野村総合研究所の年収は? ボーナスや福利厚生を現役社員が解説

野村総合研究所は主に経営コンサルティング部門とITソリューション部門で構成されている日本最大手のシンクタンクです。高い給与水準で知られ、文系・理系問わず注目されている人気企業です。

本記事は野村総研の年収の実態を解明すべく、現役社員にインタビューを行いました。同社の年収レンジからボーナス、残業代、福利厚生まで詳しく解説します。

 

プロフィール

野村総合研究所 コンサルタント(中途採用)

30代/男性

大卒

 

野村総合研究所の平均年収は40歳で1,232万円

野村総研の有価証券報告書によると、同社の平均年収は1,232万円です。
※2022年3月31日現在

従業員数 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
6,488人 40.6歳 14.8年 12,320千円

従業員数は6,488人ですが、そのうちコンサルタントは500人ほどです。
多くがエンジニア職であり、その中でもアプリケーションエンジニア職やテクニカルエンジニア職などに分かれています。
職種に限らず年収は一律。年功序列で役職に応じて決められています。

 

野村総合研究所の年齢/役職別年収レンジ

続いて2022年4月から変更された新しい役職名と、おおよその年齢に応じた年収レンジを紹介します。
以下では、それぞれの年収について詳しく解説します。

 

野村総研 新卒1年目の年収モデル

基本給 家賃補助 ボーナス 合計
221,500円 60,000円 500,000円×年2回 4,258,000円

新卒から2年目までのメンバーは、かつて総合職と呼ばれていた役職であり、経営コンサルティング職やエンジニア職などの専門職に分かれる前の段階に当たります。

家賃補助は実家暮らし以外の社員を対象に、現シニアアソシエイト(旧副主任)になるまで全員に月額6万円が支給されます。
持ち家を購入した場合でも支給されます。

 

野村総研 20代は年収750~800万円

アソシエイト(旧:専門職)になると基本給が33万円からスタートします。
そこからはメンバーが3段階、アソシエイトが5段階、シニアアソシエイトが8段階、エキスパートが10段階の評価になっており、一つ段階が上がるごとに3万円ずつ基本給がアップします。

ボーナスは評価によって変わりますが、同社20代社員の平均年収は750~800万円程です。

外資系コンサルの他社では実力に応じて年収が大きく変わりますが、野村総研では年次に応じて安定的に年収がアップする、日本企業らしい年功序列を保っているのが特徴です。

 

野村総研 30歳で年収1000万円に到達、30代の平均年収は1,300万円程

取材対象者によると、野村総研では30歳で年収1,000万円に届くというのが一般的だそうです。
コンサルとしては大手外資系ファームと比較すると決して高額とは言えないものの、SIerとしてはトップクラスの年収です。

基本的に年功序列ですが、アソシエイトからシニアアソシエイトになる際にのみ簿記2級かTOEIC600点、または応用情報技術者試験のどれかを取得していなければならないという条件があります。

30代でエキスパートになる人もいるため、30代の平均年収は1,300万円程度になるそうです。

 

野村総研 40歳部長で年収1,500万円程度

40代の平均年収は1500万円程度です。

部長やグループマネージャーなど管理職に就く年代ですが、給与は課長職や部長職と言った役職別にはなっていません。
引き続きアソシエイトやシニアアソシエイトと言った役職に基づいて決められます。

 

野村総研 エキスパート以上の年収推移は実力による

シニアアソシエイトまでは年功序列ですが、エキスパート以降はすでに十分に高い年収のため、上がり方に個人差が出てきます。

基本的な仕組みは変わらず、エキスパートになっても10段階の評価レベルが一つ上がるごとに3万ずつ基本給が上がっていきます。
エキスパート以降、上に上がるほど評価レベルを上げるのが難しくなるようです。

 

野村総研役員になると最大で年収1億円も

コンサル職では50代まで社員として残っている人は少なく、事業会社に転職する人が多いそうです。

役員になると最高で年収1億円になる人もいるため、50代の平均年収はおそらく3000~4000万円になります。
但し、50代で役員にならずに残っている場合、年収は1300円台ほどになり40代より少し下がる可能性もあるようです。

 

野村総研は中途採用者にも年功序列を適用し、年収が決まる

年次による年功序列は転職者にも適用されます。

コンサル職として転職した場合、たとえ入社時には前職と遜色のない年収だったとしても、その後の昇給は若いうちから実力主義の外資系コンサルとは異なるため注意が必要です。

 

野村総合研究所への転職に選ばれているサービス

大手SI企業やコンサルティングファームへの【内定実績トップクラスのエージェント】を紹介してくれるサービス
エージェントファインダー
(野村総合研究所や大手SI、コンサル志望の方向け)

 

野村総合研究所、中途入社者の年収実績

某転職エージェントの調べによると、野村総合研究所に中途入社した社員の年収実績は以下の通りです。

年齢 前職 前職の年収 野村総研での年収
29歳 三井情報 600万円 700万円
34歳 本田技研工業 650万円 800万円
36歳 電通国際情報サービス 750万円 950万円

ご覧の通り、高い給与水準であることが伺えます。

 

野村総合研究所の残業代

近年の野村総研では残業を極力減らすよう推奨されており、実際にかなり減っているとのこと。
1、2年目で残業することはほぼなく、あっても月に10時間から20時間程度。
プロジェクトのピーク時でも労働基準法で定められた上限45時間を超えることはないそうです。

基本的に残業代は出ませんが、夜22時以降に働いた分は労働基準法に基づき25%加算されて支払われます。
時間給を3000円から4000円とすると1時間あたり600、700円くらいがプラスでチャージされるイメージです。

やむを得ず休日出勤した場合は別途時間給として支給されます。

 

野村総合研究所で年収を大きく左右する、ボーナスの決定ロジック

野村総研のボーナス・賞与は前述した役職ごとの3~10段階の評価によって変わります。

アソシエイトまでは評価によって50万程度の差が生じ、シニアアソシエイト以上では100万以上の差がつく場合もあるようです。レベル評価は実績と年2回の面談で決定されます。

ボーナスを決めるレベルの評価方法は以下の通りです。

 

コンサルタントは「生産」と「営業貢献」から評価

コンサルタントの場合、大きく「生産」と「営業貢献」の数値から評価されます。

「生産」とは、コンサルティングのプロジェクトをどれだけ受注したかを意味します。
たとえば、あるアソシエイトの月単価が500万円だとしたら、250万円の仕事を受注してその月にこのプロジェクトのみ動かした場合、6月の生産は50%という評価がつきます。

年平均で生産100%は保つようにといった基準があり、達成割合が高いほど評価が上がります。

「営業貢献」はプロジェクトの受注にその人が何割貢献したかということです。
部下と2人で仕事を担当した場合は、それぞれ何割の仕事をしたのか分配します。

生産と営業貢献を掛け合わせたうえで、部の中で上位何割がA評価、次がB評価などと相対評価で決められます。

ただし売上だけで評価を決めると、仕事の難易度は高くても予算が低い案件などの場合、公平とは言えなくなるため面談で加味されるそうです。

コンサルタントの場合、評価が高いと通常3年間のアソシエイトを2年で卒業するなど、スキップする場合もあります。

 

エンジニア職はスキル評価

エンジニア職は営業をしないため、スキル評価になります。

チームのマネジメントができるようになった、全体のマネージャーを手がけたなど、役割が上がっていくことで評価につながります。

数字がつかない分、より年功序列色が強くなり、コンサル職のような役職のスキップもほとんどありません。
ただし関わったプロジェクトで大きな障害を起こしたりするとネガティブ評価になる場合もあるようです。

 

野村総合研究所で高い評価を得るには

野村総研のコンサルタントは、売上を上げることによって評価されます。
数字ではっきりと評価されるためわかりやすいですが、それしか見られないためシビアと感じられることもあるようです。
単価の安いプロジェクトも面談で加味はされるものの、基本的には売上の高い仕事が評価されます。

一方、エンジニア職はスキルやプロジェクトの成果で評価されます。
他社ベンダーや海外の開発部隊などもマネジメントしながら、企業の基幹システムを品質と納期を守って納品できたなど、大きなプロジェクトを納期通りに遂行できると高い評価が得られます。

 

野村総合研究所の年収以外の待遇、福利厚生

野村総研には、野村グループの充実した福利厚生が用意されています。
前述の月6万円の住宅手当のほか、財形貯蓄、各種保険、保養所(全国各地・ハワイ)など。
育児休暇は男性も3カ月程度、該当する人はほぼ全員が取得しているそうです。

 

自社株の10%割引と配当金が魅力

取材対象者がメリットを感じている福利厚生は、自社株を10%割引で購入できる制度です。
2年に1度、1株あたりおよそ3000円の社員向けの配当金がもらえるとのことです。

 

野村総合研究所の年収、コンサル競合他社と比較すると?

年収面を中心に、コンサル他社と比較してみましょう。

 

コンサル他社と比較したときのメリットは?

前述のように外資系コンサル大手は評価に応じて若いうちから年収が上がるケースが多く、そうした企業と比べると野村総研のコンサル職は年収的なメリットは低いといえそうです。

ただし、年功序列の安心感は大きく、スピード昇給は見込めないものの、ある程度まで右肩上がりに昇給できるため、
ローンなどの計画を立てやすいというメリットがあるようです。

 

コンサル職への転職は狙い目といえる

社内人員におけるコンサル職の割合が低い野村総研には、現状、外資系大手コンサル企業からの転職者が少なく、事業会社出身の転職者が多いのが課題だそうです。

しかし外資系コンサルがときに大きなプロジェクトを複数人で担当し、分業化されることがあるのに対し、野村総研のコンサル職は担当者の裁量が大きく、やりがいを感じながら安定して働ける環境です。
そのため、取材対象者は野村総研のコンサル職への転職は狙い目と感じているとのことでした。

 

野村総合研究所は安定した年収と福利厚生が魅力

野村総研は、年功序列で年次によってスムーズに昇進・昇給しながら安定して仕事ができるのが魅力です。
今回話を聞いたコンサル職に関しては仕事の裁量が大きく、やりがいも十分にあるといえます。

年収は外資系コンサル他社に比べるとスピード昇給は期待できませんが、経験を重ねるほど右肩上がりの昇給が望め、福利厚生も充実しているため社員満足度は高いようです。

 

野村総合研究所に転職するには

野村総合研究所へ転職を実現する上で大切なのは、どの転職エージェントに相談するか、です。
転職エージェントならどこでも良いわけではなく、野村総合研究所への内定実績を豊富に持つエージェントに相談するようにしましょう。
内定実績が豊富なエージェントは採用ターゲットを熟知していますし、過去の面接内容や面接官の情報に基づいた面接対策をしてくれるので内定確度が上がります。

野村総合研究所の志望度が高い方は是非、【エージェントファインダー】にご登録ください。野村総合研究所をはじめとするコンサルティングファームや、大手SIerに多くの内定者を輩出している転職エージェントをご紹介させていただきます。

 

 

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