国内第2位の広告代理店・株式会社博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ。 新卒市場でも中途市場でも、人気企業ランキングの常連です。今回は、そんな博報堂/博報堂DYメディアパートナーズにおける女性社員の働きやすさ・活躍のしやすさについて、正社員として5年間在籍していた筆者がご紹介します。広告業界と聞くと、激務で時間の自由がないイメージや、いまだに男社会というイメージが強かったりする方も多いのではないでしょうか。 実際のところはどうなのか、博報堂の制度や現場の雰囲気のリアルまで触れていきます。 |
目次
博報堂の女性社員の活躍状況
1895年に創設されてから、出版社やテレビ・ラジオ局などのメディア、大手メーカーを初めとするナショナルクライアントと共に成長をしてきた株式会社博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ。
これまではその頃から続くその他の多くの企業と同様に、昭和時代からの「男性中心」の風土での運営が長かったようです。
とはいえ時代に合わせ、博報堂は率先して変化を起こしています。
現在の男女比率は、男性が6~7割、女性が3~4割。社内には大勢の女性社員がいて、生き生きと活躍しています。
女性社員の人数が増えるのに応じて、女性の昇進も進んでいます。
2019年現在、女性役職者の割合は、株式会社博報堂では7.1%、株式会社博報堂DYメディアパートナーズでは4.4%となっています。
また2015年には初の女性役員も選出されています。
優秀な社員であれば、男女関係なく昇進のチャンスを手にすることができる風土です。
女性が活躍するようになったきっかけ
昨今の女性活躍推進という文脈から、ジェンダー・社会的性差について論じられる場面が増え、
「男性が働き、女性が家事全般をする」という従来の日本的な価値観が見直される中、博報堂もその流れにしっかり適応しているように思います。
新卒採用の女性社員比率も年々増加しており、筆者が入社した5年前は新卒採用の女性比率は2-3割ほどでしたが、直近では5割に迫るほど増加しています。
女性社員が活躍できる土壌が整ったことによる、会社の方針転換の表れと言えるでしょう。
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博報堂の女性の働きやすさ
冒頭でも触れましたが、広告代理店というと激務なイメージがあるかもしれません。実際のワークライフバランスはどうなのか、筆者の経験をもとにお話しします。
ワークライフバランス
結論から申し上げますと、繁忙期以外は比較的ワークライフバランスは良好でした。
博報堂の社員は、入社3年目で「時間管理制」から「裁量労働制」へと形態が切り替えられます。
つまり新入社員のうちは、定時出社や残業時間の管理が求められますが、この期間を過ぎると、労働時間に関しては比較的自由になります。
昼前に出勤する人や、用事に合わせて早めに帰る日を作っている人などもいて、個人の裁量でスケジュールをカスタマイズすることができるのです。
一方、繁忙期はそのバランスが崩れます。筆者も連日、2~3時まで作業に追われることもありました。
クライアントビジネスなので、個人の予定や体調などの事情を優先することも難しく、プライベートの時間を削って働いていました。
筆者のいた部署では四半期に数日間、そのような時期が訪れました。
「繁忙期が頻繁にある部署」「繁忙期がほとんどない部署」という差はクライアントやその業界次第ですので、ワークライフバランスを重要視する場合は、人事に相談し、配属を工夫してもらうこともひとつの手でしょう。
なお、最近では、会社もワークライフバランスをとても重視しており、様々な改革に着手しています。
例えば、面白い取り組みとしてはパソコンで行う単純作業をロボットプログラムが行うようなシステム整備も進められています。一部業務をAIに代替させ、業務過多を防ぐ狙いです。
リモートワーク
リモートワークも、ここ数年でかなりの勢いで浸透しています。
広告代理店は、得意先に訪問することが多い業界です。そのため、得意先と会社を往復することが多いのですが、最近では、むやみに往復しなくても済むように得意先の所在地付近にサテライトオフィスを作るケースが増えています。
それに伴い、かつては社内ネットワーク経由でしか利用できなかった様々なシステムが、モバイルPCでアクセスできるよう整備されています。
ただし、リモートワークの浸透度合いは、チームによって大きく異なります。
筆者のいた部署は比較的個人で調整できる仕事が多かったので、状況に応じて上長に相談し、自宅や出先のワーキングスペースなどで作業をしていました。
一方、他部署の同期に話を聞くと「7,8人のチームで常にみんなで仕事をするスタイルでリモートは難しい」と話していました。
このように浸透の度合いに差はありますが、新しい働き方を追求しようという姿勢が強く、個人の希望や提案には聞く耳を持つ会社なので今後は変わっていくことが期待できるでしょう。
女性を支援する制度
次に、博報堂/博報堂DYメディアパートナーズの産休育休取得率・復帰率をご紹介します。
2019年3月期のデータでは、育児休業取得者数は90人・復職率は71.1%でした。
産休・育休は制度として整っていますし、7割が職場復帰をしています。
2018年には、博報堂の近所であるTBSテレビとの合同保育園も運営が開始されています。
子連れ出勤制度などはありませんが、職場のすぐ近くで子どもを預けることができるので安心して利用することができます。
なお、生理休暇は月に1回、無給ではありますが取得可能です。ただし、これは形骸化していたように感じます。
筆者の周囲で利用している人はおらず、申請してNGになることはないと思いますが、申請しにくい雰囲気だったように思います。
女性の意見を積極的に取り入れる従業員組合と博報堂大学
博報堂には、女性の意見を積極的に取り入れる風土や仕組みがあります。
筆者の経験では、社内にある「従業員組合」や社内大学「博報堂大学」での研究などが大きく役に立っていたように思います。
例えば若い世代のために、従業員組合があらゆるケアをするように機能しています。
組合を運営している幹部メンバーには女性も3-4割いて、生理休暇が取りにくい、結婚後のキャリアへの影響が心配…などの相談にも親身に乗ってくれます。
また、「博報堂大学*」という企業内大学では、ここ数年、女性のキャリア研究にも力を入れています。
昨今、商談の中でクライアントから、「ワーキングマザー」や「女性管理職」などへの商品アプローチをクライアントに求められるケースが増えたためです。
ここで得た意見は、クライアント提案の材料にもなりますが、同時に社内環境の改善にも役立てられます。
この枠組みの中で、実際に博報堂の女性社員がヒアリングを受けることも多くありました。
個人レベルで意見を吸い上げてくれるので、声を大にして言いにくい、女性ならではの意見も反映されていくのです。
* 博報堂大学:HAKUHODO UNIV.(通称:博報堂大学)は、「クリエイティブな博報堂」をビジョンにして、2005年4月に設立された企業内大学です。
育休復帰のリアル
筆者が2017年頃に同じ部署にいた、当時入社5年目の女性社員の産休・育休事例を紹介します。
彼女は、現在復帰し、子育てをしながらフルタイムで働いています。
博報堂にはワクワクする仕事が沢山あるので、彼女も復帰を待ち望んでいたといいます。
しかし実際に復帰すると、共働きのため子どもの発熱など急な休暇が必要になる状況もありました。
その時、チームの上司はとても寛容で「出来ることは皆で協力する」と、育児を最優先するようにチーム内の雰囲気を確立していました。
中には子育てとの両立への風当たりに苦戦している女性社員もおり、これが職場復帰率7割、復帰をしない女性社員が3割という数字に表れていると言えるでしょう。
理解ある上司・チームの下で働けるかは運次第の面もありますが、ここまででお伝えしたように、博報堂は世の中の風潮にとても敏感な会社です。
今後部署によるワーキングマザーへの対応の差は改善されていくように感じています。
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博報堂で女性が出世するには
次に、博報堂で女性が出世していくための評価制度やキャリアパスについて触れたいと思います。
会社の評価制度
博報堂の評価制度は、「ランク査定」で表されます。
年に2回ほど所属局長と行う面談でこのランクが決定します。
現場のリーダーからの評価や、どれだけ収益をあげたか、得意先からの評判、業務への姿勢などを材料に、複合的に判断されます。
当然、この評価に性別のバイアスはかかりませんし、女性だからといって不平等なコメントを受けた経験もありません。
また、妊娠初期に不調があり一部業務に支障をきたしたという知人がいましたが、ランク査定ではそのような事情は汲み取ってくれたと言っていました。
ワーキングマザーが選ぶ時短
博報堂を構成している社員は、正社員と契約社員、グループ会社や外部のスタッフ、派遣スタッフに分かれます。
正社員で入社した場合、育児との両立に苦戦しても、雇用契約の形態を変更するケースは稀です。
給与レンジが異なる上、再度正社員に戻ることが難しいためです。
そのため、多くの女性社員は時短勤務を選んでいます。私の周囲には6人ワーキングマザーがいて、うち3人が時短勤務を取っていました。
勤務時間は応相談で、事情に合わせて上長等と取り決めが可能だそうですが、彼女たち3人は10:30~15:30で勤務していました。
実際に年収が上がった女性社員の例
先に書いたように、「女性だから査定が低くなる」ということはありません。
ただし、子育てなどで業務に割ける時間が大きく減る場合は、案件へのコミットがどうしても減ってしまうため、出世に影響することはあります。
この点は、所属部長や局長の考え方に依るところが大きいです。
筆者の先輩社員は、子どもが幼いころは、仕事へのコミットが減ってしまい給与も伸び悩んだと言いますが、育児に手がかかる期間を過ぎて業務へのコミット度合いが元に戻れば、評価や年収の伸び率は、きちんと適正に戻ったと話していました。
博報堂の女性の働きやすさは、ここ数年で劇的に進化
博報堂/博報堂DYメディアパートナーズでの女性の働きやすさや活躍について、元社員の目線で紹介しました。
チームや部署によって足並みが揃っていないなど、改善の余地はありますが博報堂は、世の中のトレンドを作る企業です。
世の中の変化に順応し、女性社員の声も吸い上げながら、女性が柔軟に働ける会社へと進化を始めていると言えるでしょう。
この記事のまとめ
☑社内には大勢の女性社員がいて、生き生きと活躍している
☑繁忙期以外は比較的ワークライフバランスは良好
☑女性を支援する制度や女性の意見を積極的に取り入れる風土や仕組みがある
博報堂へ転職するには
博報堂への転職を実現する上で大切なポイントは、転職エージェントの利用です。転職エージェントならどこでも良いわけではなく、博報堂の内定実績を豊富に持つエージェントに相談するようにしましょう。 内定実績が豊富なエージェントは採用ターゲットを熟知していますし、過去の面接内容や面接官の情報に基づいた面接対策をしてくれるので内定確度が上がります。