SAPジャパンはドイツに本社を置いた、高度な技術力とビジネスソリューションで知られているIT企業です。平均年収は914万円と高い水準で、専門知識が必要とされる実力重視の社風です。
この記事では、SAPジャパンの平均年収や給与システム、転職難易度などを解説します。SAPジャパンへの転職を検討していて、転職のコツを知りたい方は参考にしてください。 |
目次
SAPジャパンの平均年収
SAPジャパンの平均年収は、口コミサイトによると914万円です。回答者の年収範囲は、350〜1,640万円となっています。国税庁の「令和4年分民間給与実態統計調査」によると、日本人の平均年収は458万円のため、SAPジャパンの平均年収はかなり高い水準にあるといえます。
年齢別の平均年収
SAPジャパンの年齢別平均年収は、以下のとおりです。
年齢 | 平均年収 |
30〜34歳 | 833万円 |
40〜44歳 | 894万円 |
45〜49歳 | 1,050万円 |
実力主義で給料や年収が決まる企業ではありますが、年齢とともに平均年収は上がる傾向にあります。ただし上記の平均年収は、アンケート結果による数値なので、同社全体の年齢別の平均年収とは言い切れず、あくまで参考情報となります。
職種別の平均年収
SAPジャパンの職種別平均年収は、以下のとおりです。
職種 | 平均年収 |
営業系 | 1,009万円 |
コンサルタント | 909万円 |
IT系エンジニア | 877万円 |
企画・事務・管理系 | 778万円 |
営業職は、売上目標の達成率次第でインセンティブが支払われるため、平均年収は他の職種に比べて高くなっています。
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大手IT企業とSAPの年収比較
大手IT企業とSAPの年収を比較してみましょう。有価証券報告書や、口コミサイトの回答を参考に比較したところ、SAPジャパンは日本Oracleに次ぐ高年収であることがわかります。
企業名 | 平均年収 |
日本Oracle | 1,126万円 |
SAPジャパン | 914万円 |
オービック | 536万円 |
NTT | 631万円 |
SAPジャパンの給与システム・評価制度
SAPジャパンの給与システムは、年俸制です。2017年以前は点数で評価し、昇給・昇格が決められていましたが、社員の成長意欲を促すため、現在は新しい評価制度が導入されています。社員の成長と改善に重点を置いた評価制度です。具体的にはマネージャーが頻繁に部下とコミュニケーションを取り、全体的なパフォーマンスを評価する形になっています。
報酬は市場価値とパフォーマンスを考慮して決定され、適切な報酬で社員の成長意欲とモチベーションを高めることを目指しています。また、SAP Talkと呼ばれる1on1ミーティングを高頻度で行うことにより、評価に関する不満や相談が大幅に減少しました。社員は上長との充実したコミュニケーションにより、納得度の高い昇給を享受し、職場の満足度と生産性の向上につながっているようです。
SAPコンサルタントとして年収を上げるために必要な資格
SAPのコンサルタントは、SAPシステムの導入コンサルティングやサポート、業務改善の提案をする仕事です。SAPジャパンの職種の中でも、コンサルタントは年収の高い職業であり、成果を出せばさらに収入アップが期待できます。
SAPコンサルタントのキャリアアップと年収アップには、資格取得が役立ちます。ここでは、特に効果的な3つの資格を詳しく解説します。
SAP認定コンサルタント
SAPジャパンが提供する「SAP認定コンサルタント」資格は、SAPシステムに関する専門知識を証明するものです。この資格は主に3つの分野に分かれています。
- アプリケーションコンサルタント:業務システムの専門家向け
- デベロップメントコンサルタント:プログラマー向け
- テクノロジーコンサルタント:インフラエンジニア向け
SAP認定コンサルタントの資格を取得するには、実務経験が重要です。SAPの知識がない状態で、独学で資格を取得するのは非常に難しいでしょう。そのため、次のようなステップを踏むケースが一般的です。
- SAPジャパンやSAP関連の仕事を扱う企業に就職する
- 実務経験を積む
- 経験豊富な同僚や上司からアドバイスを受ける
上記の方法であれば高額な費用をかけずに、実践的なSAPの知識とスキルを身につけることができます。
プロジェクトマネージャー
プロジェクトマネージャー試験は、IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が実施する、QCD管理を含むプロジェクトマネジメント能力を証明する国家資格です。情報技術者試験の最高難度レベルに位置し、合格率は約15%と難関です。SAPコンサルタントにとって、この資格はキャリア向上に有効です。システムインテグレーターやコンサルティングファームからの相談に対し、IT戦略立案からシステム導入まで一貫したサービス提供が可能になります。
プロジェクトマネージャーの資格を持っていれば、SAPジャパンで大規模なSAP導入プロジェクトのリーダー的役割を任される可能性が高まります。また、クライアントとの折衝や社内での調整においても、プロジェクトマネジメントのスキルを活かし、円滑なプロジェクト進行に貢献できます。
ITストラテジスト
SAPジャパン株式会社でSAPコンサルタントとして年収を上げるには、ITストラテジスト資格も非常に有効です。ITストラテジストは、企業の経営課題解決やIT戦略立案に直結する知識を問う高度な試験で、こちらも合格率約15%の難関です。
ITストラテジスト資格保有者は、SAPシステムを活用した経営戦略の策定や事業改革の推進が可能な人材として高く評価されるでしょう。また、ITストラテジストの知識を活かして顧客の経営層と商談すれば、大規模プロジェクトの上流工程を担当する機会が増える可能性もあります。
さらに、コンサルティングファームとの協業案件や戦略的なSAP導入プロジェクトでリーダーシップを発揮できる可能性が高まり、結果として高年収につながります。難度は高いですが、取得による差別化効果は大きいため、キャリアアップを目指すSAPコンサルタントにおすすめの資格です。
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SAPジャパンは激務?働く社員からの評判
SAPジャパンが激務か気になる方も多いようですが、口コミサイトによると激務という声は少なく、下記のような口コミが見られます。
- フルフレックスがゆえに実質想定以上の残業をしている企業もよく聞きますがそんなことは全くなく規定の時間内で終わる事のできる残業量でした。(2024年退職済み・男性)
- 有給を消化できなかったことはなく、好きなタイミングで有休消化が可能。残業すること自体良しとしてない会社風土なので、やらなければならないことをやっていれば残業しなくても問題ない。(現職・女性)
SAPジャパンは、「Pledge to Flex」という方針のもと、柔軟な働き方を推進しています。テレワークや柔軟な勤務時間、従業員のライフスタイルに合わせた福利厚生など、多様な選択肢を提供しています。
また、オフィス環境も従業員の創造性とコラボレーションを促進するよう設計されています。これらの取り組みにより、従業員のワークライフバランスとモチベーションの向上を図っており、働きやすい環境づくりに力を入れています。
SAPジャパンの転職難易度は?
SAPジャパンへの転職は、キャリア採用においても難易度が高いと言えます。主な理由は、高度な専門知識と実務経験が求められるからです。
多くの職種で5〜7年以上の関連実務経験が必須とされ、マネージャー職やシニアスペシャリスト職では10年以上の経験が要求されることもあります。また、ほとんどの職種で大卒以上の学歴とビジネスレベルの英語力が必要です。
即戦力となる人材を求めているため、応募者は自身の専門分野での深い知識と経験に加え、SAP製品やソリューションへの理解も求められます。さらに、グローバル企業であるため、海外とのコミュニケーション能力も重視されます。
SAPジャパンに転職する場合の選考フロー
SAPジャパンに転職する場合の選考フローは、以下の流れで進みます。
- エントリー
- 面接
- 内定
面接は採用担当者の他、その他の部署の社員が参加するケースもあり、面接回数は応募者によってさまざまです。また、面接の方法は対面やビデオチャット、電話で行われます。
なお、応募書類は英語や母国語で受け付けていますが、採用担当者が必ずしも日本語を話せるとは限らないため、英語での提出を求められるケースもあります。
SAPジャパンに転職するには
SAPジャパンに転職するためには、どのような対策が必要でしょうか。以下で詳しく解説します。
自己分析・企業分析をする
SAPジャパンの面接では職務経験やスキル、これまでの行動基準などさまざまな質問をされるため、自己分析が欠かせません。
自身の経験やスキルが、SAPジャパンが求める資質と合っているのかを確かめ、具体的なエピソードを交えて話せるようにしておく必要があります。さらに、SAPジャパンを選んだ理由や応募した職種を選んだ理由も答えられるように、事前に準備しておきましょう。
また面接ではSAPジャパンの経営戦略を理解した上で、自己分析を行い自己PRに繋げることも重要です。SAPジャパンの社風を踏まえて、求める人材と合致した人材であることをアピールしましょう。
SAPジャパンビジョンを理解する
SAPジャパンへの転職を成功させるには、同社の「SAPジャパンビジョン」を深く理解することが重要です。ビジョンは「世界の叡智と革新性をもって、変革を目指す全ての人と共により良い明日を創る」が掲げられており、以下の「行動5原則」はしっかり頭に入れておきましょう。
- Be SAP Ambassadors:他の誰でもない、あなたがSAPの代表としてオーナーシップを持って行動する
- Be Borderless:壁など無い立場や言葉・文化の壁を超え、オープンな思考で行動する
- Be Creative:あなただけの発想を既成概念に捉われず、常に新たな発想を持つ
- Take Smart Risks:挑戦無くして成長無しより大きな成長と成果のためにリスクを取ることを臆さない
- Have Fun:充実した毎日を!!それぞれの価値観を尊重し、毎日を楽しむ
引用:SAPジャパンビジョン
面接では、行動5原則に沿った具体的な経験や考えを示すことが効果的です。例えば、リーダーとしてプロジェクトを成功させた経験や、新しいアイデアで課題を解決した事例などをアピールしましょう。
ただし、顧客志向の姿勢も忘れずに、謙虚さを保つことが大切です。SAPジャパンビジョンを理解し、それに沿った自己PRを準備することで、転職の可能性を高めることができるでしょう。
転職エージェントを利用する
SAPジャパンへの転職を成功させるには、転職エージェントの活用が効果的です。中でもSAPジャパンに豊富な内定実績を持つエージェントに相談することで、内定の確度を高めることができます。
実績豊富なエージェントは、SAPジャパン特有の採用基準や面接のコツなど、蓄積されたノウハウを提供してくれます。活用することで、効果的な志望動機の作成や、SAPジャパンが求める人物像に合わせた自己アピールが可能となります。
また条件面での交渉を代行してくれるのも、転職エージェントのメリットです。年収アップなど、個人では難しい交渉も、エージェントを通すことで効果的に行えます。
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SAPジャパンはどんな会社?
SAPジャパンは、ドイツに本社を置くSAP SEの日本法人として1992年に設立されました。SAP SEはDow Jones Sustainability Indexで、16年連続でソフトウェア業界のトップ企業を維持している世界的大企業です。世界157か所以上で働く社員数は、10万5,000人以上にものぼります。
会社名 | SAPジャパン株式会社 |
所在地 | 東京都千代田区大手町1丁目2番1号 三井物産ビル11F・12F |
設立 | 1992年10月 |
資本金 | 36億円 |
株主 | SAP SE 100%出資 |
社員数 | 1,651名(2021年1月現在) |
事業内容
SAPジャパンの主な事業内容は、コンピュータソフトウェアの開発販売、教育ならびにコンサルティングです。具体的には企業の経営資源を包括的に管理・分析するERP(基幹業務統合システム)を提供しています。また、クラウド、モバイル、インメモリーなどの最先端技術を活用し、あらゆる業種や規模の企業に対して、経営・業務変革を支援しています。
将来性
SAPジャパンの成長率は右肩上がりであり、今後も成長することが期待されています。SAP CEOのクリスチャン・クラインは、以下のように述べています。
「今後、Business AI、クラウドポートフォリオのクロスセル、中堅市場をはじめとする新規顧客の獲得など、強力な成長要因があります。当社のカレント・クラウド・バッグログが記録的な成長率に達していることは、その勢いを証明するものです。」
引用:SAPジャパン |
かつてSAPのサービスは大企業向けのサービスで価格も高価格でしたが、最近は中小企業向けのサービスも提供しており、マーケットも拡大しています。日本国内は大企業よりも中小企業の数の方が多いことから、売上拡大の可能性は十分に見込めるでしょう。
働く環境・社風
SAPジャパンでは、コロナ禍以降「Pledge to Flex(プレッジ ・トゥ ・フレックス)」と呼ばれる柔軟な働き方の制度を導入しています。Pledge to Flexは、3つの軸から成り立っています。
- Flex Location(勤務地の柔軟性)
- Flex Time(働く時間の柔軟性)
- Flex Workspace(働く場の柔軟性)
この制度により、要件を満たした場合はテレワークを選択できるようになりました。また、長時間働くことが必ずしも高い価値や成果をもたらすわけではないという考えから、一週間あたりの稼働日数も調整可能です。
このように働く環境が管理される社風ではなく、個人の裁量に委ねられています。ヨーロッパの企業ということもあって家族やプライベートを重視する風潮があり、ワークライフバランスを取りやすい企業といえます。
一方で、働く環境の自由度が高い分、常に変革やチャレンジを続ける社風があります。そのため育成プログラムも充実しており、チャレンジし続ける人を応援する環境が整っています。
SAPジャパンの福利厚生
SAPジャパンでは医療保険や退職金制度だけでなく、キャリアとプライベートを両立させるためのさまざまな福利厚生を用意しています。具体的には、下記のとおりです。
- 産前産後休暇
- 出産休暇
- 介護休暇
- 妊娠・不妊治療支援
- 有給休暇
- 生命保険・健康保険
- 401k / 退職金積立プラン
- 自己啓発費用補助制度
- 転居援助制度
- 会員制保養所
- スポーツクラブ
- 自社株割引購入制度
- 研修制度
- 資格取得支援制度 など
その他オフィスではコーヒーやジュースが無料で飲み放題で、スナックもあるようです。フリーアドレスのため、その日の気分で席を決めることもできます。
SAPジャパンへの転職に関するよくある質問
以下では、SAPジャパンへの転職に関するよくある質問をまとめました。
SAPジャパンのこれまでの採用大学は?
SAPジャパンの採用大学は、下記のとおりです。
東京大学、上智大学、慶應義塾大学、早稲田大学、創価大学、中央大学、国際教養大学、University of Washington、Cornell University、University of Buckingham
SAPジャパンの離職率は?
SAPジャパンの離職率は公表されているわけではありませんが、約20人採用した新卒社員のうち、約半数が入社3年以内に退職した時期もあったようです。一般的に、新卒社員の入社3年以内の離職率は約30%なので、かなり高い割合で退職しているといえます。離職率を改善するため、現在は入社前と入社後のギャップを減らすプログラムも実施されています。
SAPジャパンへの転職はエージェントファインダーへ
SAPジャパンへの転職を検討している方は、【エージェントファインダー】の利用がおすすめです。
エージェントファインダーは、独自の基準をクリアした優良エージェントのみをご紹介する、エージェントマッチングサービスです。SAPジャパンに高い内定率を誇るエージェントも在籍していますので、転職希望の方はご登録ください。ご希望に応じたヘッドハンターを紹介させていただきます。
志望度が高い方は是非、以下のサービス【エージェントファインダー】にご登録ください。SAPジャパンへをはじめ、外資ITに豊富な内定実績を持つヘッドハンターをご紹介させていただきます。尚、ご経歴によってはご紹介できないことがあります。予めご了承ください。