電通総研は、2024年1月1日に電通国際情報サービス(ISID)から社名を変更しています。母体となる電通国際情報サービスの歴史は長く、1975年に株式会社電通とアメリカのGEとの合弁で設立されました。
この記事では、電通総研の高い平均年収や職種別の年収、競合他社との比較など、同社の年収事情を詳しく紐解きます。電通総研への転職を検討している方や、年収の動向に興味がある方は必見です。
目次
電通総研の平均年収は1,133万円
有価証券報告書によると、2023年12月31日時点の電通総研の平均年収は1,133万円と非常に高水準です。 直近の平均年収推移や職種別・年齢別、競合他社の平均年収もあわせてみていきましょう。
5年間の平均年収推移
有価証券報告書によると、電通総研の過去5年間の平均年収は以下のとおりです。
年度 | 平均年収 | 平均年齢 |
2023年度 | 1,133万円 | 40.6歳 |
2022年度 | 1,128万円 | 40.9歳 |
2021年度 | 1,057万円 | 41.0歳 |
2020年度 | 1,047万円 | 41.0歳 |
2019年度 | 993万円 | 41.1歳 |
年々平均年収が上がってきており、2020年度からは1,000万円以上をキープしています。平均年齢も徐々に下がってきており、若手の採用にも注力していることが伺えます。
職種別の年収
電通総研の職種別の想定年収の一例を、求人情報を参考にみていきます。
職種 | 想定年収 |
プロジェクトマネージャー/リーダー | 570万〜1,400万円 |
エンジニア(アプリケーション/システム開発) | 570万〜1,400万円 |
アーキテクト | 570万〜1,400万円 |
業務スペシャリスト(パッケージ導入エキスパート) | 570万〜1,400万円 |
営業(セールス・マーケティング) | 570万〜1,170万円 |
コンサルタント | 590万〜1,330万円 |
企画・管理 | 800万〜1,170万円 |
多くの職種が570万円からのスタートです。また、企画・管理系の職種では法務のスペシャリストを募集していて、外部の弁護士との連携や法律相談など高い専門知識を要するためスタート年収が高くなっています。
年齢別の平均年収
口コミのデータを参考に、年齢別の平均年収をみていきます。あくまで、アンケートの回答者による年収なので、会社全体の年齢別年収の限りではありません。
年代 | 年収 | 回答人数 |
25〜29歳 | 581〜950万円 | 9人 |
30〜34歳 | 790〜1,050万円 | 12人 |
35〜39歳 | 831〜1,050万円 | 10人 |
40〜44歳 | 875〜1,200万円 | 6人 |
45〜49歳 | 909〜1,500万円 | 9人 |
50〜54歳 | 1,142〜1,800万円 | 6人 |
年齢とともに年収中央値は上がっています。
- 715万円~/25歳 入社4年目相当
- 920万円~/30歳 入社9年目相当
- 1,200万円~/35歳 入社14年目相当
電通総研の公式サイトに掲載されている年収モデルは、上記のようになっており、入社年数が長くなると年功序列で役職がつき、年収もあがる見込みです。
競合他社の平均年収を比較
他のIT・通信業界の企業の年収と電通総研の年収を比較してみましょう。
会社名 | 平均年収 |
野村総合研究所 | 1,271万円 |
電通総研 | 1,133万円 |
富士通 | 965万円 |
アクセンチュア | 825万円 |
電通総研の平均年収は1,000万円を超えているため、他社と比較しても非常に高い水準であることがわかります。業界全体をみても、国税庁の「令和4年度民間給与実態統計調査」の全国平均年収の458万円万円よりも大きく上回っています。
電通総研に転職希望の方はこちら
▷電通総研に内定実績豊富なエージェントへの相談を希望する
(電通総研をはじめ、大手IT企業に転職希望の方はこちらからご登録ください)
電通総研の年収が高い理由
電通総研の年収が高い理由には、複数の要因があります。まず平均勤続年数が、11.6年と長いことが昇給機会を増やしています。また、業績連動型の高額賞与が年収を大きく押し上げる要因となっています。基本給には40時間分の見込み残業代が含まれており、これも年収を高める一因です。
評価制度は、年功序列と実力主義を組み合わせたハイブリッドシステムを採用。一定年数までは年功序列で昇給が見込め、その後は個人の実力と成果に基づいて評価されるため、優秀な社員には高い報酬が与えられます。企業の好調な業績も、年収を押し上げる要因の一つです。
また、退職金制度がない代わりに、その分が賞与に反映される仕組みとなっています。40代前半でもマネジメント層への昇進が可能で、昇進すれば年収は大幅に増加します。ただし、社員の評価には差があり、年収に満足している人もいれば、退職金や住宅補助がないことに不満を持つ人もいます。
電通総研の評価制度
電通総研での評価は、賞与に大きく影響します。賞与は会社の業績と個人の評価に基づいて変動し、高い業績を上げ、目標数値を達成した社員には高額の賞与が支給されます。
年功序列と実力主義の中間に位置しており、一定の年数までは年功序列で昇進が見込めますが、それ以降は実力と成果に基づいて評価されます。真面目に業務を遂行していれば1年に1ランクずつ昇進し、3ランク上がるごとに役職が変わるシステムです。
半年ごとに設定される目標管理制度も重要です。
- 個人目標の達成
- 事業部や部署ごとの予算達成
- 会社全体の利益
上記を満たすことが求められ、全てをクリアするとボーナスの満額が支給されます。また、コンピテンシー評価として売上や利益の数値だけでなく、知識やスキル、特性を評価する仕組みも導入されています。
一方で、マネージャー層の評価には一部偏りが見られることも事実であり、評価の公平性は改善の余地があるでしょう。
電通総研の事業内容
電通総研(旧:電通国際情報サービス)は、ITコンサルティング、システムインテグレーション、金融ソリューション、製造ソリューション、ビジネスソリューションなど幅広い分野で事業を展開しています。特に、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援するサービスに注力しており、最新のIT技術を駆使したソリューションを提供しています。
電通総研に転職希望の方はこちら
▷電通総研に内定実績豊富なエージェントへの相談を希望する
(電通総研をはじめ、大手IT企業に転職希望の方はこちらからご登録ください)
電通総研は激務?福利厚生と働きやすさ
「電通総研は高年収だから激務なのでは?」と疑問を持つ方も少なくありません。そこで、働きやすさを醸成する福利厚生や社風、離職率の観点から電通総研は激務なのかどうかをみていきましょう。
福利厚生
電通総研は福利厚生も充実しており、生理休暇や育休制度が整備され、女性も働きやすい環境が整っています。具体的には下記のような休暇や制度が導入されています。
- テレワーク勤務制度
- 裁量労働制
- フレックスタイム制
- 育児休業
- 育児時短勤務
- 子の看護休暇
- ベビーシッターの費用補助
- 介護休業
- 介護休暇
- 介護時短勤務
- 家族看護休暇
- リフレッシュ休暇
- リサイクル休暇
- 教養休暇
- ドナー休暇
- 産業医・保健師相談
- 社員相談窓口
- マッサージ など
この他、社員の健康管理にも力を入れており、部署長向けのメンタルヘルス研修 や全社員向けの健康づくりセミナーなども実施しています。
社風
電通総研の社風は、比較的風通しが良いとされています。社内アンケートによると「尊重」と「公正」の項目が高く評価され、2022年11月にGreat Place to Work® Institute Japanより「働きがい認定企業」に認定されています。enライトハウスでの企業カルチャーや組織体制の口コミによると、社員同士のコミュニケーションが活発であり、意見交換がしやすい職場環境であることがうかがえます。
また、電通総研の有給消化率は51.6%となっており、比較的有給が取りやすい環境です。長期休暇を計画的に取得することも可能で、仕事とプライベートのバランスを取りやすくなっています。以上から、働きやすい職場環境が整っているといえるでしょう。
離職率
2023年度の離職率は2.1%(定年や契約期間満了を除く)で、ここ4年は横ばい状態です。離職理由のすべてが自己都合であるため、キャリアアップや家庭の事情などが主な原因と考えられます。特に女性の離職割合が大きいことも特徴です。
電通総研の中途・キャリア採用の募集領域
電通総研では2024年6月現在、以下の部署で中途・キャリア採用を募集しています。
- コンサルタント職
- Xイノベーション本部
- 金融ソリューション事業部
- ビジネスソリューションセグメント
- 製造ソリューション事業部
- コミュニケーションITセグメント
上記の業務内容について詳しく説明します。
コンサルタント職
コンサルタント職は、企業や社会の変革・課題解決に向けた支援を行っています。2024年1月1日には、株式会社ITIDと株式会社ISIDビジネスコンサルティングが統合され、コンサルティング機能が強化されました。これにより、事業領域が拡大し、企業や社会の変革・課題解決に向けた支援がより一貫して行われるようになりました。具体的には、目標抽出、課題の設定、戦略の策定、解決策の実行までの一連のプロセスをサポートしています。
Xイノベーション本部
Xイノベーション本部は、先端技術の活用や実装、新規事業の開発を担う組織であり、高度な専門性を持つIT人材を結集したCoE(Center of Excellence)組織です。ここでは、AIやIoTなどの最新技術を駆使して、新たなビジネスモデルの創出を目指しており、さらに高度な専門性を持つIT人材の獲得と育成にも力を入れています。
金融ソリューション事業部
金融ソリューション事業部の業務内容は、下記のとおりです。
- グローバル化を支援するコアバンキングシステム
- 最先端の金融工学を実装した市場系ソリューション
- 融資やリース業務を最適化するコーポレートファイナンスソリューション
- リテールや法人取引における顧客接点を強化するソリューション など
一般事業会社における金融サービス事業への参入や、金融機関を通じた地域DXの推進についても幅広く支援しています。
ビジネスソリューションセグメント
金融ソリューション事業部と同様に、金融機関および一般事業会社に対するソリューション提供を行っており、グローバル化や地域DXの推進をサポートしています。
製造ソリューション事業部
製造ソリューション事業部の業務内容は、下記のとおりです。
- 戦略的人財マネジメントを支援する統合HCMソリューション「POSITIVE」
- 人事戦略・基盤・分析を連携するトータルHRソリューション「HUMAnalytics」
- グループ統合会計ソリューション「Ci*X(サイクロス)」
- 連結会計ソリューション「STRAVIS」
- 経営管理ソリューション「CCH® Tagetik」など
上記のソリューションは、自社開発ソフトウェアと経験豊富なコンサルタントによる専門的なサービスにより、企業経営の成長に貢献しています。
コミュニケーションITセグメント
コミュニケーションITセグメントの業務内容は、下記のとおりです。
- 企業におけるバリューチェーン全体を最適化する各種ソリューション
- 行政機関の手続き・業務のデジタル化を支援するソフトウェア・サービス
多くの企業の事業活動を支える各種システムの構築や運用の経験を活かし、企業や社会の課題解決を支援しています。また、電通グループ各社との協業によるマーケティング領域の融合により、テクノロジーの力でより効果的なソリューションを提供しています。
電通総研に転職希望の方はこちら
▷電通総研に内定実績豊富なエージェントへの相談を希望する
(電通総研をはじめ、大手IT企業に転職希望の方はこちらからご登録ください)
電通総研の転職難易度
電通総研への転職難易度は「やや高い」でしょう。求められるスキルや経験のレベルは高く、実務経験が重視されます。しかし、中途採用の募集人数が比較的多いわりに応募者の数はそこまで多くありません。
求職者にとっては、難易度が高い一方で、チャンスも多いということです。特に専門的なスキルや経験を持つプロフェッショナルにとっては、電通総研は挑戦する価値のある企業といえるでしょう。
電通総研の転職でよくある質問
電通総研への転職を検討する際によくある質問に回答していきます。
電通総研の採用大学は?
電通総研の採用大学は、国立大学やMARCHIなどさまざまな大学の採用実績があり、中途採用では高卒でも受け入れています。
電通総研はホワイト企業?
電通総研は福利厚生が充実しており、どんな人も働きやすい環境が整えられていることからホワイト企業といえます。プロジェクトによって残業時間が多くなることもありますが、基本的には自らの裁量で自由にコントロールできる環境です。また、離職率を見ると、2023年度の離職率は2.1%(定年や契約期間満了を除く)であり、この低さは安定した職場環境であることを示しています。
電通総研の転職はエージェントファインダーへ
電通総研の転職を希望する方は、【エージェントファインダー】への登録が内定の近道となります。エージェントファインダーは内定実績豊富なヘッドハンターだけをご紹介するエージェントマッチングサービスです。
電通総研をはじめとするITコンサルティング業界への転職を検討されている方は、優秀なエージェントの伴走で効率的に転職を成功させましょう。ご希望に応じたヘッドハンターを紹介させていただきます。