コンサル業界最高峰のマッキンゼー。社風から読み解く、仕事への姿勢とは

コンサルティング業界の最高峰として名高い、マッキンゼー・アンド・カンパニー。
入社するには狭き門を突破する必要があり、年収水準もかなり高いと言われていますが、社内の雰囲気やそこで働いているのはどのような方たちなのでしょうか。

今回はマッキンゼー・アンド・カンパニーの日本支社に7年間在籍していたAさんに、転職picks編集部がインタビューを実施し実情を伺いました。

 

マッキンゼー社員はプライドが高い?

結果に対して求められるレベルが非常に高く、「圧倒的に仕事がデキるビジネスマン」というイメージから、少々取っ付きにくい印象すらあるマッキンゼー社員。
実際のところ、どのような人が多いのでしょうか。率直にAさんに聞いてみました。

 

業界最高峰の仕事をしているという自負

Aさん曰く、やはり業界最高峰の仕事をしているという自負があることから、プライドの高い社員が多いそうです。
たとえるなら、圧倒的に優秀、地頭のいいひと、キャラの立った人の集まりといったイメージです。

そして、彼らが普段からやり取りをするクライアントは、世界の名だたる企業の経営層です。そのため、どのような相手にも物怖じしない、芯の強さを持っている人が多いそうです。

 

トップコンサルタントの意外な一面

トップ・オブ・トップとしてのコンサルティング業務が求められているので、マッキンゼー社員は「“マッキンゼー”の名に恥じることの無い仕事ができているのか」という自問を常に繰り返しながら仕事をしているといいます。
確固たるプライドを持って、「顧客の抱えている課題を解決すること」に従事しているのです。

また、意外にも実際のコンサルティングの現場では、あえて簡単な言葉を用いて説明をすることが多いそうです。
顧客に正しく理解をしてもらえるように、難しいことをかみ砕いて話すのも必要なスキルの1つなのだといいます。

Aさん曰く、若手社員には難しいことをそのまま難しい言葉で説明することしかできないコンサルタントもいますが、そのような人材はマネージャーレベルに昇格できないそうです。

このようにマッキンゼー社員の姿勢はクライアントに寄り添ったものなのです。

 

マッキンゼー社員の「鈍感力」にみる社風

前述のように、マッキンゼー社員にはコンサルティング業界のトップである自負があるため、プライドの高い人が多いです。

ただ、プライドが高いながらも同時に「鈍感力のある人」が多いとAさんは言います。
ここに関しては後述しますが、日常の業務の中で備えていく人が多いようです。

 

「鈍感力」とは?

その鈍感力とは、「聞き流す能力」と言っても良いかもしれません。

マッキンゼーでは、部下の業務のあらゆる面を上司が見ていて、随時フィードバックやアドバイスがあるそうです。
そのような環境下では、色々な指摘を受けても自分の気持ちが折れないよう、ある程度聞き流す能力も身につけていく必要があるということです。

「鈍感力」が育つという現場の雰囲気から、プライドを持った個人同士が切磋琢磨して働いていることが分かります。

 

マッキンゼーの採用方針

社風を知る手がかりの1つ、採用方針についても簡単に触れておきます。

マッキンゼーでは、多くの日本企業が欲しがるような人は採用しない方針があるのではないかとAさんは言います。

例えば、日本企業で重視されることの多い、上司や同僚とのコミュニケーション能力の高さや協調性、つまり社内政治的な要素は、マッキンゼーではあまり重んじられていません。
それよりもいかにして成果が出せるかどうかが重要です。

とはいえコミュニケーション嫌いな一匹狼タイプばかりがが集まっているわけではありません。
職場のメンバーでお茶に行く、社員同士で声を掛け合って週末に合コンをする、などの話はよく聞いたと言います。

 

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マッキンゼーの実際の仕事の現場

では次に、マッキンゼーの仕事現場に触れていきたいと思います。

 

マッキンゼーでの働き方

ボストンコンサルティング グループなどの他コンサルでは、1人で複数の案件を受け持つのが一般的のようですがマッキンゼーでは、マネージャーまでの社員は1人1案件しか持たないと言います。

また、入社後2年間は色々な業界・ジャンルにアサインされますが、特にM&A案件に若手がアサインされることが多いそうです。
Aさん曰く、M&Aはとにかく仕事量が多いので体力ある若者に担当させるという意図もあるのではないかということです。

 

常に監視されている緊張感

また現場の雰囲気にはかなり緊張感があるそうです。
というのも、マネージャーなどの上司を始め、多くの社員から自分の業務時間中の一挙手一投足を見られている感覚が強くあるそうです。
もはや監視されているレベルと言ってもいいとAさんは言います。

前述した「鈍感力」が、このような場面で問われるのです。

毎日どころかミーティングごとに毎回、マネージャーや同僚や年下のメンバーから「あそこの言い方はよくなかった」とか「こういう言い回しにすべきだ」などの細かいフィードバックがあるそうです。

そこまで細かく言われると気にはなってしますが、毎回それで一喜一憂していたら身が持たなくなってしまいます。
「はいはい、次からはそうしますね、頑張りますね」というような、良くも悪くも聞き流す姿勢がないとすぐにつぶれてしまうので、鈍感でいる必要があるのです。

そうすれば、周囲も自分を貶めたいわけでは決してなく、より良くなるようにと思って言っていると、前向きに捉えていけるとAさんは言います。

 

入社前は想定できなかった「大変だったこと」

このようにマッキンゼーの現場は、働き甲斐はありますが、その分大変なこともあったそうです。

このほかにも、クライアントの経営企画などと仕事をする際、依頼された側であるマッキンゼーの社員が、クライアントの社員にライバル視されることがあるそうです。
「本来自分たちがすべき仕事だったのに、経営陣の納得のいくレベルではなかったためにマッキンゼーへコンサル依頼している」と思われてしまうためです。

そうなってしまうと、ヒアリングのために担当者のアサインを依頼しても応じてもらえなかったり、最新版の資料があるにも関わらずかなり古いバージョンの資料を渡されることもあったようです。

入社前は想定できなったようなことも起きますが、それでもマッキンゼーでしか経験できない世界でも最高峰のクライアントと仕事をすることができますし、ビジネススキルがメキメキとつく環境であったといいます。

 

マッキンゼーで活躍できる人材とは


コンサルティング業界の最高峰としての自負を持ち、業務を行っているマッキンゼーの社員ですが、実際にはどのような人材が活躍出来るのでしょうか?

 

何よりも「クライアントの利益を最優先」させて決断できる

Aさんは、当時の上司から「はじめは食べ物なのか、美味しいのか、いつまで噛み続ければいいのかわからないが、ずっと噛んでいると味が出てくる」と言われていたそうです。

とにかく途中で諦めないこと。そしてプロとしての自覚を持ち続けていける人が活躍できると言えるのかもしれません。

Aさん自身、マッキンゼーで1~2年働いた頃にやっと、「クライアント・インタレスト・ファースト」*という常々言われてきた命題が「最も追求するべき目的なのだ」とわかったそうです。
働き始めた頃には何が何だかわからないことも、必死で続けることによってその本質を掴めるのだといいます。

*クライアント・インタレスト・ファースト…顧客利益第一。何よりもクライアントの利益を最優先させて決断しなければならない。「すべてはクライアントのために」という考え方

 

とにかく途中であきらめず続ける

1年くらいで辞めてしまう人が多いというマッキンゼー。
しかし運よく入社できたのなら、根性を持ってすぐに辞めずに頑張ってほしい、とAさんは言います。
それは、Aさんの実体験にも基づきます。

Aさんは現在40歳でお子様もいますが、マッキンゼーに7年いたため今でも仕事に困らないそうです。
どんどんオファーがくるのでむしろ辞めてからのほうがマッキンゼーへのありがたみを感じているといいます。

特に女性は、妊娠や出産を想定してキャリアを迷うことがあるかも知れません。
しかしAさんのように引く手あまたという状態になれれば、ライフイベントや子供の状況に合わせて仕事を選べるようになります。
その意味でも、おすすめしたいといいます。

 

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マッキンゼーの社員は、全身全霊で業務に取り組んでいた!

マッキンゼーの元社員であるAさんに、その社風や社員の特徴についてインタビューしました。

「鈍感力」など意外な言葉もあり世界最高峰ならではの苦労もうかがえましたがトップとしてのプライドを常に持ち、全身全霊でコンサルティング業務を行うマッキンゼー社員たちの姿が浮かんできたのではないかと思います。

コンサルティング業界を志望されている方は、マッキンゼーにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

この記事のまとめ

☑マッキンゼーの社員はどのような相手にも物怖じしない、芯の強さを持っている人が多い
☑鈍感力=「聞き流す能力」を身につけているとよい
☑途中で諦めずプロとしての自覚を持ち続けていける人が活躍できる

 

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