2023.04.18

日立製作所

日立製作所の平均年収・ボーナス・残業代・給与システムを元社員が解説

日立製作所は総合電気メーカーのリーディングカンパニーとして、IT技術を核に、エネルギー、産業機器、社会インフラ設備、医療機器など幅広い分野で事業を展開し、製造業界を牽引する日本最大のコングロマリット企業*です。

連結従業員数は約37万人、連結売上はおよそ10兆円。
そんな日本の屋台骨、製造業界の雄である日立の年収・ボーナスといった給与事情を、内情を良く知る元社員がご紹介します。

*コングロマリット企業:関連のない複数の企業を統合することでできた、複合企業グループ。
競合企業ではなく異業種に参入し、多角経営を目指す形態のことを指す。

 

日立製作所の平均年収は896万円

2022年3月の有価証券報告書によると日立の平均年収は以下の通りです。

従業員数 29,485人
平均年齢 42.7歳
平均勤続年数 19.3年
平均年間給与 8,969,979円

日立では30歳半ばまで給与水準が低く抑えられています。そのため、この数字は筆者の所感としては少し過大な数字のように思います。

実際には大学卒や大学院卒が40代で年収800~850万円くらいというのが総合職の一般的なケースです

管理職は50歳以上の割合がかなり大きく、平均年収が900万円弱となっていますが、850万円くらいで頭打ちとなる場合が多いようです。

 

日立製作所の職種別平均年収

転職者アンケートによると、日立製作所の平均年収は736万円(2023年11月時点)となっており、筆者としてはこちらの数値の方が実態に近い印象を受けます。

平均年収 736万円
年収範囲 400万円〜1,480万円
回答者数 35人

 

転職者アンケートによると、職種別の平均年収は以下の通りです。

職種 平均年収 年収範囲 回答者数
エンジニア・SE 702万円 450〜1150万円 10人
設計 688万円 420〜1480万円 8人
営業 696万円 390〜1300万円 17人

 

日立製作所の年次・役職別の平均年収

日立における階級は、細かく等級によって区分されています。概ね2,3年ごとに昇格していきますが、節目の役職につくとき以外は給与に大きな変化はありません。

全社どの事業部でも、おおよそ以下の給与テーブルに従って昇進、昇給します。

役職の呼称は変更されることもありますが、筆者が在籍していた2016年頃の総合職は、大きく

  • 研修員
  • 企画員
  • 主任
  • 主任技師(課長相当)
  • 主席技師(部長相当)

に分けられました。

主任技師の中から課長が、主席技師の中から部長が各部署で1人ずつ配置されます。

課長、部長の任期はそれぞれ2~4年が一般的で、短期間でローテーションされます。

課長、部長は他の相当職よりも若干給与が高く設定されていますが、主任技師、主席技師とはほとんど差がありません。(ただし、決裁関係の事務仕事が膨大に増えます。)

 

平均年収が高いのは、管理職・残業が多いから

若手のうちは年収が低く抑えられ、入社から主任に就く10数年程は大きな昇給は見込めないでしょう。

四季報などで一般に公開されている年収は、管理職が余るほど多いこと、残業が多いことから高い水準のように表れていますが、特に若い間はその数字にギャップを感じることになります。

ただし、残業が多い部署へ配属されると、役職がついていなくても100万円以上年収に差がつくことも珍しくはありません。特に設計部門や建設部門では休み返上で仕事することも多く、年収は跳ね上がります。(残業代については後述)

ワークライフバランスを気にする人は部署についても十分に考えておいた方がよいでしょう。

 

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日立製作所転職者の年収実績

日立製作所に中途入社した転職者の年齢、前職、日立での年収は以下の通りです。

年齢 前職 前職での年収 日立での年収
27歳 みずほ銀行 500万 650万
28歳 日本総合研究所 300万 500万
32歳 日本郵便 553万 650万

 

日立製作所、競合他社との年収比較

日立製作所は競合と比べて年収は高いのでしょうか。ここでは日立と同じく、日本を代表する大手電機メーカー4社で年収を比較してみました。結果、日立製作所は4社中2位という結果になりました。

順位 社名 年度 平均年収 平均年齢
1位 ソニー 2021年度 1084.5万円 42.6歳
2位 日立製作所 2021年度 896万円円 42.7歳
3位 三菱電機 2021年度 806.7万円 41.1歳
4位 パナソニックホールディングス 2021年度 758.6万円 45.7歳

 

日立製作所のボーナス事情

日立製作所では、ボーナスは年に2回支給されます。
その年の会社業績によりますが、年間の総額はだいたい基本給の4ヶ月~6ヶ月分の中で推移しています。

事業部毎の業績がボーナスへ反映されるため、事業部が違えば同期でも50万円以上も支給額に差が出ることがあります。

入社時の採用は事業部単位で実施され、自身の希望するところへ配属されます。
後々年収に大きく関わってくるので、入社を考えている人は勢いのある事業部か、伸び悩んでいる事業部かを慎重に見極めた方が良いでしょう。

事業部が年間の業績で赤字を出すような場合は、管理職(課長クラス以上)のボーナスは全額カットされることもあります。
そのようなケースは少なくないですが、こればかりはその時々の景気にも大きく影響されるため、割り切るほかありません。

しかし管理職になるまでは、世間ではボーナスをもらえないような経営不振や不景気になっても一定のボーナスが支給されるため、このあたりは大企業で働いている恩恵を感じるところです。

 

日立製作所での年収の上がり方は年功序列

日立製作所には昔ながらの古い体質・社風が根付いており、基本的には年功序列で課長または課長相当職まで機械的に昇進することになります

年2回の人事評価は6月、12月のボーナスが支給されるタイミングに合わせて、所属部門の部長、課長との面談によって行われます。

基本的には5段階評価を行うことが多いですが、よほどのことがない限り、3または4の評価がつきます。
筆者の周りで2や5の評価が付いた人はほとんど聞いたことがなく、査定とは言っても、かなり形式的な意味合いが強いです。

査定が給与へ反映されることもほとんどありません。

役職(主任)に就くまではほとんど横並びの評価となることが大半です。

 

年収をアップさせるには英語力は必須

日立製作所は大規模なインフラ設備を対象とする製造業であるため、仕事では社内・社外ともにかなり多くの人と関わり合いながら業務を進めます

仕事内容にもよりますが、1つのプロジェクトで数十人~100人程度の関係者と接しながら日々仕事をすることになります。

そのため、色々な性格の人がいる中で、万人から仕事・人柄の評価を得られる人は昇進が比較的早いことが多いです。
逆に言えば、そこまで特別な評価が得られない限りは前述の通り横並びの昇進スピードとなります。
概してリーダーシップがあり、人当たりが良い人は上司の評価も高くなります。

その他、最近では課長相当職への昇進条件として、TOEIC 650点以上や、事業部によっては国家試験などの専門的な資格取得が設けられていることが増えてきており、最低限の学力や資格取得が必要となるケースが増えてきています。

特に技術系では海外と関わる仕事が増えているため、国内事業に携わっていても、出世したい場合には簡単なビジネスレベルの英語力は必須だと考えておいた方がよいでしょう。

 

日立製作所の残業代

残業時間については、全社的に厳しく制限する取り組みが進められているものの、未だに「残業を多くしている人=努力している人」という文化が残っているところがあります

基本的には残業した分の給料はきっちり支払われますが、多忙さから会社を辞める若手は例年一定の割合で存在します。

今ではだいぶ残業規制が厳しくなったので、そういった環境はかなり改善されてきているようです。
世間並みには働き方改革の取り組みを推進しており、一部を除いて月30~40時間の残業に収めるように管理されているところが大半です。

一方で残業が少ない場合は、入社して3年間は300~500万円程度の年収に留まるため、ある程度の残業を望む人が多いのも事実です。

 

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日立製作所で出世につながる評価ポイント

技術系社員が圧倒的多数なので、技術系に焦点を当てると、とりわけ個人評価ポイントは次のような点が挙げられます。

  • プロジェクトの関係者を纏めるリーダーシップ
  • スピーディーに正しい解決策を打ち出せる論理的思考力
  • 難しく厄介な問題に進んで取り組む積極性
  • 誰とでも良好な関係を築き、円滑に業務を進められる協調性

基本的には真面目な技術屋の集まりなので、知識・経験に優れていて、責任感のある人が好まれます。
目立ちたがり屋はあまり好かれないかも知れません。

昔ながらの縦社会ですので、上司に気に入られる性格もポイントになってきます。
とは言ってもそこまで媚びたりする必要はなく、普通に良好な関係を築けていれば、さほど意識する必要はありません。

 

日立が求める人物像

総合メーカーとして伝統的に「技術力」に誇りを持っている会社のため、製品の技術や知識をもった人は評価されます

また、事業を取り巻く環境の変化が激しい昨今では、状況を的確に判断し、柔軟に環境の変化に対応するハイレベルな問題解決能力も要求されています。

昇進ペースはある程度枠にはまった人事評価システムですが、最近では出来るだけ、定量的な評価基準を取り入れる傾向にあることは確かでしょう。

 

日立製作所は年収の差がない、安定した給与システム

日立ではいずれの事業部に配属されても、給与水準・個人評価基準に多少の違いはあれど、そこまで大きな違いはありません。

入社後の10数年間は残業時間、事業部の業績(ボーナス)の2つの要因以外では給料に差がでることはほとんどありません。
良くも悪くも一定のペースで昇進し、一定の額の給料が得られる安定した給与システムだと言えます。

 

日立製作所へ転職するには

日立製作所への転職を希望する方は、同社への内定実績を豊富に持つエージェントに相談するようにしましょう。
内定実績が豊富なエージェントは採用ターゲットを熟知していますし、過去の面接内容や面接官の情報に基づいた面接対策をしてくれるので内定確度が上がります。

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