2022年2月、米国のアマゾンドットコムが、ホワイトカラーの年収「上限」を35万ドル(約4000万円)まで引き上げると報じ、話題となりました。
これまでの上限は16万ドル(約2000万円)だったので、2倍です。競争が激しい労働市場で、アマゾンが本気で優秀な人材を確保しようとしていることが十二分に伝わるメッセージではないでしょうか。米国のアマゾンのみならず、世界の大半のポストで報酬をあげることも明らかにされています。 そんな転職先としても大注目のアマゾンですが、日本法人のアマゾンジャパンではどれくらいの年収をもらえるのでしょうか。 本記事では、Amazonの日本法人、「アマゾンジャパン」の平均年収や昇給のポイントについて詳細をお伝えします。外資系企業ならではの給与システムにより少々複雑な部分がありますが、給与テーブルから昇給・昇格システムまでをわかりやすく解説していきます。 |
目次
アマゾンジャパンの年収はどのように決まるのか
アマゾンジャパンでは3つの要素の掛け合わせによって給与レンジが設定されています。
- ビジネス部門
- 職種コード
- ジョブレベル
アマゾンジャパンの職種コード
いわゆる総合職、一般職という大まかな分類ではなく、担当業務によって細かく分かれています。
- マーケティング
- アカウントマネジメント
- クリエイティブ
- プロジェクトマネジメント
- サプライチェーン
- エンジニア
- 倉庫オペレーション
- ファイナンス
- カスタマーサービス
- 人事
など
アマゾンジャパンのジョブレベル
アマゾンジャパンでは、業務経験やコンピテンシーに応じて決定される「ジョブレベル」というヒエラルキー構造があります。
年齢とジョブレベルは紐づいておらず、また同じジョブレベルで採用された場合でも所属ビジネス部門や職種によって給与レンジが異なります。
中でもエンジニア、プロジェクトマネージャー、マーケティングやアナリストなどの専門職は、他の職種に対し給与設定が比較的高めなケースが多いです。
アマゾン「ジョブレベル」別、平均年収
アマゾンジャパンのジョブレベルは1からレベル8まであります。
レベル1~3がパート・契約社員で時給1,000円~1,200円で就業している場合がほとんどで、その中でもレベル3は契約社員として採用されることが多いです。年収にすると300万円~400万円となります。
正社員はレベル4以上(一部レベル3もあります)として採用されるケースが多く、新卒はこのレベルで採用されます。年収レンジは400万円~600万円程度です。
中途採用はジョブレベル4~6
中途採用は経験によりレベル4~6で採用されるケースが多く、年収レンジは以下のように分かれています。
ジョブレベル | 経験年数 | 平均年収 |
レベル4 | 5年未満 | 400~600万円 |
レベル5 | 5~10年 | 600~900万円 |
レベル6 | 10年以上 | 900~1,200万円 |
レベル5以上での採用となる場合は、一定人数の部下を持ち人事管理を行う「ピープルマネジメント」業務が含まれるか否かで、年収が100万円程度変わる場合があります。
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エージェントファインダー
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アマゾンジャパン中途採用者の年収実績
アマゾンジャパンが中途採用をした転職者の前職と年収実績は以下の通りです。
前職 | アマゾンでの年収 | |
Aさん 27歳 | 楽天 | 750万 |
Bさん 36歳 | 豊田通商 | 1200万 |
Cさん 43歳 | ミスミ | 1350万 |
アマゾンジャパンの給与制度の特徴:自社株付与制
アマゾンジャパンの給与は以下の2つで構成されています。
- A:現金で支払われる部分
- B:自社株(米国アマゾン株)の付与により支払われる部分
内定時に提示される額面年収は、AとBを合計した想定年収となり、株価によっては想定年収を大きく超えることもあります。
株による給与支給は日本ではあまり馴染みがありませんが、アメリカや欧米ではよくあるビジネス慣習であり、特に経営層になると大部分を株で支給してもらいたいと考える方も多いです。
株価の変動により想定年収を大きく超える収入を得られる可能性があるからです。
自社株は4年かけて付与される
自社株付与の特徴として、内定時に提示される付与予定株数は内定時に全て付与されるものではなく、提示された株数を4年かけて少しずつ付与されるという点が挙げられます。
まず勤務1年が満了すると提示数の5%、2年満了時に15%、その後は3年・4年満了時にそれぞれ40%(6ケ月ごとに20%付与されるため、1年間の付与割合としては40%となる)という仕組みです。
付与された株は株価を確認しながら、売却して現金化したり保有したりと、運用方法はご本人次第です。
アマゾンジャパン昇給の仕組み
アマゾンジャパンの人事査定は年2回あり、4月と10月に昇給の機会があります。
ジョブレベルが上がるような大きな昇給と、ジョブレベルが上がるほどではない昇給の2つのケースがあります。
ジョブレベルが上がらない場合の昇給幅としては年収レベルで10~30万円程度が一般的なようです。
年2回の査定両方に
- リーダーシッププリンシプルに基づいた評価
- 360度評価
を導入しています。それぞれについて以下で詳しく解説します。
アマゾンが大切にするリーダーシッププリンシプル
Amazon社は世界共通で「Our Leadership Principles」という、14項目からなる信条を社訓として掲げ、大切にしています。以下がその全容です。
1. Customer Obsession
リーダーはお客様を起点に考え行動します。お客様から信頼を獲得し、維持していくために全力を尽くします。
リーダーは競合にも注意は払いますが、何よりもお客様を中心に考えることにこだわります。
2.Ownership
リーダーにはオーナーシップが必要です。リーダーは長期的視点で考え、短期的な結果のために、長期的な価値を犠牲にしません。
リーダーは自分のチームだけでなく、会社全体のために行動します。リーダーは「それは私の仕事ではありません」とは決して口にしません。
3.Invent and Simplify
リーダーはチームにイノベーション(革新)とインベンション(創造)を求め、同時に常にシンプルな方法を模索します。
リーダーは状況の変化に注意を払い、あらゆる場から新しいアイデアを探しだします。それは、自分たちが生み出したものだけに限りません。
私たちは新しいアイデアを実行に移す時、長期間にわたり外部に誤解される可能性があることも受け入れます。
4.Are Right, A Lot
リーダーは多くの場合、正しい判断を行います。 優れた判断力と、経験に裏打ちされた直感を備えています。
リーダーは多様な考え方を追求し、自らの考えを反証することもいといません。
5.Learn and Be Curious
リーダーは常に学び、自分自身を向上させ続けます。新たな可能性に好奇心を持ち、探求します。
6.Hire and Develop The Best
リーダーはすべての採用や昇進における、評価の基準を引き上げます。
優れた才能を持つ人材を見極め、組織全体のために積極的に活用します。
リーダー自身が他のリーダーを育成し、コーチングに真剣に取り組みます。
私たちはすべての社員がさらに成長するための新しいメカニズムを創り出します。
7.Insist on the Highest Standards
リーダーは常に高い水準を追求することにこだわります。多くの人にとり、この水準は高すぎると感じられるかもしれません。
リーダーは継続的に求める水準を引き上げ、チームがより品質の高い商品やサービス、プロセスを実現できるように推進します。
リーダーは水準を満たさないものは実行せず、問題が起こった際は確実に解決し、再び同じ問題が起きないように改善策を講じます。
8.Think Big
狭い視野で思考すると、大きな結果を得ることはできません。リーダーは大胆な方針と方向性を示すことによって成果を出します。
リーダーはお客様のために従来と異なる新しい視点を持ち、あらゆる可能性を模索します。
9.Bias for Action
ビジネスではスピードが重要です。多くの意思決定や行動はやり直すことができるため、大がかりな検討を必要としません。
計算した上でリスクを取ることに価値があります。
10.Frugality
私たちはより少ないリソースでより多くのことを実現します。倹約の精神は創意工夫、自立心、発明を育む源になります。
スタッフの人数、予算、固定費は多ければよいというものではありません。
11.Earn Trust
リーダーは注意深く耳を傾け、率直に話し、相手に対し敬意をもって接します。
たとえ気まずい思いをすることがあっても間違いは素直に認め、自分やチームの間違いを正当化しません。
リーダーは常に自らを最高水準と比較し、評価します。
12.Dive Deep
リーダーは常にすべての業務に気を配り、詳細な点についても把握します。
頻繁に現状を確認し、指標と個別の事例が合致していないときには疑問を呈します。
リーダーが関わるに値しない業務はありません。
13.Have Backbone; Disagree and Commit
リーダーは同意できない場合には、敬意をもって異議を唱えなければなりません。
たとえそうすることが面倒で労力を要することであっても、例外はありません。
リーダーは、信念を持ち、容易にあきらめません。安易に妥協して馴れ合うことはしません。
しかし、いざ決定がなされたら、全面的にコミットして取り組みます。
14.Deliver Results
リーダーはビジネス上の重要なインプットにフォーカスし、適正な品質で迅速に実行します。
たとえ困難なことがあっても、立ち向かい、決して妥協しません。
「社員全員がリーダーである」という考え方で、この社訓に従って行動することを求められます。
この14項目に照らし合わせながら、本人の実績や強み、これから伸ばしていきたいスキル面などを評価していきます。
360度評価
自己評価や直属の上司の評価だけではなく、同僚や業務上やりとりをする他部門の担当者を巻き込んで、リーダーシッププリンシプルを基準に対象者を様々な視点から細かく評価します。
この結果を総合的に判断し、昇給へ反映させるシステムとなっています。
リーダーシッププリンシプルと360度評価で常に評価される
上司がある部下を昇格させたい場合も評価時と同様、リーダーシッププリンシプルに基づき、推薦書を作成します。
同時に、対象者の働き方を良く知る複数の担当者へ同様の推薦書作成を依頼します。
多くの人が時間を割いて推薦書を作成し、承認されてはじめて対象者は昇格することができます。
それぞれのジョブレベルはリーダーシッププリンシプルに基づき、求められる役割やコンピテンシーが定められています。
その内容に対して、対象者の実績やポテンシャルを複数の人間が推薦していくのが特徴です。
担当業務やジョブレベルが上がると年収レベルでは目安として30~150万円程度アップします。
アマゾンで年収が伸びる人の特徴
アマゾンジャパンに入社後、年収を伸ばせるのは個人の目標を達成するのはもちろんのこと、自分の職責を越えて、自発的に所属チームをリードし、貢献した実績がある人です。
自分の仕事に限定されず自発性を持って何事にも積極的に取り組む姿勢、また発信をしていくことが必須条件となります。
そのような姿勢で業務に向きあう方には様々なキャリアチャンスが与えられ、結果的に昇格(=年収アップ)を実現していくことができます。
アマゾンジャパンへの転職に選ばれているサービス
アマゾンへの内定実績トップクラスのエージェントを紹介してくれるサービス
エージェントファインダー
(アマゾンや外資IT志望の方向け)
入社時期や年齢は関係ない!スピーディーな評価制度で短期間の年収アップも
年収については、人それぞれにより昇給・昇格のスピードが異なりますが中には入社1年というかなり早い段階で昇格するケースもあります。
例えば筆者が知るアマゾンジャパンの社員の中には、入社2年目早々でジョブレベルが1つ上がり、年収としては100万円程度アップしたそうです。
短期間に年収が大幅にアップした要因は個人としての目標達成はもちろんのこと、
- それまで導入されていなかった新たな業務プロセスの導入をリードした
- 既存プロセスの改善を行った
- チームへの教育などを進んで行った
など、様々な取り組みが評価され、早い段階での昇格を実現することができたそうです。
また、推薦者である上司やビジネスパートナーと良好な関係を構築できていたことも、早期の昇格につながったのではという声もあがっています。
アマゾンジャパンでは、入社時期や年齢に関わらず、実績に応じてしっかりスピーディーに評価してもらえるシステムにより短期間で年収アップを実現することが可能です。
アマゾンジャパンの年収まとめ
アマゾンジャパンは社訓となっている「リーダーシッププリンシプル」を最重要価値と定めており、人材採用のプロセス、入社後の業務の進め方から評価プロセスに至るまで、多くの場面で判断基準としています。
目標達成に向けてスピード感を持って行動をすることはもちろん、自分の職責を越えていかに自発的に業務に対応し、周囲を巻き込みながら価値提供をしていくかが重要視されています。
アマゾンジャパンへの転職を希望されている方は、「リーダーシッププリンシプル」の内容をしっかりと押さえた上でご自身の経歴や実績を整理されてみることをおすすめします。
アマゾンジャパンへ転職するには
アマゾンジャパンへの転職を希望する方は、同社への内定実績を豊富に持つ転職エージェントに相談するようにしましょう。 内定実績が豊富なエージェントは採用ターゲットを熟知していますし、過去の面接内容や面接官の情報に基づいた面接対策をしてくれるので内定確度が上がります。
アマゾンジャパンの志望度が高い方は是非、以下のサービス【エージェントファインダー】にご登録ください。実績豊富なエージェントを紹介させていただきます。