KPMGコンサルティングは、KPMGが日本で展開するコンサルティングファームです。監査・税務・アドバイザリーと3つの分野で8つのプロフェッショナルファームを展開しており、KPMGコンサルティングはアドバイザリー分野でのプロフェッショナルファーム、と位置付けられています。
本記事ではKPMGに所属している筆者が、同社の位置付けやコンサルタントの仕事内容、仕事の進め方について詳しくお伝えします。 |
目次
コンサルティングファームの分類
コンサルティング業界は対象分野と会社の成り立ちによっていくつかの種類に分けられます。
分野 | コンサルティング内容 |
IT系 | システム戦略、セキュリティ |
人事系 | 企業内の組織運営、マネジメント |
金融系 | 資金調達、財務管理 |
それぞれの分野に特化したコンサルティング会社もあれば、総合的にコンサルするコンサルティング会社もあります。
Big4*を母体とする総合系、金融機関が立ち上げ、官公庁系のコンサルを担当することが多いシンクタンク系*1、また、日本国内の中小ファームである、国内独立系*2などがあります。
*Big4:四大監査法人として「デロイト トウシュ トーマツ」「KPMG」「アーンスト&ヤング」「プライスウォーターハウスクーパース」の4社を指す。
*1シンクタンク系:大手証券会社、メガバンクなどを親会社に持つコンサルティングファーム。「野村総合研究所」「NTTデータ経営研究所」「三菱UFJ リサーチ&コンサルティング」など
*2国内独立系:品質管理、生産性の向上など、製造業のコンサルティングに強みを持つ。プランニングし、実行まで行うケースが多い。「たなべ経営」「インタープライスコンサルティング」「リブコンサルティング」など
KPMGコンサルティングの仕事内容とは?各職種の役割を解説
コンサル・アナリティクス
KPMGにおいてコンサルティングのメイン業務を行う職種です。
クライアント企業の課題を解決するため、各分野の専門家となって課題の原因を分析し、改善案を提案します。
提案の準備のための調査フェーズと、提案が採用されたあとの実行フェーズに大きく分かれており、通常はマネージャーなどの管理職を中心とし、チームで業務を進めていきます。
そのため、採用選考ではチームワークを大切に働ける人材かどうかの見極めが重要なポイントとなります。
また、限られた人数で仕事を行うことが多いため、積極的に自分のタスクを見つけたり、自分から上司に状況を報告したり、自立した働き方も求められます。
同時に、新規クライアント獲得のための業務が発生することがあります。既存クライアントから紹介や、他コンサルティングファームからの切り替えなどが、主なきっかけです。
担当クライアントとの良好な関係をつくることが新規案件の獲得につながることもあります。
マネージャー以上の職種では、コンペの際にプレゼンを行うこともあります。
アドバイザリー
業務内容はコンサル・アナリティクスと似ていますが、アドバイザリーはよりクライアントの将来に向けた提案を積極的に行っていきます。
特にIT系のクライアントの場合、最新のシステム事情やセキュリティの状況をクライアントに伝え、体制面の強化やシステム導入を提案するなどが重要な役どころになります。
現状の課題をただ解決するだけでなく、将来的に起こりうる問題を想定して提案を行う業務なので、常に専門分野にアンテナを張り、勉強や情報収集を怠らない努力が必要です。
また、クライアントに納得してもらうだけのプレゼンテーション能力、説明能力が求められます。
こちらの部署でも、新規クライアント獲得に関連した業務も発生することがあります。
コンサル同様、コンペに参加することもあります。
営業
営業という職種は独立して存在しているわけではなく、新たなソリューションの獲得や顧客を作っていく仕事として管理職が中心に行っています。
既存クライアントから紹介を受けることもありますが、他コンサルティングファームからの切り替えなど、コンペに参加することもあります。
管理職以外ではなかなか営業のチャンスはありませんが、アソシエイト職など職位が低い段階でも、既存クライアントと良好な関係を作ることで、有益な情報がもらえることがあります。
また、他ファームとのコンペになった際には、自分のファームの特徴や長所を伝えることができるか等、仕事への深い理解が必要になります。
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KPMGコンサルティングに入社して感じた仕事内容のギャップ
ここでは、筆者が実際にKPMGに入社して感じた入社前と入社後のギャップについてお伝えします。
チームワークが重視される、外資系コンサルティングファーム
KPMGは外資の総合系ファームに属するため、「個人主義」「成果主義」が強いというイメージを持って入社する人が多いようです。
しかし実態は、チームでの業務が大半を占めるため、「チームワーク」が重要視されています。
中途採用者がほとんどのため、既に自分の得意分野を持っている人が多いですが、チームでの業務を通して、お互いに知識を磨きあうことができる環境です。
反対に、クライアントとの関係構築や提案など、チームから独立して個人で行いづらい風潮があり、やや気軽さ・カジュアルさに欠けるところがあります。
充実した教育・研修制度
私個人が感じたギャップの一つは、教育・研修制度が充実していることです。自分で単独で情報収集をしたり、勉強をしなければ、と思っていたので嬉しい誤算でした。
最新情報を共有する勉強会や、外部研修参加の費用の補助など、従業員の教育に力を入れていますし、個人レベルでも積極的に情報共有を行う風潮があります。
一方、社風としては活発に職位関係なく意見が飛び交うイメージでいましたが、意外にも、管理職の意見が優先される場面もあります。チームをまとめるマネージャーによっても雰囲気がかなり異なるため、自分に合ったチームに入れるかどうかで仕事の充実度が変わります。
対象分野で変わる?KPMGコンサルティングの仕事の進め方
仕事の進め方は分野ごとに異なるため、対象分野に分けて解説します。
IT系
先述しましたが、最新のテクノロジー事情を把握したうえでの提案が求められるため、常に情報収集を行うなど自ら勉強し、アンテナを張っておく必要があります。
提案採用後は、クライアント企業の下請けベンダーと仕事をするケースもあるので、様々な企業の人をまとめて業務を行う、プロジェクト・マネジメントの素養も必要です。
人事系
クライアント企業の業務内容や人の動き、社風など、内情を深く理解する必要があります。
そのため、クライアントと信頼関係を築き、ざっくばらんに問題を話し合えるようになることが重要です。
また、クライアントに共感を示しながらも、必要な施策は実行していく必要があります。
クライアントのトップだけでなく、各組織の社員にも納得してもらうような説得力など、対人スキルが求められます。
金融系
企業財務、経済情勢・トレンド(相場の大きな方向性や、傾向)に精通していることが重要です。
クライアント企業の業態によっても、資金の回り方は異なるため、専門的な知識を常に磨く姿勢が重要です。
数値をただ分析して提案をすればよいわけではなく、クライアントのポリシー、方針に沿ったものを求められますから、企業の風土、風習への理解も大切です。
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KPMGコンサルティングでは自立して仕事を進める、勉強し続ける姿勢が重要
コンサルティングファーム、コンサルティング会社を一口に言っても、分野や業務が様々あることがお分かりいただけたかと思います。
また、中途でコンサルティングファームへの転職を検討する際に、「コンサル出身じゃないと採用面接を受けられないのでは」と感じる方もいるかもしれません。
しかし、これまでにコンサル経験が無くてもKPMGに入社することはできます。
自分の得意分野やスキルを明確にし、コンサルタントになったあとでどのようにその経験を活かせるかしっかりアピールできるよう、準備をすると良いかもしれません。
自分の好きな分野・得意分野を極めたい人には、ピッタリの仕事だと思いますので、これまでコンサルティングの経験が無い方も、次の転職先にKPMGを検討してみてはいかがでしょうか。
筆者プロフィール:Megumi
事業会社のシステム部にて、システム開発のプロジェクトマネジメントを経験後、KPMGに転職。ITコンサル、会計監査に従事。
KPMGコンサルティングへ転職するには
KPMGコンサルティングへの転職を実現する上で大切なポイントは、転職エージェントの利用です。転職エージェントならどこでも良いわけではなく、KPMGへの内定実績を豊富に持つエージェントに相談するようにしましょう。 内定実績が豊富なエージェントは採用ターゲットを熟知していますし、過去の面接内容や面接官の情報に基づいた面接対策をしてくれるので内定確度が上がります。
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