パナソニックの平均年収や役職/年齢別の給料事情を元社員が解説!

国内最大手の電器メーカーとして知られるパナソニック株式会社。
松下幸之助さんが大阪に開業した小さな町工場がスタートだったことは、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
奥様と奥様の弟さんの3人で始めた小さな会社が、100年の時を経て全世界に27万人もの社員を有する巨大なグローバル企業へと成長しました。テレビCMで目にしない日は無いほどの有名企業であり、日本を代表するグローバル・メーカーの1つと言えます。今回は、パナソニックグループ全体として社員の年収はどれくらいなのか、どのような評価基準があるのか、筆者の勤務経験に基づいて解説します。

なお、現在パナソニックでは「カンパニー制」を導入しており、筆者はパナソニックライフソリューション社に在籍していました。
カンパニー間で評価制度の差異はありませんでした。

パナソニックの平均年収は759万円

グローバル企業であるパナソニックの年収は、高いのでしょうか?低いのでしょうか?

パナソニックグループ全体の最新の有価証券報告書(2022年3月31日現在)によると、平均年収と平均年齢は以下の通りです。

従業員数 平均年齢 平均勤続年数 平均年収
55,088人 45.7歳 22.5年 758万6608

転職者アンケートを実施した年収調査でも、平均年収は730万円(回答者:15人)となっており、公表データと大きな乖離はありませんでした。(2023年11月現在)

参考までに、過去5年間の平均年収は以下の通りです。

年度 平均年収
2020年度 744万円
2019年度 755万円
2018年度 774万円
2017年度 768万円
2016年度 781万円

過去5年間の平均年収の推移を見ると、年収は700万円台で推移していることがわかります。
多少の上下はあるものの、安定した年収と言えます。

 

パナソニックの職種別平均年収

転職者アンケートによると、パナソニックの職種別平均年収は上から順に以下の通りでした。(2023年11月現在)

職種 回答者数 年収範囲 平均年収
企画 11人 360~1250万円 820万円
技術 15人 360~1180万円 762万円
開発 12人 350~1350万円 744万円
研究開発 10人 360~1440万円 717万円
営業 15人 400~1315万円 668万円

企画職の平均年収が一番高く820万円、営業職の平均年収が一番低く668万円という結果でした。

 

パナソニック転職者の年収

参考までに、パナソニック転職者の年齢と前職、年収は以下の通りです。

前職 年齢 パナソニックでの年収
東芝 28歳 600万
富士ゼロックス 31歳 630万
三菱電機 39歳 700万

 

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パナソニック、競合他社との年収比較

パナソニックは競合と比べて年収は高いのでしょうか。ここでは日本を代表する大手電機メーカー4社で年収を比較してみました。結果、パナソニックは4社中4位という結果になりました。

順位 社名 年度 平均年収 平均年齢
1位 ソニー 2021年度 1084.5万円 42.6歳
2位 日立製作所 2021年度 896万円円 42.7歳
3位 三菱電機 2021年度 806.7万円 41.1歳
4位 パナソニックホールディングス 2021年度 758.6万円 45.7歳

 

パナソニック年収の内訳と賞与(ボーナス)

ここからはパナソニックの年収構成について詳しく解説します。

パナソニックの年収は、以下で構成されています。

基本給+賞与+時間外手当+その他諸手当=年収

直近数年間の賞与・ボーナスの支給について社員数名にヒアリングしたところ、以下の通りでした。

  • 夏・冬の年2回支給
  • 直近では概ね月収の4ケ月分がボーナスとして支給

700万円の年収を想定すると、月収約44万円で、賞与が180万円弱という事になります。
時間外手当は概ね30時間分の支給が一般的です。

通勤手当、住宅手当等の手当の他、お仕着せの福利厚生ではなく、カフェテリアプランが導入されている為、社員一人ひとりがオリジナルな福利厚生プランを選択できます。

 

パナソニックの役職別/年齢別の年収

続いて、パナソニックの役職/年齢別の年収をご紹介します。
年収が1000万を超えるのは、管理職クラスからということがわかります。

 

パナソニックの役職別年収

主任(B)クラス 700~800万円
課長(C)クラス 1,100~1,200万円
部長(P)クラス 1,300~1,500万円

*社員複数名へのインタビューにより作成。複数の口コミサイトと乖離なし

 

パナソニックの年齢別年収

20代 550万円
30代 750万円
40代 870万円
50代 950万円

*社員複数名へのインタビューにより作成。複数の口コミサイトと乖離なし

 

パナソニックで年収UPに欠かせない評価制度


パナソニックで年収をアップさせるにはどうしたら良いのでしょうか。
ここでは年収アップに欠かせない評価内容を解説します。

 

パナソニックで年収を決定する1on1ミーティング

パナソニックでは、直属の上司と部下が一対一で向き合って、与えられた業務ミッションの成果やプロセス、不安・不満や夢・希望等を、忌憚無く語り合う1on1ミーティングという伝統的な制度があります。

課長は課の部下全員を、部長は課長全員を面接するという仕組みです。

この制度では、前期の課題から今期の業績やスキル目標を自己申告し、期中にその成果の進捗を、直属上司と部下で確認し合います

全ては業績やスキル目標を期中に達成する為に行われるもので、直属上司と部下が納得して課題を認識し業務改善する、伝統的かつ社風に合った制度として古くから継続されています。

この面談は数か月に1回行われます。

 

年収は最終的に査定で決まる

成果を最終評価するタイミングで、直属上司は自己申告した部下の目標の達成度合いとプロセスを判断し、査定を行います。
直属上司は全ての部下の査定を行い、レポートラインに上申し、最終評価決定者が判断します。

かつては書面のやり取りで行われていましたが、現在は社内イントラで行われており、査定結果は年に1回、社員全員が自分の査定結果を確認できる社内イントラから確認できる仕組みになっています。

従来は評価の結果、社内ステイタスと呼ばれる社員資格が付与され、主任、主事、副参事、参事、副理事、理事などと呼称されていました。

 

パナソニックで年収ランクを決めるA Better Dialog

パナソニックの年収は、B、C、Pというアルファベット一文字で表現され、それぞれに数字でランクがつけられるA Better Dialog(通称ABD)という仕組みで運営されています。

主任から部長までの社内ステイタスが、現在ではB3、B2、B1、C2、C1、P10、P3と職務レベルとして7段階に格付けされています。
(この名称や数字の割り振り方については特に意味はなく、Bは3段階、Cは2段階、Pは2段階となっています。)

業績達成度、職制としてのミッション完遂度、部下の指導内容等が総合的に判断されてランク付けされます

1年に1回ABDで査定された結果に基づいて基本給が決まるので、年収をアップさせるにはこの査定で高評価を得る必要があります。

基本的には毎年、年収は若干上がります
その評価基準は、直属上司と共に合意した今期の業績目標を達成したか否かに関わってきます。
必然的に、事業計画と当期の事業方針に基づいて、各社員がその計画と方針を実現する為にブレイクダウンされた目標が設定されます。

つまり、パナソニックとしての当期目標に、各社員が各部署でのミッションを如何に達成したかという事が、複数の上司査定により行われる仕組みになっています。

 

パナソニックでの年収アップ事例、ダウン事例

ここではパナソニックでのリアルな年収アップ(昇給)事例、ダウン(減給)事例として、筆者のケースをお伝えしたいと思います。

 

年収が上がった例

いわゆる平社員から課長になり、部長になりという、大きなステップ(キャリア)アップのタイミングで、年収も連動して一気に増えます。
弊職の場合は課長前年収から課長になった年の年収では200万円上昇しました。

ですから、年収を上げる為には、確実にマネージャーになる事が求められます
いかにしてマネージャーになるかは、後述の「年収に影響する評価」で解説します。
そのタイミング以外は概ね平準化していますが、やはり業績によっては賞与の上下があり、浮き沈みはあります。

会社としての全体的な業績と当然連動しますが、カンパニー毎の業績によっても賞与は変動します。
つまり、会社全体は黒字でも、カンパニーが赤字の場合は、賞与は減額されます。

 

年収が下がった例

筆者の経験ですが、ある年のこと会社全体は黒字でも所属しているカンパニーが赤字に陥ってしまい、年2回の賞与が1回しか支給されなかった事がありました。
しかも支払われた1回も極端に減額され、家計を直撃した記憶があります。

年間で2百数十万円あった賞与の一回(半分)は支給されず、残りの百数十万円が半分の数十万円だったのです。

巨大企業ですから、このように会社全体業績とカンパニーの業績が捻じれるケースがあります。
その際にはたとえ全社業績が好調でも、給料が減ってしまう事もあります。

 

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パナソニックで年収を上げるには

パナソニックで年収を上げるには、当期の全社方針に即して、部署のミッション、個人のミッションを確実にこなして、成果を上げる必要があります。

全社方針を咀嚼して、ロジカルに業務ミッションを構築し、最適プロセスで業務を遂行する人が評価されます。そしてこの評価に応じて役職もアップしていきます。

また、パナソニックはメーカーなので、必然的に1つの製品を作り上げるために多くの部署が連携して業務を遂行します。
大所帯の企業ですので、様々な価値観や職能を持った社員と良好なコミュニケーションをとれる人が自ずと評価されます。

 

パナソニックが求める人物像

パナソニックでは、古くから「言い出しっぺ会社」と言われています。
何かを発案した人には先ず、「やってみなはれ」とトライさせた創業者の松下幸之助さんの考え方が浸透しています。

大阪の小さな町工場だったパナソニックが世界的な電器メーカーに成長したのは、新しい商品作りに果敢に取組んだからに他なりません。
つまり新製品開発に果敢にチャレンジして来た結果、今があります。

グローバル企業であるがゆえに大企業に憧れる就職希望者が多いですが、名前だけで志望をする転職者を採用することはまずないでしょう。
「この会社でこそ、自らのチャレンジ精神を発揮できる」という強い想いを持った意欲的な人材が求められています。

日本の家電業界を先導して来たパナソニックですが、グローバル化が進んだ今、世界中の競争相手とのし烈な戦いを強いられ、BtoCの家電事業以外にも取り組んでいます。

100年の歴史と伝統を守りながら、積極的に新たな事業を構築できる意欲的な人材が今のパナソニックに求められている人材と言えるでしょう。

今回ご紹介した年収や評価基準を参考に、ご自身がパナソニックに見合った人材であるという確固たる自信を持って、応募されてはいかがでしょうか。

 

パナソニックへ転職するには

パナソニックへ転職を希望する方は、同社への内定実績を豊富に持つエージェントに相談するようにしましょう。
内定実績が豊富なエージェントは採用ターゲットを熟知していますし、過去の面接内容や面接官の情報に基づいた面接対策をしてくれるので内定確度が上がります。

パナソニックの志望度が高い方は是非、エージェントマッチングサービスの【エージェントファインダー】にご登録ください。パナソニックへ豊富な内定実績を持つ転職エージェントをご紹介させていただきます。

 

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