【現役社員が解説】M&Aキャピタルパートナーズの年収はなぜ高い?

M&A仲介を行うM&Aキャピタルパートナーズ(MACP)の平均年収は3,161万円と破格で、東洋経済が2023年3月に発表した「平均年収が高い会社ランキング 全国トップ500」では堂々の1位にランクインしています。

同社はなぜこれほどまでに平均年収が高額なのでしょうか?
年収の高い社員と低い社員の間にはどれほどの差があるのでしょうか。
また高い年収を得るには何が求められるのでしょうか?

本記事ではM&Aキャピタルパートナーズの現役社員に行ったインタビュー内容を元に、同社の年収体系やビジネスモデルを紐解きます。

 

プロフィール

Aさん
20代 男性
M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 在籍
有名私立大学出身

 

M&Aキャピタルパートナーズは平均年収、全国1位

2023年3月に東洋経済が発表した「平均年収が高い会社ランキング 全国トップ500」では、上位10位にM&A仲介会社が2社ランクインしています。

順位 社名 平均年収 平均年齢
1位 M&Aキャピタルパートナーズ 2,688万円 32.2歳
2位 キーエンス 2,182万円 36.1歳
3位 ヒューリック 1,803万円 39.5歳
10位 ストライク 1,432万円 35.3歳

1位はM&Aキャピタルパートナーズで、2位のキーエンスとは506万円の差、同業で10位のストライクとは1256万円もの差があります。
最新の有価証券報告書によると、M&Aキャピタルパートナーズの平均年収は3,161万円なので、その差はさらに広がっています。

 

M&Aキャピタルパートナーズの平均年収は3,000万超え!ここ5年間の年収推移

続いて、M&Aキャピタルパートナーズの最新の有価証券報告書(2022年12月26日提出)によると、全社員の平均年収は3,161万円となっています。

年度 平均年収 平均年齢 平均勤続年数 従業員数
2021年 3,161万円 32.0歳 3.15年 159名

ここ5年間の年収推移は以下の通りです。ご覧の通り、波はありながらも一貫して高年収となっています。

2021年 2,688万円 32.2歳 3.16年 150名
2020年 2,269万円 31.4歳 3.11年 122名
2019年 3,109万円 31.2歳 3.15年 98名
2018年 2,478万円 31.3歳 3.31年 75名
2017年 2,994万円 31.5歳 3.29年 59名

ちなみにご覧の通り、平均年収が3,000万円を超えたのは2019年以来です。

 

M&Aキャピタルパートナーズの年収はなぜ高いのか?

M&Aキャピタルパートナーズの平均年収はなぜ、これほどまでに高いのでしょうか?
現役社員の話よると、その理由にはビジネスモデルや給与構造など4つのポイントがあるようです。

  • 利益率の高い業界構造
  • 大型のM&A案件が決まりやすいビジネスモデル
  • 1人のコンサルタントが稼ぐ手数料が高額
  • インセンティブ比重の高い給与体

それぞれについて解説していきます。

 

利益率の高い業界構造

はじめに、M&A業界全般に言えることですが、M&A仲介は仲介手数料を得るビジネスモデルです。
設備投資が必要なく、かかるのは人件費のみ。そのため高い利益率を誇ります。

 

大型のM&A案件が決まりやすいビジネスモデル

M&Aキャピタルパートナーズは【明瞭な手数料体系】【独立系ブティック】のため、大型のM&A案件が決まりやすいという特徴があります。

 
【明瞭な手数料体系】
少し専門的な話になりますが、M&A仲介ではレーマン方式と呼ばれる方式で成功報酬が計算されます。

例えば日本M&Aセンターは、時価総資産額をベースに手数料率が決まるレーマン方式のため、借り入れの多い企業ほど手数料を多く支払う必要があります。

譲渡企業の時価総資産額 5億円以下 5億~10億 10億~50億
手数料 5% 4% 3%

一方のM&Aキャピタルパートナーズは「時価総資産」ではなく「株式譲渡対価」に対するパーセンテージで仲介手数料が決定します。
そのため、負債が多い場合は日本M&Aセンターと比較してリーズナブルな手数料となります。

一般的に大きな会社であるほど負債も大きい傾向にあるため、株価のみに手数料率が乗じて計算されるM&Aキャピタルパートナーズの株価レーマンはリーズナブルな手数料となります。
そのため大型案件に選ばれやすい料金体系となっています。

また、着手金の観点もあります。
日本M&Aセンターでは着手金が数百万円規模でかかるため、基本的にはM&Aありきで事業継承の検討を進めることになります。
一方のM&Aキャピタルパートナーズは着手金の発生しない料金体系となっています。そのためM&Aのみならず、親族承継、従業員承継、IPO等、他の事業譲渡方法と比較検討がしやすいシステムになっています。

優良企業であるほど、承継の選択肢は多いためM&Aキャピタルパートナーズが選ばれやすい傾向にあります。

 
【金融機関と提携していない独立系ブティック】
M&Aキャピタルパートナーズは金融機関と提携をしていない、独立型のM&A仲介会社です。
最近では銀行も証券会社も、大型の事業承継M&Aを自社で請け負う傾向にあります。

そのため、金融機関と提携しているM&A仲介を行う競合他社では案件が小型化する傾向にあります。

 

1人のコンサルタントが稼ぐ手数料が高額

M&A専業大手3社の比較記事にも記載している通り、M&Aキャピタルパートナーズの競合に当たる日本M&Aセンターでは、売り手と買い手双方にコンサルタントがつきます。

1件のM&Aが成約するにあたり、2人のコンサルタントが担当する形になります。
そのため、仲介によって得られる手数料は2人のコンサルタントで分け合います。

一方、M&Aキャピタルパートナーズでは売り手と買い手の両面を1人のコンサルタントが担当します。
結果として、成約に当たって得られる報酬が、高い年収に直結します。

M&Aキャピタルパートナーズのコンサルタントが担う仕事内容については以下の記事も併せてご覧いただくと理解が深まります。

 

インセンティブ比重の高い給与体系

M&Aキャピタルパートナーズの年収体系は基本給+インセンティブとなっています。

成約案件の仲介手数料の20%がインセンティブとして給与に上乗せされる形になっています。
厳密に言うとインセンティブには仲介手数料のみならず、360度評価などの定性評価も加わりますが、この点については後述します。

このインセンティブにより、年収が1億超えする社員が数人、5,000万を超える社員は年度によって違えど数十人に登り、平均年収を押し上げています。

以上のようにM&Aキャピタルパートナーズは利益率の高いM&A仲介という事業を展開しており、1人のコンサルタントが大型案件を担当することで仲介手数料がインセンティブに跳ね返ることで高い年収を実現しています。

 

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M&Aキャピタルパートナーズの年収体系、給与システム

M&Aキャピタルパートナーズの年収体系は大まかに基本給420万円+インセンティブとなっています。

しかし、インセンティブが単純な業績連動だけではなく、かなり複雑なようです。具体的には以下のような多くのインセンティブが複雑に絡み合う形で決定されています。

  • 業績
  • 360度評価
  • リーダーシップボーナス(課長以上)
  • 買い手企業の紹介
  • 架電件数、新規のアポの件数

四半期ごとの決算で、利益がこのくらい出たのでボーナスはこのくらいという原資の額が設定されます。
その原資を、各人の業績や360度評価、そのほかのインセンティブ内容に基づいて全員に分配していく形を取っています。
そのため、単純な基本給+業績連動給というよりはもう少し複雑な仕組みになっています。

 

業績連動のインセンティブ

インセンティブの中でも一番影響が大きいのは当然ながら業績です。
但し、売上の何%がインセンティブとして支給されるという制度ではなく、押し並べて20%程度、というのが相場のようです。

例えば、360度評価でマイナスの評価が多い場合、業績の16~17%程度が支給され、評価が高い人の場合、業績の22~23%程の支給となるようです。
この上振れ、下振れの幅は人によって違いがあり、そこに業績以外の要素が加味されているという仕組みです。

これらを平均すると、大まかに業績の20%がインセンティブとして支給されるということになるようです。

 

M&Aキャピタルパートナーズの役職別年収

役職別・年齢(年代)別の平均年収として公表されているデータはありません。
業績によって年収が変動するため、年代や役職と年収が比例関係にあるかというと必ずしもそうではないようです。

年齢が上がるほど役職者の出現率は多いものの、若手で高額を稼ぐ人もいるため年収とは比例しません。
ちなみにM&Aキャピタルパートナーズでは以下のような役職があります。

役職 立場、昇格の条件
M&Aアドバイザー 新人。2件案件を決めると主任に昇格
主任 部下の同行案件を一定数決めると課長に昇格
課長 最小単位のチームを持つ。採用権限もある
次長
部長 メンバーを率いて新しい部を作る
社長

主任以上の役職になると、自分のメンバーをサポートしながら、自分の案件も進めて行く形になります。
業務委託的な個人主義の職場をイメージされる方も多いようですが、実際若手メンバーへのサポートはかなり手厚いようです。

マネジメント層は360度評価や、リーダーシップ評価という形でメンバーから評価され、その評価がインセンティブの金額に跳ね返ってきます。
このシステムの影響もあり、マネジメント層はメンバーの育成・サポートに熱心のようです。

また、サポートを通じて成約に至った場合は成約フィーをメンバーと分け合う形になります。
自分の案件+αの対応が求められるため、業務量は増えますが、その分年収も上がる仕組みになっています。

 

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M&Aキャピタルパートナーズの最高年収と、最低年収

M&Aキャピタルパートナーズでは毎年、年収が1億を超える社員が数人出現すると言います。
5000万円を超える社員が数十名単位に登るようです。

一方、一番年収が低いのは成約件数が0件の人、ということになります。
その場合、最低年収はベースの420万円かというと、実際はもう少し多いようです。

ベース年収420万円に

  • 新規開拓の架電件数
  • 新規開拓のアポ件数

といった行動量に対するインセンティブが貼られることで、実際の年収は650〜700万円ほどになるそうです。

 

M&Aキャピタルパートナーズ転職者の年収実績

M&Aキャピタルパートナーズに中途入社した、転職者の年収実績は以下の通りです。
前職の年収にかかわらず、実績次第で高い年収を獲得できることがお分かりいただけると思います。

年齢 前職 前職での年収 M&Aキャピタルパートナーズでの年収
27歳 キーエンス 990万円 1,750万円
27歳 有限責任あずさ監査法人 600万 2,500万
31歳 三菱UFJ信託銀行 700万 5,000万

M&Aキャピタルパートナーズへの転職をご検討の方は以下の記事も併せてご覧ください。

 

M&Aキャピタルパートナーズで年収を上げる方法


現役社員によると、M&Aキャピタルパートナーズで年収を上げる方法は2つです。

  • 成約件数を増やす
  • 成約単価を上げる

どちらかというと、年次が上がるにつれて後者の成約単価を上げる社員が多いようですが、中には件数をコンスタントにあげることで高い年収を維持している社員もいるようです。

ちなみに役職によってアプローチできる会社の売上規模には上限があるようですが、あくまで売上規模の縛りであり、仲介手数料を決める株価は必ずしも売上と連動しません。
そのため、初回案件から大型というケースも中にはあるようです。

 

M&Aキャピタルパートナーズで年収が高い人、低い人の違い

年収が高い人と低い人の違いは当然ながら成約件数、成約案件の規模によるわけですが、もう一つ重要なのが「1人で最後まで決められるか」だと現役社員は言います。

「自分で案件を見つけ、最後まで1人で決められる人は年収が高い」というわけですが、これは成約金額の取り分によるものです。

上司のサポートのもとで契約まで至った場合、成約金額を上司と配分する形になります。自分は60%、上司は40%といった形で取り分を分け合うことになります。
これが次長や部長クラスになりある程度の経験を積むと、最初から最後までを1人で進めることになります。
案件の規模も大きく、取り分も自分1人となることで年収が高くなります。

 

M&Aキャピタルパートナーズへ転職するには

M&Aキャピタルパートナーズへの転職を希望する方は、同社への内定実績を豊富に持つエージェントに相談するようにしましょう。
内定実績が豊富なエージェントは採用ターゲットを熟知していますし、過去の面接内容や面接官の情報に基づいた面接対策をしてくれるので内定確度が上がります。

M&Aキャピタルパートナーズの志望度が高い方は是非、エージェントマッチングサービスの【エージェントファインダー】にご登録ください。
M&Aキャピタルパートナーズへ豊富な内定実績を持つ転職エージェントをご紹介させていただきます。

 

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