業界・企業に特化した転職サポートを行い、誰よりもリアルで最新の情報を持つトップエージェント。【エージェントファインダー】はそんなトップエージェントだけを紹介する、ヘッドハンターのマッチングサービスです。
同サービスで紹介するヘッドハンターは、採用決定率を高めるためにどのような工夫を凝らしているのか。エージェントファインダーの代表取締役・粕谷暢司が、デロイトトーマツ、PwC、クニエなどでコンサルティングファームに高い内定率を誇るリネアコンサルティング株式会社の橋本氏にその秘訣を伺いました。(※インタビューは2020年7月に実施したものです)
橋本 昌幸さん リネアコンサルティング株式会社 シニアマネージャー
元PwC人事出身。人材ビジネス及び人事としてコンサルティング業界経験は15年以上。
転職エージェント経験も豊富で、IT、人材、広告などサービス業界や人事、経理などバックオフィスにも強い。 コンサルティング業界では、クニエ(NTTデータグループのコンサルティング会社)、DTC(デロイトトーマツコンサルティング)PwC(プライスウォーターハウスクーパース)で豊富な実績を持つ。
目次
「今は転職しない方がいい」など、求職者にとって必要な情報はすべて伝える
―コンサルティング業界に特化した転職エージェントとして実績を上げています。その強さの理由を、ご経歴とあわせて教えてください。
もともと求人広告の営業をしており、PwC(当時は買収前のベリングポイント)を担当したことを機に、2008年より人事としてPwCにジョインしました。
その後、当時から親交のあった弊社代表大森に誘われ、今に至ります。
―人事経験があるからこそ、採用側の気持ちを理解できる面があるのでは。
面接官がどういう採用基準に基づいて求職者を見るのかという点は良く理解しているつもりです。「あなたの経歴だとコンサルティング業界への転職は難しい」というシビアな現実も見える。
例えば、他の転職エージェントから「未経験からでもチャレンジできますよ」とアドバイスされた求職者だったとしても、レジュメの内容や、面談でお会いした印象から、どう考えても厳しいとわかってしまう。無理に進めて、万が一入社できたとしても、活躍できずに苦しい思いをするのは本人です。そんなときは、「経歴や実績のこういう部分から、入社は難しいでしょう。プランBとして、納得できるキャリアを考えていきましょう」と提案します。
あるいは、大手は難しくても、中小のコンサルティング会社で2~3年経験を積んでステップを踏む方法もある。入社してからどんな働き方をするのか、企業ごとにどういうタイプの人間が多いのか、普段からコンサルタントとコミュニケーションを取り現実を理解しているからこそできる提案だと思います。
―求職者との最初の接点はどう作っていますか。
スカウトでこちらからアプローチしたり、媒体にご紹介案件を掲載しご応募頂いたり。
あとは、これまで転職サポートした方からの紹介など、口コミで広がる人脈が多いです。コンサルティング業界は、業界内で数年ごとに動く方も多く、数年前にサポートした方の2回目の転職相談に乗ることも少なくありません。
―求職者には、業界経験者から未経験者までさまざまいらっしゃると思いますが、転職を希望する理由には何がありますか。
業界未経験者で多いのは、「現在事業会社にいるけれど、今の自分のポジションでは組織課題を解決できない」ともどかしさを抱えている方です。改善したい、組織をより良くしたい、という思いが、外から改善提案をするコンサルタントになりたい、とつながっていきます。
業界経験者は、「担当領域を広げたい」「こんなプロジェクトに携わりたい」という成長意欲の高い方が多いですね。
―未経験者がチャレンジする際に、企業は何を見て適性を判断しているのでしょう。人事経験者ならではのアドバイスもされますか。
新卒採用の基準に近いと思います。物事を論理的に考えられるか、継続的に思考する能力があるか、新しい知識を身につけるためにようと自ら努力し続けるできることができるか人間なのか。そうした特性がないと、入社してもうまくいかない。うまくいかないことを周りのせいにしがちな方も活躍するのは難しいでしょう。
初回面談でコミュニケーションをとれば、その人の考え方がわかるので、コンサルタントは合わないだろうと思う方に、私はコンサルティング業界をお勧めおすすめしません。
―求職者との初回面談から面接対策まで、どんなコミュニケーションを意識されていますか。
最初に行うのは、転職エージェントに何を求めているのか確認することです。 キャリアプランが明確にあり「具体的な求人を教えていただければ自分で検討します」という方もいれば、転職そのものを悩んでいる方もいる。目線合わせをした上で、適切な情報提供を考えます。
転職せずにあと数年現職で経験した方が良いと思える場合には率直にいいのならそう伝えます。弊社と取引のない企業様にホームページからの直接応募を勧める場合もありますね。
―企業への直接応募案件ということですか。
そうです。コンサルティング業界以外にも個人的な知り合いが多く、ホームページ経由の応募情報は都度チェックしています。
例えば、社会貢献性の高い仕事をしたい、という方がいれば、「コンサルではなくこんな企業やNPO法人などに直接応募する方法もありますよ」と提案する。あくまでも、求職者にとって何がベストか、という視点でお話しします。
ある求職者の方に「市況感から見て、今は転職しない方がいい」と言ったところ、「転職エージェントからそんなこと初めて言われました」と驚かれました(笑)。
―キャリアを一緒に考えてくれるパートナーとして、心強い存在ですね。御社で扱う案件以外の、幅広い企業の採用情報は、どんな風にキャッチしているんですか。
うーん。意識して何かをしているわけではないんです。 いろんな人に会って話すのが好きでこの仕事をしているので、自分が伝えられる知識を増やしたいと思って調べているうちに情報が集まってくる。外部のセミナーやスタートアップ企業関連のイベントなどにも顔を出して、人脈を広げるようにしています。
デロイト・PwC 内定率TOPクラス
元PwC人事 リネアコンサルティング株式会社 橋本氏
①PwC、デロイトが求める人物像を熟知
②PwC、デロイトのマネジメント層・現場と豊富なリレーション
③PwC、デロイトが過去実施した面接の面接官・質問内容をDB化し対策を実施
企業からの面接フィードバックをもとに、次への対策を一緒に考える
―自然と行動できるところが橋下さんの強さなんだと思います。面接対策ではどんなことをしていますか。
これまでの経験から、企業側が面接でどんなコンピテンシー(行動特性)を見ているかはだいたいわかります。具体的に聞かれる質問を伝え、その回答を本人に書いてもらってブラッシュアップしていくこともあれば、最初から回答を含めたスクリプトを作ることもあります。
コンサルティング業界の面接は、論理的思考力を見るために深堀りされることが多い。 それを知らずに面接で戸惑うことがないよう、対面やオンラインでの模擬面接も行います。 何も対策をしなくても受かる方は多くいらっしゃる一方で、「対策をしていれば受かったのに…」という方も多いので、そういった方たちのお力になりたいと考えています。
―1次面接、2次面接と選考が進んでいく中でのフォローもされていますか。
求職者からは、面接でのやりとりをテキストベースで送ってもらいます。その後、企業から1次面接のフィードバックがくるので、実際のやりとりと見比べながら、何がよかったのか悪かったのかを振り返って次の対策につなげます。
―すごく手厚いですね!
とくにネガティブフィードバックが来たときに、面接時のどんなやりとりによって面接官が懸念を抱いたのかを候補者の方とコミュニケーションしながら確認していきます。 面接のフィードバックは、通過した場合も落ちてしまった場合もきちんとくれる企業がほとんど。しっかり振り返ることで、OKとNGのポイントを自分の知識としても蓄積していきます。
―採用決定のためには、企業側のニーズの理解が不可欠です。企業との関係構築、情報の引き出し方などで、橋本さんならではのやり方はありますか。
人事担当者との個人的なつながりから、「〇〇部長が辞める予定なので、相談に乗ってほしい」とコンフィデンシャルな案件をいただくことはあります。 現場の方とはランチをしながら、今どんなプロジェクトをしているのかをヒアリングしています。プロジェクトの具体的な話を聞くと、どんなスキルセットの人材が必要か見えてくる。金融業界は今後こう変化していく、製造業界にはこんな課題がある、などマクロな展望が見えてくるので、その情報を求職者の方にも共有します。
―プロジェクトの詳細やニーズがわかると、どういう経歴の方がマッチングしそうか考えやすいですね。
そうです。とくに未経験者の場合、コンサルティング会社が何をしているのか理解していない方が多い。具体的なプロジェクトワークを説明できると、求職者の動機づけにもつながります。
デロイト・PwC 内定率TOPクラス
元PwC人事 リネアコンサルティング株式会社 橋本氏
①PwC、デロイトが求める人物像を熟知
②PwC、デロイトのマネジメント層・現場と豊富なリレーション
③PwC、デロイトが過去実施した面接の面接官・質問内容をDB化し対策を実施
自分の選択に納得できるよう、選考スケジュールの管理を大切にしてほしい
―求職者の方の納得感を高めるために、心がけていることはありますか。
複数の企業を受ける際、選考スケジュールがきちんと重なっているかは重視します。 避けたいのは、1社だけ先行して内定をもらい、スケジュール的に他社と比較検討できない状態。
転職エージェントの中には、内定受諾の回答期限を1週間などと切って迫るところもあります。すると、他社から内定をもらえるかわからないので、最初に内定を頂いた1社に決めてしまおうという心理が働く。 私としては、転職という重大な意思決定を、複数社で比較検討できない中進めてほしくない。求職者には、スケジュールが同時並行に進むように管理すべきだと伝えています。
―それはすごく大事なことだと思います。内定受諾の回答期限があるという実態は、転職してみないとわからないことですから。
まさにそう。 ちなみに私がPwCで人事をしていた当時はオファーの回答期限は設けていませんでした。1週間という期限に合理性はないです。もし、今すぐにでもプロジェクトにジョインしてほしいなど差し迫った状況であれば、選考段階で伝えているはず。回答期限の多くは、転職エージェントが設定している場合も多いのが実情です。 求職者の方には、最後まで納得して選択できるよう、自分のスケジュール管理を大切にして欲しいです。
―求職者にとって重要な情報はすべて伝える、というスタンスが一貫していますね。入社後も、サポートした方とコンタクトをとっていますか。
取ります。最初の3か月は、早期離職対策として月に1度の頻度で会うこともあります。 事業会社からコンサルティング業界に転じた方は特に、立ち振る舞い方がわからずにミスコミュニケーションが生じることが多い。それで辞めてしまうのはもったいないので、社内でのコミュニケーションについてフォローするようにします。
―コンサルティング業界ならではの立ち振る舞い方があるんですね。
日系の事業会社と外資のコンサルティング会社では、カルチャーが違います。
例えば、外資コンサルティング会社にいる人は、できることとできないことをはっきり相手に伝えます。自分の専門性と違うプロジェクトにアサインされたら、「これは私のスキルセットと違います。アサインされている以上頑張りますが、パフォーマンスは上がらないですよ」と、自分の状況を的確に上司に伝える。そうしないと自分の身を守れないことを理解しているからです。
でも、事業会社から来た人は、自分の専門外のプロジェクトでもアサインされれば一生懸命頑張ろうとする。自分の専門性と違えばワークしないのは当たり前なのですが、それを評価者や周りに伝えるという発想自体がない。すると周りからは「新しく入った方は全然使えない」と評価されてしまうのです。
入社した方には、コミュニケーション方法の違いをきちんと伝え、具体的なアクションを提案します。企業によっては「〇〇さんにこう相談すべき」とバイネームで伝えることも多いです。
―入社後もそこまでケアしてくれるのはすごいことです。 最後に、転職エージェントを選ぶ際のアドバイスがあれば教えてください。
いろんな観点があると思いますが、私は、企業対応をするリクルーティングアドバイザー(RA)と、求職者対応をするキャリアアドバイザー(CA)の両面を一人で担当している方がいいのではないかと思います。企業視点、求職者視点の双方から「この企業をあなたにおすすめする理由」を説明してくれるので、相談する側にとっても納得感があるのでは。
また、転職エージェントの中には、預かったレジュメ(職務経歴書)を本人の合意なしに書類選考に応募するケースがありトラブルに発展することがあります。自分の個人情報をゆだねるのは応募先を決めてからにして、大事に慎重に扱ってほしいです。
―本当にそうですね。求職者の方は知りえない転職エージェント側の事情もオープンに話していただき、ありがとうございました。
PwC、デロイトへ転職するには
PwC、デロイトへの転職を検討されている方は、内定実績トップクラスのヘッドハンターへの相談が転職成功への近道となるでしょう。橋本氏のようなヘッドハンターであれば、過去の面接内容や面接官にまつわる情報、内定をもらうために必要な要素を人事並みに把握しています。
志望度合いの高い方は、内定の角度をあげるために是非、エージェントファインダーにご登録ください。リネアコンサルティングの橋本氏をはじめとした、コンサルティングファームへの転職に強いヘッドハンターをご紹介させていただきます。