2020年1月に東洋経済オンラインで発表された「平均年収 全国トップ500社最新ランキング」。上位3社が平均年収2000万を超え、SNSでも話題となりました。またその顔ぶれは7年前に同社より発表されたランキングからは変化が見られました。
わずか7年という歳月でどのような変化があったのでしょうか。
人気企業のリアルな情報をお伝えしている転職picksでは、ランキングの変化や、現在ランキング上位を占めている企業群を中心に、なぜ年収がこれほどまでに高いのか、転職難易度はどれくらいなのかをお伝えします。
またランキング上位の高年収企業への転職におすすめのサービスもご紹介しているので、参考にしてみてください。
目次
2020年度版、平均年収全国トップ500社最新ランキング
東洋経済オンラインが2020年1月に発表した平均年収全国トップ500社最新ランキングのうち、上位15社は以下の通りです。
順位 | 社名 | 平均年収(万円) | 平均年齢 | 本社所在地 |
1 | M&Aキャピタルパートナーズ | 2,478 | 31.1 | 東京都 |
2 | キーエンス | 2,110 | 35.8 | 大阪府 |
3 | GCA | 2,063 | 37.9 | 東京都 |
4 | ヒューリック | 1,636 | 39.8 | 東京都 |
5 | 三菱商事 | 1,607 | 42.5 | 東京都 |
6 | ストライク | 1,539 | 36.2 | 東京都 |
7 | 伊藤忠商事 | 1,520 | 41.7 | 大阪府 |
8 | 日本商業開発 | 1,501 | 41.7 | 大阪府 |
9 | ソレイジア・ファーマ | 1,460 | 48.4 | 東京都 |
10 | 三井物産 | 1,430 | 42.2 | 東京都 |
11 | 日本M&Aセンター | 1,413 | 35.1 | 東京都 |
12 | フロンティア・マネジメント | 1,398 | 38.5 | 東京都 |
13 | 丸紅 | 1,389 | 41.9 | 東京都 |
〃 | 住友商事 | 1,389 | 42.6 | 東京都 |
15 | テレビ朝日ホールディングス | 1,387 | 42.7 | 東京都 |
出典元:東洋経済ONLINE「平均年収「全国トップ500社」最新ランキング 上位3社が平均年収2000万円超という結果」
お馴染みの総合商社や民放が並ぶ中、注目すべきは平均年収2000万超えの3社中2社、上位15社のうち4社を占めるM&Aアドバイザリー・仲介会社です。こちらについては後述します。
年収ランキング上位15社にランクインしたM&A関連企業 4社
1位 M&Aキャピタルパートナーズ 平均年収2,478万円(平均年齢31.1歳)
3位 GCA 平均年収2,063万円(平均年齢37.9歳)
6位 ストライク 平均年収1,539万円(平均年齢36.2歳)
11位 日本M&Aセンター 平均年収1,413万円(平均年齢35.1歳)
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2013年度の平均年収ランキングTOP15社
一方、こちらが2013年5月に東洋経済オンラインに掲載された平均年収ランキングです。わずか7年で顔ぶれが大きく変わっていることがわかります。
順位 | 社名 | 平均年収(万円) | 平均年齢 |
1 | 日本テレビ放送網 | 1,425 | 41.8 |
2 | 三菱商事 | 1,413 | 42.9 |
3 | 朝日放送 | 1,397 | 41.6 |
4 | 三井物産 | 1,361 | 42.4 |
5 | 住友商事 | 1,352 | 42.6 |
6 | キーエンス | 1,322 | 34.4 |
6 | テレビ朝日 | 1,322 | 41.6 |
8 | 毎日放送 | 1,290 | 41.9 |
9 | 朝日新聞社 | 1,287 | 42.4 |
10 | 伊藤忠商事 | 1,281 | 41.0 |
11 | 日本経済新聞社 | 1,248 | NA |
12 | 丸紅 | 1,190 | 42.0 |
13 | 電通 | 1,145 | 38.6 |
14 | 伊藤忠丸紅鉄鋼 | 1,128 | 40.5 |
15 | エーザイ | 1,109 | 42.8 |
出典元:東洋経済ONLINE「最新「平均年収ランキング」トップ300
2013年度の年収ランキングはビジネスマンであれば誰もが名前を知る大手企業が名を連ねています。
2020年度と比較して特筆すべきは総合商社とマスコミの存在感です。ランキング上位がほぼ商社とマスコミで占められています。
7年間で年収ランキングはどう変わった?
2013年度と2020年度の年収ランキングを比較すると、、上位15社に占めるマスコミの存在感が明らかに薄くなっていることがわかります。
インターネットメディアの台頭による新聞離れ・テレビ離れが進み広告収入が減少していることが主な要因として考えられます。
新たに台頭してきたのが先ほどお伝えしたM&A関連企業です。
ランキング1位のM&Aキャピタルパートナーズ(MACP)は平均年収2,478万、7年前にランキング1位だったテレビ朝日放送網の平均年収1,425万を1000万以上、上回っています。
平均年収もMACPの31.1歳に対し、テレビ朝日は41.8歳と10歳以上若返っています。なぜこれほどまでにM&A業界は若くして高年収を得ることができるのでしょうか。
なぜM&A業界は年収が高いのか?
M&A業界は企業の買収や合併を仲介し、成功報酬を得るビジネスモデルを展開しています。
事業の拡大・縮小などを理由に、会社を売りたい譲渡希望企業と、買収を希望する企業を結びつけます。
双方の財務状況を鑑みて、希望条件を調整しながらマッチングするため専門性が高く、難易度の高いコンサルティング力が求められます。設備投資をせず高い利益率を誇るため総じて年収が高いのが特徴です。
中でも年収ランキング1位のM&Aキャピタルパートナーズは平均年齢も若く、年収が突出しています。
同社は基本給を低めに抑え、M&A仲介による成功報酬の30%をインセンティブとして支給する給与体系をとっています。そのため、年収1億円を稼ぎ出すコンコンサルタントが毎年数人いるとされています。
M&A仲介とM&Aアドバイザリー
ちなみにM&A業界はそのサポート内容によって、大きく【M&A仲介】と【M&Aアドバイザリー】に分かれます。
両者の違いですが仲介は売り手と買い手双方の間に立って仲介をするのに対し、アドバイザリーは売り手か買い手、どちらか一方に寄り添ってM&Aにまつわるコンサルティング業務を担います。
上記のランキングで言うとM&Aキャピタルパートナーズ、ストライク、日本M&AセンターがM&A仲介、GCAがM&Aアドバイザリーに当たります。最近では日本M&Aセンターもアドバイザリー業務へと進出し事業内容を拡大しつつあります。
ビジネスモデルによる年収の違い
同じM&A業界でも探客方法の違いや、仲介するコンサルタントが担う役割の幅、といったビジネスモデルの違いによって年収は大きく異なります。
前述のM&Aキャピタルパートナーズは積水ハウスの営業マンだった中村悟社長が創業。
そのバックグラウンドからもクライアントの発掘は新規開拓営業により行われます。一人のコンサルタントが譲渡希望企業を探客し、その条件に見合った買収希望企業を探し、案件として成立させます。一人のコンサルタントが担う業務の幅が広く負荷も高い分、高年収となっています。
一方、ランキング6位のストライクは公認会計士・税理士の荒井邦彦社長が創業。
クライアントは地銀からの紹介案件が多く探客コストはM&Aキャピタルパートナーズと比較すると低いと言えるでしょう。ストライクも11位の日本M&Aセンターも、譲渡希望企業側と買収希望企業側の双方にコンサルタントがつきます。仲介の成約に関わる人数が多く人件費が高いことが、M&Aキャピタルパートナーズとの年収の差に反映されていると考えてよいでしょう。
前述の3社にまつわる情報は以下の記事でも詳しくご紹介していますので、興味のある方は併せてご覧いただくとより理解が深まります。
M&A業界に転職するには
ではM&A業界に転職するにはどうしたらいいのでしょうか。求める人物像と転職難易度についてお伝えします。
M&A業界が求める人物像
高年収のM&A業界ですから当然ならが各社が求める人物像はスキル・人格ともに高いレベルが求められます。
■M&A仲介が求める人物像
大手金融機関(銀行・証券)で法人営業経験があり、なおかつTOPセールスの実績を持つような方が求められます。
■M&Aアドバイザリーが求める人物像
M&A仲介と比較すると営業よりコンサルティング業務経験者が求められます。金融機関や事業会社でM&Aに携わってきたような方がメインターゲットです。
但し、ここに記載したものはあくまでメインとなる採用ターゲットです。
場合によってはこの条件を満たしていなくても採用されるケースがあります。例えばM&A仲介を行う日本M&Aセンターでは商社やIT業界での高い営業成績を残している人物を採用したケースもあります。
まだまだ新しい業界ですのでM&Aに直結する業務の経験がなくても、難易度の高い交渉を実現できる高い営業力を持った方であれば十分可能性はあると言えるでしょう。
M&A業界の転職難易度と求人状況
某転職エージェントにヒアリングしたところ、M&A業界への転職難易度は、年収ランキングに比例して上がると考えてよさそうです。
当然ながら、年収が上がるほど業務負荷が高く厳選採用となるためです。
求める人物像はビジネスモデルや会社の風土によっても変わるので詳しくは先ほど紹介した個社の記事を読んでいただければと思います。
また肝心の採用状況ですがコロナ禍で先行き不透明な状況のため、企業の採用活動も縮小傾向にあります。
とはいえM&Aキャピタルパートナーズ、ストライク、日本M&Aセンターの3社については2020年6月現在で採用はオープンしている模様です。
ただこの状況ですからどこも積極採用というよりはいい人がいれば採用する、というスタンスになっていることが予想されます。
転職を希望する方はこれまでの経験を棚卸し、志望企業のビジネスモデルに照らしあわせて何がアピールできるかを整理しておくとよいでしょう。
M&A業界へ転職するには
2020年度年収ランキングについて理解は深まりましたか?M&A業界へ興味が出てきた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
M&A業界のような人気企業では、採用計画や事業戦略を公にしないために、非公開求人が多くあります。また転職エージェントによって、保有求人や応募してからの通過率も異なります。
転職を希望する方は、内定実績豊富なエージェントへの相談が内定の近道となるでしょう。内定実績が豊富なエージェントは採用ターゲットを熟知していますし、過去の面接内容や面接官の情報に基づいた面接対策をしてくれるので内定確度が上がります。
M&A業界への志望度が高い方は是非、エージェントマッチングサービスの【エージェントファインダー】にご登録ください。
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