録の全文書き起こしサービスを提供するログミー株式会社を連結子会社化しています。
Sansanの事業は働き方改革やDX、コロナ禍が追い風に
Sansanは名刺管理サービスという市場を創出した新興のベンチャー企業です。
現在はクラウド請求書受領サービス「Bill One」や契約DXサービス「Contact One」など新たな事業を展開し、本格化させています。
名刺管理を事業の「核」として、企業の営業活動を支えるビジネスプラットフォームを目指している会社と言えます。
現在は新規事業に伴うシステム開発や知名度向上を目指した広告宣伝費といった先行投資が業績の重荷になっているものの、法人向けサービスを中心に事業は着実に拡大しています。
働き方改革やデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進で、デジタル化の風潮は高まりつつあります。
新型コロナウイルス禍で在宅勤務が多くなったことで、より一層Sansanの事業は注目され、追い風となっています。
Sansanへの転職に選ばれているサービス
Sansanに内定実績豊富なエージェントを紹介してくれるサービス
エージェントファインダー
(Sansan他、ITベンチャー・Saas企業志望の方にオススメ)
Sansanの社員数と業績推移
Sansanの社員数
契約社員を含む社員数は、事業の拡大に合わせて年々増加しています。
2017年 | 305人 |
2018年 | 402人 |
2019年 | 549人 |
2020年 | 713人 |
2021年 | 954人 |
2022年 | 1,205人 |
最新の有価証券報告書によると、平均年齢と平均勤続年数は以下の通りです。
平均年齢(2022年5末) | 32.2歳 |
平均勤続年数 | 2.8年 |
新規採用が多いため平均勤続年数は低くなっているとみられます。
Sansanの業績
売上高は、2016年5月期の31億円から2023年5月期の255億と躍進しています。
一方で、純利益(純損失)は、2016年5月期の純損失13億円と赤字が続き、2020年5月期で純利益3億8千万円の黒字に転換しました。
ある社員は「システム開発などの先行投資と知名度アップのための広告宣伝費、主にCMに多額の資金を投入していて、少しでも守りの姿勢に転じれば、すぐに黒字になる」と説明しています。
実際に、新型コロナウイルス感染症の拡大で、一部投資が鈍ったことで、2022年5月期は大幅な増収増益となりました。
Sansanの主要な事業
Sansanの主力事業はクラウド名刺管理サービスで、法人向けの「Sansan」と個人向け「Eight」に大別されます。
その他、新たな取り組みとしてクラウド請求書受領サービス「Bill One」や、契約DXサービスの「Contact One」を展開しています。
営業DXサービス「Sansan」
Sansanの概要
2007年の創業時からスタートしたSansanの主力事業で、現在は約7,000社が契約し、市場全体の81.6%(※)のシェアを占めています。
当初は「LinkKnowledge(リンクナレッジ)」の名称でサービス展開していましたが、2013年から社名と同じ「Sansan」に変更しました。
「名刺管理から、働き方を変える」をコンセプトに、社内の名刺を一括管理して顧客データとして他の情報と連携させることで、営業やマーケティングなどに広く活用してもらうことを目指してきました。
2022年3月には「クラウド名刺管理サービス」から「営業DXサービス」へとプロダクトを刷新。
名刺のみならず、メール署名などあらゆる顧客接点が蓄積、可視化できるようになりました。
こうした顧客接点情報と、Sansanに搭載された100万件を超える企業情報を組み合わせることで、独自の顧客データベースを構築することができます。
こうした機能の強化によって、「営業を強くするデータベース」へと進化し、売上は大きく増加しました。
※調査研究レポート「営業支援DXにおける名刺管理サービスの最新動向2023」(2022年12月 シード・プランニング調査)より
Sansanの契約先
数名規模の中小企業から大手企業、官公庁や自治体まで8,000社・団体が契約しています。
経済産業は2020年7月、Sansanを正式導入し、約4,000人の職員がオンライン名刺の活用を始めたことがニュースとなりました。
トヨタや三井住友銀行、資生堂、日本郵便、三井物産など業種、業界問わず幅広い企業で導入されています。
自治体では徳島県が導入し、静岡大学や近畿大学といった大学でも利用されています。
Sansanへの転職に選ばれているサービスはこの2つ
Sansanに内定実績豊富なエージェントを紹介してくれるサービス
エージェントファインダー
(Sansan他、ITベンチャー・Saas企業志望の方にオススメ)
キャリアプロフィール「Eight」
Sansanが提供する、名刺を起点とした国内最大のビジネスネットワークです。
名刺を撮影することで、正確にデータ化して、アプリで管理することができます。
名刺管理だけでなく、名刺交換相手の異動情報や企業ニュースを閲覧したり、自身のビジネスにおける近況を投稿したりすることができる「フィード」、チャットのようにコミュニケーションが取れる「メッセージ」、名刺だけでは伝えることができない経歴やビジネススキルを明示できる「プロフィール」、オンラインでも名刺交換ができる「オンライン名刺」といった機能を搭載しています。
2022年4月には個人向け名刺アプリ「Eight」から、キャリアプロフィール「Eight」へとリニューアル。
キャリア情報に出会える機能や企業からスカウトが届く機能も搭載し、個人のキャリア形成に役立つアプリへと進化を続けています。
インボイス管理サービス「Bill One」
さまざまな取引先からの請求書をデータ化し、オンライン上で閲覧可能にするサービスです。
法人向けSansan事業で培った、非定型の名刺をデータ化してきた技術を生かした事業です。
これまで部門間で行われていた請求書の開封や振り分け、受け渡しのほか申請、承認業務が大幅に軽減されます。
コロナ禍でリモートワークが進む中で、事務作業を効率化するのが目的です。
ペーパーレス化の推進や災害時のBCP(事業継続計画)においても、紙やデータとして手元で保存せずクラウド上で管理できるメリットがあります。
また、電子帳簿保存法の改正やインボイス制度の導入など、請求書業務は大きな転換期を迎えています。
Bill One上でこうした法改正への対応もできるため、注目が高まっています。
契約DXサービス「Contact One」
ビジネスに欠かせない契約書を適切に管理するためのサービスです。
管理に時間を要する契約書管理台帳を、誰でも活用できる契約データベースとして構築するバックオフィス向けのDXサービスです。
本記事のまとめ
Sansanは、名刺管理サービスを創出したトップランナーとして、積極的に事業拡大を進めています。
法人向けはコロナ禍でも契約数が右肩上がりで、成長軌道に乗っているといえるでしょう。
攻めの経営で、多数のCMを打つことでビジネスマン以外の知名度も向上しています。
課題は、新規事業も含め、そのサービスの価値の拡大・深化により、ビジネスインフラとして認知されることができるかどうかです。
ビジネスマンにとってなくてはならないサービスになりつつあるのは間違いありません。
他社のサービスと連携が進み、利便性は確実に高まっています。
Sansanのサービスがビジネスマンの「必需品」となった後、十分に利益を上げられる事業に成長しているかどうかがポイントになると思います。
Sansanへ転職するには
Sansanへ転職を実現する上で大切なのは、どの転職エージェントに相談するか、です。転職エージェントならどこでも良いわけではなく、同社への内定実績を豊富に持つエージェントに相談するようにしましょう。 内定実績が豊富なエージェントは採用ターゲットを熟知していますし、過去の面接内容や面接官の情報に基づいた面接対策をしてくれるので内定確度が上がります。
Sansanの志望度が高い方は是非、【エージェントファインダー】にご登録ください。SansanをはじめとするITベンチャーやSaaS企業に多くの内定者を輩出している転職エージェントをご紹介させていただきます。